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7−1 初恋とメロンソーダ
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6月は、地元の同級生の結婚式に出席した。
場所は四日市市のホテル。
新郎新婦は伊勢の出身だが、四日市に新居を構え、住んでいた。
同級生同士の結婚式は、同窓会のようになる。
「久しぶり、美香。元気だった?」
会場に着いたとたん、久しぶりに会う幼馴染が多く、話に花が咲く。
「ちょっと、痩せたんじゃない?」
子供の頃からぽっちゃりしていた美香だ。
みんなの記憶の中に、痩せている美香はいない。
「うん。わかる? 10キロ痩せたよ」
「やるぅ」
「もしかして、恋してるとか?」
「してないよう」
「隠すな隠すな。恋は女を変えるのよ」
「白状しちゃいなよ。アドバイスしてあげるから」
仲良しだった5人組が久しぶりにそろった。
3人が既婚で、そのうちの一人が今日の主役だ。
美香とあと一人、優等生で学校の先生になった亜由美が独身でいる。
「おっ、ブタミカも来てたか」
男子も数人話に加わった。
「ちょっと、人をノートみたいに」
よくからかわれていた颯太だ。
髪を金髪に染め、顎に髭をはやしている。
昔からやんちゃなところがあったが、イメージ通りの大人になっていた。
中学を卒業してから、会っていなかった。
「その言い方久しぶり~」
「懐かしい~~」
「そのまんまやん、颯太」
笑いがはじけた。
「それで痩せたんか。まだまだやな。ブタのままやん。ご馳走食って、また元に戻るんちゃう?」
言いたいことを言ってくるのも、昔のままだった。
楽しい時間はあっという間に過ぎて、披露宴はお開きになり、場所を変えることにした。
昼前から披露宴は始まったので、時間はちょうど3時ごろで、新郎新婦も加わった本格的な二次会が始まる夜まではまだ時間がある。
近くの喫茶店に入った。
メニューも昭和を意識して、レトロな雰囲気のお店だ。
それぞれに好きなものを注文する。
「メロンクリームソーダ!」
「お酒飲んだ後にいいのよねえ」
「好きだなあ。痩せる気ねえだろ。おめえら」
「はいはい、あんたたちはあっち行ってて」
男子を追っ払う。
「今日は特別なんだからいいの」
「綺麗だったね、智美」
「やっとだったね」
「何年付き合ってた?」
「十年以上じゃない?」
「昔から仲良かったもんね」
「このメロンソーダみたいに、ずっと甘~いよね」
「羨ましい」
「うちなんかさあ、出会って1年だったよ」
鮮やかな緑色のソーダに浮かぶ丸いバニラアイス、そしてさくらんぼの赤がかわいい。
「きたきたーー」
溶けないうちに写真を撮ってから、食べる。
「久しぶりなんだけど、美味しい~~」
「美香ったら、ほんと、好きだよね~」
「よく痩せられたね」
「これでもいろいろありますから」
「痩せなくても可愛いと思うけど、もっと可愛くなるんじゃない」
「そうそう、颯太が悔しがるかもね」
颯太はちゃらそうに見えて男気があり、よくモテていた。
二十歳そこそこで結婚しているという噂だけは耳に入っていた。
「次は美香の番だぞ」
「私はまだまだ。彼氏だっていないし。亜由美が先かもしれない」
「私はいいの」
亜由美が手を振る。
「今は仕事が一番だから」
「亜由美らしい」
ショートカットに黒縁のメガネがかっこいい。
学校の先生がよく合っていた。
気のおけない友達と、尽きない話をするのが楽しい。
アイスクリームをソーダにつけ味わっていると、ふと気になるワードが聞こえたような気がして、店内のテレビに目をやった。
昭和っぽく、レトロなテレビが置かれていた。
熱愛発覚の文字が画面に踊っていた。
『元アイドルが掴んだ愛』などと週刊誌の見出しのようだ。
『お相手は、旧財閥系の御曹司。ホテルで密会』
映し出された人物に釘付けになった。
綺麗な女性と腕を組んでいる姿が、アップになる。
(西野さんに似てるような)
テレビから聞こえたワードは、きょういちろうという名前。
アナウンサーが言った。
「浅倉京一郎さんは・・・」
(西野じゃない・・・別人なのかな)
どういうこと?
血の気が引いていく。
動揺を抑えるために飲んだ甘いソーダが、苦かった。
場所は四日市市のホテル。
新郎新婦は伊勢の出身だが、四日市に新居を構え、住んでいた。
同級生同士の結婚式は、同窓会のようになる。
「久しぶり、美香。元気だった?」
会場に着いたとたん、久しぶりに会う幼馴染が多く、話に花が咲く。
「ちょっと、痩せたんじゃない?」
子供の頃からぽっちゃりしていた美香だ。
みんなの記憶の中に、痩せている美香はいない。
「うん。わかる? 10キロ痩せたよ」
「やるぅ」
「もしかして、恋してるとか?」
「してないよう」
「隠すな隠すな。恋は女を変えるのよ」
「白状しちゃいなよ。アドバイスしてあげるから」
仲良しだった5人組が久しぶりにそろった。
3人が既婚で、そのうちの一人が今日の主役だ。
美香とあと一人、優等生で学校の先生になった亜由美が独身でいる。
「おっ、ブタミカも来てたか」
男子も数人話に加わった。
「ちょっと、人をノートみたいに」
よくからかわれていた颯太だ。
髪を金髪に染め、顎に髭をはやしている。
昔からやんちゃなところがあったが、イメージ通りの大人になっていた。
中学を卒業してから、会っていなかった。
「その言い方久しぶり~」
「懐かしい~~」
「そのまんまやん、颯太」
笑いがはじけた。
「それで痩せたんか。まだまだやな。ブタのままやん。ご馳走食って、また元に戻るんちゃう?」
言いたいことを言ってくるのも、昔のままだった。
楽しい時間はあっという間に過ぎて、披露宴はお開きになり、場所を変えることにした。
昼前から披露宴は始まったので、時間はちょうど3時ごろで、新郎新婦も加わった本格的な二次会が始まる夜まではまだ時間がある。
近くの喫茶店に入った。
メニューも昭和を意識して、レトロな雰囲気のお店だ。
それぞれに好きなものを注文する。
「メロンクリームソーダ!」
「お酒飲んだ後にいいのよねえ」
「好きだなあ。痩せる気ねえだろ。おめえら」
「はいはい、あんたたちはあっち行ってて」
男子を追っ払う。
「今日は特別なんだからいいの」
「綺麗だったね、智美」
「やっとだったね」
「何年付き合ってた?」
「十年以上じゃない?」
「昔から仲良かったもんね」
「このメロンソーダみたいに、ずっと甘~いよね」
「羨ましい」
「うちなんかさあ、出会って1年だったよ」
鮮やかな緑色のソーダに浮かぶ丸いバニラアイス、そしてさくらんぼの赤がかわいい。
「きたきたーー」
溶けないうちに写真を撮ってから、食べる。
「久しぶりなんだけど、美味しい~~」
「美香ったら、ほんと、好きだよね~」
「よく痩せられたね」
「これでもいろいろありますから」
「痩せなくても可愛いと思うけど、もっと可愛くなるんじゃない」
「そうそう、颯太が悔しがるかもね」
颯太はちゃらそうに見えて男気があり、よくモテていた。
二十歳そこそこで結婚しているという噂だけは耳に入っていた。
「次は美香の番だぞ」
「私はまだまだ。彼氏だっていないし。亜由美が先かもしれない」
「私はいいの」
亜由美が手を振る。
「今は仕事が一番だから」
「亜由美らしい」
ショートカットに黒縁のメガネがかっこいい。
学校の先生がよく合っていた。
気のおけない友達と、尽きない話をするのが楽しい。
アイスクリームをソーダにつけ味わっていると、ふと気になるワードが聞こえたような気がして、店内のテレビに目をやった。
昭和っぽく、レトロなテレビが置かれていた。
熱愛発覚の文字が画面に踊っていた。
『元アイドルが掴んだ愛』などと週刊誌の見出しのようだ。
『お相手は、旧財閥系の御曹司。ホテルで密会』
映し出された人物に釘付けになった。
綺麗な女性と腕を組んでいる姿が、アップになる。
(西野さんに似てるような)
テレビから聞こえたワードは、きょういちろうという名前。
アナウンサーが言った。
「浅倉京一郎さんは・・・」
(西野じゃない・・・別人なのかな)
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