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変化
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俺の声は聞こえているはずなのに、何の返事もない。
「こういうんじゃなくて…!あの、例えば一緒にゲームするとか、」
「はぁ?」
気づけば九条くんの手が服の裾から中に入ってきていて、お腹辺りを撫で上げてくる。
人にあまり触られないところだからか、くすぐったさに思わず声が出てしまった。
だんだんと手が胸あたりまで来たのを感じて、慌ててストップをかけた。
「待って、ねえ、待って」
今度は首筋に顔をうずめてきて、唇の感触がした。
慌てて押し返そうとするが、力の差があるようでびくともせず、一向に離れない。
「泣いてんの?」
自分でも知らない内に涙が出ていたようで、俺の鼻をすする音で九条くんは顔を上げた。
しばらくじっと見つめられたが、ため息をひとつ吐いて体をどかしてくれた。
「九条くん…?」
「この前も言ったでしょ、泣かすって。とりあえず言った通り泣かせたから俺は満足した」
俺の横に寝転がりながら、天井に顔を向けた姿勢になる。
「お金も受け取らないから」
「え、でも、ちゃんと用意してお客として、」
「あまりにもちかちゃんがバカ過ぎるから、一回痛い目見させようとしただけだよ。実際これで分かったでしょ?俺とエッチなんて出来ないくせに」
「確かに心の準備は出来てなかったけど…!」
「あーうるさい。疲れた。ちょっと静かにして」
これ以上話すことはない、とでも言うように目を閉じてしまった。
これは…俺はどうしたら良いんだろうか。
部屋を出ていけとも言われていないし。
悪いとは思いつつ、好奇心に負けて九条くんの部屋を軽く見渡してみる。
ぱっと見た印象は、あまり物が多くなくて、生活感がない部屋。
床に物は一つも落ちていないし、本棚も真ん中の棚にしか本が無い。
机には、参考書やノートが開いた状態で置かれていた。
もしかしたら俺が来る直前まで勉強していたのかもしれない。
前に、本当は九条くんは学校も勉強も嫌いなわけではないのでは?と思ったことがあったけど、それがさらに確信に近づいた気がした。
「あまり人の部屋見るもんじゃないよ」
部屋を観察していたのがバレてしまい、慌てて謝った。
「ごめん!」
「ここにいつまで居るの?怖がってたみたいだし、さっさと部屋から出てくと思ってたんだけど」
上半身を弄られたという動揺がまだ残ってたのと、これ以上いるのはお邪魔かと思い、ベッドから離れようと体を起こした。
「……本当ならさぁ、無理矢理抱いて、痛い思いさせて、心も体も傷つけてちかちゃん突き放す手もあったんだよ」
「えぇ…」
あまりに物騒な発言に思わず振り返る。
うとうとした表情をしていて、見るからに眠そうだ。
「そんな事されたら流石に俺に関わってこなくなるでしょ。…でも、できなかった。やっぱりお前を傷つけられなかった」
まさかの言葉に立ち上がりかけたまま静止する。
だって、いつもの九条くんなら絶対言わないであろう事を言っている…?
「九条さん?それ具体的にどういう意味?ねぇ、ちょっと!寝ないで!!」
結局そのまま寝入ってしまい、何も応えてくれなくなってしまった。
今回のことを利用して俺に嫌われようとしたけど、抵抗があったって事…だよね?
俺は単純だから、たったそれだけでも浮かれてしまいそうだ。
「こういうんじゃなくて…!あの、例えば一緒にゲームするとか、」
「はぁ?」
気づけば九条くんの手が服の裾から中に入ってきていて、お腹辺りを撫で上げてくる。
人にあまり触られないところだからか、くすぐったさに思わず声が出てしまった。
だんだんと手が胸あたりまで来たのを感じて、慌ててストップをかけた。
「待って、ねえ、待って」
今度は首筋に顔をうずめてきて、唇の感触がした。
慌てて押し返そうとするが、力の差があるようでびくともせず、一向に離れない。
「泣いてんの?」
自分でも知らない内に涙が出ていたようで、俺の鼻をすする音で九条くんは顔を上げた。
しばらくじっと見つめられたが、ため息をひとつ吐いて体をどかしてくれた。
「九条くん…?」
「この前も言ったでしょ、泣かすって。とりあえず言った通り泣かせたから俺は満足した」
俺の横に寝転がりながら、天井に顔を向けた姿勢になる。
「お金も受け取らないから」
「え、でも、ちゃんと用意してお客として、」
「あまりにもちかちゃんがバカ過ぎるから、一回痛い目見させようとしただけだよ。実際これで分かったでしょ?俺とエッチなんて出来ないくせに」
「確かに心の準備は出来てなかったけど…!」
「あーうるさい。疲れた。ちょっと静かにして」
これ以上話すことはない、とでも言うように目を閉じてしまった。
これは…俺はどうしたら良いんだろうか。
部屋を出ていけとも言われていないし。
悪いとは思いつつ、好奇心に負けて九条くんの部屋を軽く見渡してみる。
ぱっと見た印象は、あまり物が多くなくて、生活感がない部屋。
床に物は一つも落ちていないし、本棚も真ん中の棚にしか本が無い。
机には、参考書やノートが開いた状態で置かれていた。
もしかしたら俺が来る直前まで勉強していたのかもしれない。
前に、本当は九条くんは学校も勉強も嫌いなわけではないのでは?と思ったことがあったけど、それがさらに確信に近づいた気がした。
「あまり人の部屋見るもんじゃないよ」
部屋を観察していたのがバレてしまい、慌てて謝った。
「ごめん!」
「ここにいつまで居るの?怖がってたみたいだし、さっさと部屋から出てくと思ってたんだけど」
上半身を弄られたという動揺がまだ残ってたのと、これ以上いるのはお邪魔かと思い、ベッドから離れようと体を起こした。
「……本当ならさぁ、無理矢理抱いて、痛い思いさせて、心も体も傷つけてちかちゃん突き放す手もあったんだよ」
「えぇ…」
あまりに物騒な発言に思わず振り返る。
うとうとした表情をしていて、見るからに眠そうだ。
「そんな事されたら流石に俺に関わってこなくなるでしょ。…でも、できなかった。やっぱりお前を傷つけられなかった」
まさかの言葉に立ち上がりかけたまま静止する。
だって、いつもの九条くんなら絶対言わないであろう事を言っている…?
「九条さん?それ具体的にどういう意味?ねぇ、ちょっと!寝ないで!!」
結局そのまま寝入ってしまい、何も応えてくれなくなってしまった。
今回のことを利用して俺に嫌われようとしたけど、抵抗があったって事…だよね?
俺は単純だから、たったそれだけでも浮かれてしまいそうだ。
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