白色のダリア

ななしの

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変化

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「え、なに、バイト始めたん?」


ある日の放課後、バイトを理由に亜希の遊びのお誘いを断ると訝しげな顔をされた。

数週間前、九条くんに『客になる』宣言したは良いものの、お金の問題にぶつかった。
多少のお小遣いはあるものの、高校生の額なんて知れたもので、一万円なんて簡単に出せない。
どうしたものかと悩んだ末に、バイトする事に行き着いた。
バイト先はファストフード店にしたが、そこに決めた大きな理由は週払いもしているからだった。
俺としては好都合だ。


「なんか突然だな。そういう素振りなかったじゃん」

「まあ…色々とあって」


頑張れよー、と声をかけてくれる亜希と別れ、まっすぐバイト先に向かう。
今日は初めての給料日だ。
ということは、初めて九条くんの時間を買う日でもある。
言い出したのは俺だし、軽い気持ちで言った訳じゃないから後悔はない。
だけど、正直なところまだ覚悟は出来ていなかった。
だって、あのキスでさえ未だに思い出すたびに動揺してしまうのに、『これ以上の事をする』って…耐えられる自信がない。

(…交渉したら何とかなったりしないかな)

例えば一緒に勉強するとか、一緒にご飯食べるとか?
…でも、あの九条くんだぞ。
可能性は低そうだ。




◆◆◆

バイトを終わらせて寮に帰ると、リビングに電気はついていて、九条くんは自室にいるらしかった。
緊張で心臓をバクバクさせながら、リビングをうろちょろすること20分。
最後は、もう成るようになれ!と半ばヤケクソ気味に部屋をノックした。


「…夕飯ならいらないけど」

「いや、それではなくてですね…」


さっきまでの威勢はどこに行ったのか、いざ本人を目の前にするとモゴモゴとしてしまい本題に入れない。
九条くんは俺の手に握られた茶封筒に視線を落とし、それだけで全てを察したようで『あぁ』と顔色ひとつ変えずに言った。


「用意できたんだ?良いよ、今日は何も用事ないし」


遠慮のない手つきで俺の手首を掴むと、引きずられるようにして九条くんの部屋に入った。
あれよあれよと事が進むこの状況に思考が追いつけず、やっと話せるようになったのは、九条くんのベッドに雑に転がされた時だった。


「ちょ、あの、今から!?」

「そのために来たんでしょ」

「いや、そうなんだけど、一旦タイム欲しい…!」
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