ジュエリー戦士Shining Guardians

岩下穂乃香

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第20話 初めての海、優美の夏休み

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「人々の心の輝きは、後4250人分。攻撃を避けずにちゃんと戦うのだ。いいな!」
大魔王の念押しにゴングルは、今度こそと思い出撃した。

 希実が午前中の部活を終え、家で課題を進めているとスマホに電話がかかってきていることに気付く。優美さんからだった。希実が出ると、
「もしもし。私、優美だけど…」
と優美さんの声が聞こえてくる。
「希実ちゃん、この前は迷惑かけてごめんなさいね。お詫びかどうかわからないけど、今度うちの別荘に招待したいなと思っているの。どうかしら?」
優美さんの誘いに希実は
「ぜひ行きたいです。愛華たちも誘っていいですか?」
と言う。優美さんは嬉しそうな声でそれを承諾した。

 そして別荘に行く日がやって来る。夢ちゃんは仕事の関係で行けなくなってしまったが、優美、希実、愛華が優美の両親の運転で一緒に車に乗って別荘に移動する。数時間後、車は別荘に到着する。2年前に建てて、それから夏休みには毎回行っている別荘だが、優美はここに来れることを毎年楽しみにしていた。海と山に囲まれた絶好のロケーション。優美の心はわくわくしていた。
「せっかくだし、海に泳ぎに行きましょうよ」
愛華が優美に提案してくる。けれど、泳げない優美はこのことに乗り気がしなかった。優美の表情を読み取ったのか希実が愛華に
「愛華、海で泳ぐのはやめておこうよ。優美さん、なんか泳ぐのは気乗りしないように見えるし」
と言う。悩んだ末、優美は口を開く。
「私、少し、海で遊んでみたい」
優美は思い切って、愛華と希実に言う。優美の言葉に優美のお母さんやお父さんもびっくりしたような表情になる。
「泳ぐのはだめだって、お医者様から言われているでしょう」
優美のお母さんが、優美に言う。優美は退院して何年か経った今でもドクターストップで、水泳の授業には1度も参加したことがなかった。
「泳ぐわけじゃないの。ただ少し海がどんなものなのか触れてみたい」
優美の言葉にお母さんは泳がないことを条件に優美が海に行くことを許可してくれた。優美は愛華と希実と一緒に海へ向かう。海に着くと、優美は砂浜の感触や波の音、海の匂いを感じ、嬉しい気持ちになる。海の水を手ですくうと、水の冷たさが優美の手に伝わってくる。優美は波打ち際で愛華たちと楽しく遊んだ。

 30分ほどそんな風に過ごし、優美たちは別荘に戻ろうとする。そのとき、目の前にゴングルが現れた。クォーツが現れて、変身を促す。
「ルビーパワーチャージ、シャイニング・フォルティッシモ」
「トパーズパワーチャージ、シャイニング・フォルティッシモ」
「サファイアパワーチャージ、シャイニング・フォルティッシモ」
「炎と愛の戦士、シャイニールビー」
「光と希望の戦士、シャイニートパーズ」
「水と誠実の戦士、シャイニーサファイア」
ゴングルの攻撃がルビーたちを襲う。トパーズが
「トパーズ・サンダー」
を放つが、よけられて新たな攻撃を仕掛けてくる。サファイアも
「サファイア・フリージング」
を放つが、これもゴングルによけられてしまう。シャイニング・ステッキを出し、
「シャイン・ヒーリング」
も出してみるが、技が当たる直前でゴングルは逃げてしまった。

 優美、愛華、希実は一緒に変身を解除し、別荘へと戻る。少し遊んだだけなのに優美はかなりの疲れを感じてベッドに横になる。この疲れに優美は嫌な胸騒ぎを感じていた。
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