ジュエリー戦士Shining Guardians

岩下穂乃香

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第26話 夢の女優デビュー

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「せっかく戦士とプリンセスを倒すチャンスだったのに退散したのだ。後、心の輝きは3000人分必要だが、俺が復活した時に戦士やプリンセスがいては目障りでしかない。早く倒すのだ」
大魔王の言葉を受けて、ホーフーは再び出撃した。

 夢はマネージャーから映画の主演のオファーが来ていることを聞かされた。映画のタイトルは「恋はアップルティーと共に」。少女漫画雑誌「ルピナス」に連載されている人気漫画だ。これに出れば、夢は女優デビュー作にして主演を務めることになる。夢はオファーを受けるか悩んだが、自分の芸能人生のステップアップにつながると思いオファーを受けることに決める。撮影は順調に進み、テレビで予告が流れ始めると学校でも人気漫画の実写化ということで同級生や先輩、後輩から夢は声をかけられることが多くなっていった。愛華ちゃんも
「夢ちゃん、今度映画出るんですよね。私、原作漫画大好きなんです。映画楽しみにしてます」
と夢に声をかけてきた。
「ありがとう。そうだ、今度の日曜日撮影現場の見学に愛華ちゃん行かない?」
夢の提案に愛華ちゃんは嬉しそうな顔になり、テンションの高い声で
「行きたいです。日曜日楽しみにしてますね」
と言ってくる。続けて何か思いついたような表情になり、
「そうだ、希実や優美さんも一緒に行って大丈夫ですか? あ、でも優美さんは行きますかね? この前の体育祭の時も倒れたし、学校には来ているみたいですけど、あんまり体調良くなさそうに見えるんですよ」
と提案した後で、思い出したように不安そうな表情になる。夢は、
「優美さん本人に聞いてみるしかないね。私は優美さんの考えを尊重したいけど、なにか無理している可能性も否定できないし」
と愛華ちゃんに答えた。愛華ちゃんは夢の言葉に納得したような表情になり、
「じゃあ、とりあえず希実と優美さん両方に行けるか聞いてみます」
と言って、自分の教室の方へ帰っていった。

 希実と優美さん、両方から行けると連絡をもらい、日曜日の朝、夢は愛華ちゃんや希実ちゃん、そして優美さんと合流し撮影場所に入った。今日撮影するのは、クライマックスの夢が演じる愛と彼氏の竜が再会するシーンと数年後結婚した2人が町で思い出のアップルティーを見て、付き合っていた頃の話に花を咲かせるシーン。リハーサルを重ね、まずは2人が再会するシーンの撮影に着手する。しかし、撮影現場にホーフーが突然現れ、監督やカメラマン、夢以外の俳優の方々が倒れる。心の輝きを奪われたようだ。夢は愛華ちゃんたちと合流して変身しようとする。けれど優美さんの様子が少し具合が悪そうだ。
「優美さん、大丈夫ですか? この前体育祭の時も途中で倒れていましたし、無理しないでくださいよ」
夢は優美さんに言う。
「私は大丈夫だから。変身しましょう」
優美さんはそう言うので、心配だったが夢は4人で変身することにした。
「ルビーパワーチャージ、シャイニング・フォルティッシモ」
「トパーズパワーチャージ、シャイニング・フォルティッシモ」
「サファイアパワーチャージ、シャイニング・フォルティッシモ」
「アメジストパワーチャージ、シャイニング・フォルティッシモ」
「炎と愛の戦士、シャイニールビー」
「光と希望の戦士、シャイニートパーズ」
「水と誠実の戦士、シャイニーサファイア」
「癒しと創造の戦士、シャイニーアメジスト」
ホーフーはメガトイフルを出して、襲いかかって来る。アメジストは、ルビーたちと共に4人でシャイニング・アローを出し、
「シャイニング・フレア」
と技を出し、まずはメガトイフルを倒す。続いてホーフーを倒そうとするが、ホーフーは瞬間的にアメジストたち4人の背後にまわり、攻撃を仕掛けてきた。4人がとっさに攻撃を避けると、ホーフーは舌打ちをして去っていった。しばらくして心の輝きを奪われた人たちも目を覚まし、アメジストたちは安心して変身を解除した。

 映画の撮影は再開し、夢は愛が竜と再会するシーンの撮影に取り掛かる。少し遠くで愛華ちゃんと希実ちゃんが立って見学している。優美さんは椅子に座って見学しているようだ。軽くリハーサルが行われ、再会するシーンの撮影が開始される。部屋で元彼との別れがトラウマで忘れられない愛が竜に心を許し恋人関係となる重要なシーンを夢は一発でOKをもらい、その後の結婚生活を送るシーンも一発で夢はOKをもらった。夢は演技をすることの楽しさを初めて感じることができた。
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