ジュエリー戦士Shining Guardians

岩下穂乃香

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34話 聖夜の奇跡、4人のクリスマス

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 戦いが終わった後、倒れた優美さんは再び病院へと運ばれる。愛華たちは病室の中に入れず、ただ外から見守ることしかできずにいた。すると突然、
「私、優美さんのことを追い詰めたかもしれない。今はしっかり休んだ方がいいはずなのに、優美さんを無理に戦いに駆り立ててしまった気がする」
と夢ちゃんが言い出す。愛華と希実はその言葉にどう返してよいのか、言葉を見つけられずにいた。愛華と希実も4人で協力し合えることに喜びを感じていたのは事実だ。しばらくして、希実が迷いながら口を開く。
「夢ちゃんだけのせいではないと思います。今の状態で4人一緒に戦うことを望んでいたのは、私も愛華も同じですから。とりあえず、今は優美さんが目を覚ますことを願うしかないと思います」
愛華が希実の言葉に頷くと、夢ちゃんも悩むような素振りを見せつつも頷く。その日、優美さんが目を覚ますことは無く、愛華たちは仕方なく家へと帰っていった。

 次の日から、愛華と希実は時間の許す限り優美さんのいる病院を訪れた。夢ちゃんも仕事が終わった後など、できる範囲で来てくれた。あれから優美さんは、眠り続けている。愛華たちはもう一度優美さんの本当の気持ちを聞きたくて、目を覚ましてくれることを祈り続ける。数日後、愛華と希実、そして夢ちゃんが一緒に病院に来ることができた日、優美さんはついに目を覚ます。愛華たちがいるのを確認してから、優美さんはゆっくりと話始める。
「私ね、愛華ちゃんたちに出会えてよかった…。こんな私が迷惑なんじゃないかって思うこともあったけど、少しでも自分にできること、協力しながらできることがあると思うと、とても嬉しかった…。愛華ちゃん、希実ちゃん、夢ちゃん、ありがとう…」
たどたどしさはあったが、優美さんはそう言うと再び目を閉じた。優美さんが目を覚ましたことで、愛華たちはほっとするとともに優美さんの変化した気持ちを聞けて笑顔になる。愛華たちは優美さんが元気になって退院することを信じてやまなかった。

 病院を出てから、愛華は希実と夢ちゃんにある提案をする。
「2週間後のクリスマスの日、プレゼント用意して優美さんのところに行きません?」
愛華の提案に希実も夢ちゃんもすぐに賛成する。そして、プレゼントを選びに今度の日曜日、ラルゴモールに愛華たちは行くことを約束した。

 次の日、ラルゴモールで愛華たちは雑貨屋など色々なお店を見て回る。悩みながらもそれぞれプレゼントを選び、モールを出ようとした瞬間建物内が突然停電する。周りにいたたくさんの買い物客が倒れ、天井の方からホーフーの高笑いする声が聞こえる。倒れた人は心の輝きを奪われたのだろう。愛華は希実と夢ちゃんと変身する。
「ルビーパワーチャージ、シャイニング・フォルティッシモ」
「トパーズパワーチャージ、シャイニング・フォルティッシモ」
「アメジストパワーチャージ、シャイニング・フォルティッシモ」
「炎と愛の戦士、シャイニールビー」
「光と希望の戦士、シャイニートパーズ」
「癒しと創造の戦士、シャイニーアメジスト」
メガトイフルも現れ、攻撃をルビーたちに仕掛けてくるが3人とも暗闇でメガトイフルの動きを掴めずにいた。それにトパーズが
「ルビー、アメジスト、耳をすましてメガトイフルの動きを読み取ろう。アメジストはシャイニング・アローで攻撃をお願いします。」
と言う。ルビーたちはそうして立ち止まると、辺りはメガトイフルの動き回る音しか聞こえなくなる。タイミングを掴み、アメジストが
「アメジスト・ヒール」
とシャイニング・アローで攻撃する。これでメガトイフルは倒され、建物内の電気も復旧する。ホーフーはいつの間にかいなくなっていた。心の輝きを奪われた人々も目を覚まし始め、ルビーたちは変身を解除する。

 クリスマス当日、愛華たちが優美さんの病室を訪れると優美さんはベッドから体を起こして座っていた。そして、包み紙に包まれたものを持ってやって来た愛華たちの様子に驚いたような表情になる。優美さんがプレゼントを開けるのを待ってから、愛華たちも色違いで買ったブレスレットをつけた方の腕をベッドの上の机の上で重ねる。優美さんもブレスレットを腕につけるとその上に重ね合わせる。
「私、優美さんが元気に退院できるのを信じているから」
夢ちゃんが優美さんに向かって言う。優美さんはそれに笑顔で頷いた。しかしこのとき、愛華たちも優美自身も今の状態が風前の灯火であることを知らずにいた。
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