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第四章
起床
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それからボクは、少しだけ眠った。夢も見ないくらい、とてもよく眠れた。
どのくらい時間が経ったんだろう。いつの間にか、アイジスも居ない。ボクはベッドから起き上がって、辺りを見渡した。
……。シャワーが浴びたい。ここの所、沢山汗をかいたから。ちょっとベタベタする。そう思ったボクは、部屋を出てみた。鍵は、かかっていなかったから。
「なんだ、何か用か」
「っ!」
部屋を出ると、すぐ目の前に誰かが居た。……アイジスじゃない。声が違う。でも、同じヘルメットや、お洋服を着てて。壁に背をついて、腕を組んでた。
「……あ、あの。……シャワーが、浴びたくて」
「ああ。それなら、向こうの突き当りにある」
その人は、廊下の先を指さした。廊下の先には、扉があって。シャワー室と書かれたプレートがあった。
「……あ、ありがとう……ございます」
ボクは逃げるように、小走りでそこに向かった。……中に入ると、あのいつものシャワー室と似た景色があって。ボクは少しだけ、安心した。
……誰も居ない。ボクはドキドキした心臓を整えると、お洋服を脱いだ。そして、バルブをひねって。久しぶりに、冷たいシャワーを浴びる。
……シロ、どこに行ったんだろう。どうして、居ないんだろう。ここに居れば、また会えるかな。また、ひょっこりと現れるかな。
「うっ……」
なんだろう。ここの水、いつもの所よりも冷たいのかな。なんだかいつも以上に、身体が痛い。チクチクして、ジンジンする。
頭の中で、シロとマスターが浮かんでいる。二人のことを思い出せば出すほど、水が、冷たくなっていった。……とても、悲しくなった。
「お邪魔するわね、黒」
……ビックリした。突然、後ろから声がして。またいつの間にか、メアが立っていた。
「め、メア。……驚かさないでよ」
メアはクスリと笑うと、隣の方でシャワーを浴びた。……仕切りになってる壁の上に、メアの脱いだお洋服がかかってる。
「……ねえ。メア」
「何?」
「シロは……。どこに行ったの?」
聞きたかった。ずっと、聞きたかった。でもなぜか、そのことを忘れてて。聞けなかった。
「白は、お仕事をしてるの。私達を、助けてくれるためにね」
「メアたちを……?」
「そう。……だから、黒もお手伝いしてくれる?」
シロは、お仕事をしてるのか。何か、大切なことなのかな。もしかして、マスターとかの……。
「あっ」
「何?」
「……ボク、マスターに荷物を届けないといけないんだ」
忘れていた。マスターとの約束。マスターの大切なものを、取りに行かないといけないんだ。
「それなら大丈夫よ。――もう、私達が回収したから」
「え……?」
「安心して。代わりに私達が届けてあげる。約束よ」
……そっか。それなら、安心かな。でもマスターとの約束、破っちゃった。……ボクが、届けたかったな。マスターに、喜んで欲しかったな。
「それより今日は、見てほしい所があるの。一緒に来てくれる?」
「……どこに行くの?」
「私達のお家よ。黒にも、知っておいてほしいからね」
どのくらい時間が経ったんだろう。いつの間にか、アイジスも居ない。ボクはベッドから起き上がって、辺りを見渡した。
……。シャワーが浴びたい。ここの所、沢山汗をかいたから。ちょっとベタベタする。そう思ったボクは、部屋を出てみた。鍵は、かかっていなかったから。
「なんだ、何か用か」
「っ!」
部屋を出ると、すぐ目の前に誰かが居た。……アイジスじゃない。声が違う。でも、同じヘルメットや、お洋服を着てて。壁に背をついて、腕を組んでた。
「……あ、あの。……シャワーが、浴びたくて」
「ああ。それなら、向こうの突き当りにある」
その人は、廊下の先を指さした。廊下の先には、扉があって。シャワー室と書かれたプレートがあった。
「……あ、ありがとう……ございます」
ボクは逃げるように、小走りでそこに向かった。……中に入ると、あのいつものシャワー室と似た景色があって。ボクは少しだけ、安心した。
……誰も居ない。ボクはドキドキした心臓を整えると、お洋服を脱いだ。そして、バルブをひねって。久しぶりに、冷たいシャワーを浴びる。
……シロ、どこに行ったんだろう。どうして、居ないんだろう。ここに居れば、また会えるかな。また、ひょっこりと現れるかな。
「うっ……」
なんだろう。ここの水、いつもの所よりも冷たいのかな。なんだかいつも以上に、身体が痛い。チクチクして、ジンジンする。
頭の中で、シロとマスターが浮かんでいる。二人のことを思い出せば出すほど、水が、冷たくなっていった。……とても、悲しくなった。
「お邪魔するわね、黒」
……ビックリした。突然、後ろから声がして。またいつの間にか、メアが立っていた。
「め、メア。……驚かさないでよ」
メアはクスリと笑うと、隣の方でシャワーを浴びた。……仕切りになってる壁の上に、メアの脱いだお洋服がかかってる。
「……ねえ。メア」
「何?」
「シロは……。どこに行ったの?」
聞きたかった。ずっと、聞きたかった。でもなぜか、そのことを忘れてて。聞けなかった。
「白は、お仕事をしてるの。私達を、助けてくれるためにね」
「メアたちを……?」
「そう。……だから、黒もお手伝いしてくれる?」
シロは、お仕事をしてるのか。何か、大切なことなのかな。もしかして、マスターとかの……。
「あっ」
「何?」
「……ボク、マスターに荷物を届けないといけないんだ」
忘れていた。マスターとの約束。マスターの大切なものを、取りに行かないといけないんだ。
「それなら大丈夫よ。――もう、私達が回収したから」
「え……?」
「安心して。代わりに私達が届けてあげる。約束よ」
……そっか。それなら、安心かな。でもマスターとの約束、破っちゃった。……ボクが、届けたかったな。マスターに、喜んで欲しかったな。
「それより今日は、見てほしい所があるの。一緒に来てくれる?」
「……どこに行くの?」
「私達のお家よ。黒にも、知っておいてほしいからね」
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