崩壊した世界からの脱出 -ボクたちはセックスしか知らない-

空倉霰

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第四章

甘えられて

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 しばらく歩いたと思う。でも、さっきからずっと頭がぼうっとしてて。どこを歩いてるんだか、よくわからない。
 鉄みたいな道だけど、狭くて。それにどこもかしもも、古びているような。地面がザラザラする。これって、錆ってやつかな。それにやっぱり、薄暗い。
 ……。ふと気になって、ボクは隣の大人を見てみた。……大きなヘルメットみたいなのを被ってて、顔がわかんない。何かゴチャゴチャしてる、お洋服も着てる。……確かこのお洋服って、ロインも着てたような……?
「ここだ、入れ」
 すると大人は、どこかの扉を開けた。そして、ボクを部屋に入れた。……ボクの牢屋より、ずっと広い。灰色の壁だ。それに中央に、ベッドが一つだけ置いてある。
「しばらくはここで生活してもらう。何でもとはいかないが、ある程度なら必要な物も用意してやる」
 ボクは、誘われるようにベッドに近づいた。もうすっかり、全身が疲れ切ってて。もうそのまま床で寝てもよかったけど、せっかくならベッドで寝たかった。
「……」
『ガチャンッ』
 ボクは、ベッドにうつぶせになった。ああ、柔らかい。もうこのまま、寝ちゃいたい。
「疲れてんのか」
 すると、大人が言った。大人は、いつの間にかヘルメットを外してて。茶色の短い髪と、顔が見えていた。
「まあ無理もない。サイコキネシスの能力は、ただでさえ精神を疲労させるからな」
 大人が、ボクの隣に座った。……だからボクも、ベッドに座り直した。きっと、メアのお友達と思ったから。仲良く、しなくちゃ。
「……(ゴクッ)」
 ……? 何か、音が聞こえたような気がした。それが何なのか気になって、辺りを見渡してみると。大人の人と、目が合った。
「お、俺の名前をまだ言ってなかったな。俺は、アイジス。……レジスタンスでは、警備班の所属だ」
「……アイ、ジス」
「ああ、よろしくな。黒」
 ボクは、思わず目を逸らした。……大人だからというより、知らない人だったから。
「……。怖かっただろう。急に知らない場所に来たものな」
「……」
「でも、大丈夫だ。ここに居る限り、俺が守ってやる」
 するとアイジス……は、ボクの太ももに手を置いた。
「……」
 少し怖かった。でも、メアのお友達だから。きっと悪い人じゃない。そう思ったから、ボクは。
「……あり、がとう」
「っ! い、いや。いいのさ。ははは」
 ……。アイジスが、ボクの太ももを撫でた。それから、咳を一つした。
「……。な、なあ。その代わり、といっちゃなんだが……。ちょっと、頼みがあるんだ」
「……?」
「……その。お前のことを、抱きしめたいんだが……」
「え……?」
「ああ、いや。変な意味じゃなくて。えっと。俺には、弟が居たんだ。それでお前が、そっくりだから」
 ……。よく、わからない。でも、そのくらいなら。
「……いい、よ」
「す、すまない。じゃあ、ちょっと失礼して……」
 アイジスは、ボクをぎゅってした。……やっぱりだけど、マスターみたいにドキドキはしない。だからボクは、ただ抱かれてた。
「はあー……。この、ちょっと甘酸っぱいのが……」
 ……アイジスが、ボクの首の匂いを吸ってるのがわかった。別に、嫌だとかじゃないんだけど。……変わってるな、と思った。
「……ちょ、ちょっと……」
 ……? アイジスが、ボクの脇に顔をうずめた。それで、やっぱり匂いを吸ってる。……変なの。
「……はあっ……」
「……? そこが、好きなの……?」
「あ、ああ。……なあ。服を脱いで……、直接、見せてくれないか」
「えっ……。だ、駄目だよ。恥ずかしいし……」
「そ、そうか。そうだよな。……っ、じゃ、じゃあ……。少しの間だけ、このままでっ……」
 ……。どうしたんだろう。震えてる。寒いのかな。ボクは、そんなに寒いとは思わないけど。むしろ、ちょっと暑いくらい。
「はあっ……はあっ……」
 息が荒い。苦しいのかな。大丈夫かな。
「……ちょっと、頭を撫でてくれないか……?」
「頭を……? ……うん、いいけど……」
 ボクはアイジスの言う通り、頭を撫でてあげた。アイジスはさっきから、ボクの脇に顔をうずめてるから。とても撫でやすかった。
「ああ……。うっ……」
 まるで、赤ちゃんみたい。ボクが女の子だったら、このままおっぱいでも飲ませてあげるのかな。
「わ、悪いっ……!」
「わあっ!?」
 その時、突然アイジスがボクを押し倒した。ボクは、ベッドに倒れちゃって。アイジスが、のしかかってきた。
「や、止めて! 止めて! 助けて!」
 ボクは、叫んだ。またあの大人たちみたいに、乱暴されると思ったから。
「あっ、いや、違う、違うぞ! 俺は別に、お前を傷つけるつもりはないんだ!」
 ……しばらくボクは、震えてて。……それでも、何も起こらないのが気になったから。目を開けてみた。……アイジスは、何もしてこなかった。ただ、上に乗ってるだけだった。
「ただその、ちょっと見ててほしいっていうか……。見せてもらえば、それでいいんだよ!」
「え……?」
「頼む、ちょっとだけでいいんだ! それで俺、頑張れるから!」
 ……。アイジスが、ボクにお願いしてた。……こんなに必死そうにお願いされるなんて、初めてだったから。ちょっとだけ、ドキっとした。
「……見てるだけで、いいの……?」
「そう! は、はは。ちょっと、失礼して……」
 アイジスが、少しズボンを下ろした。下着も、下ろした。……大きい。触らなくてもわかるくらい、がちがちになってて。アイジスは、とても大きな手で、自分のを握って。……それで、ゆっくり動かしていた。
「うっ……。な、なあ。お腹、お腹見せて!」
 ……。不思議だった。他人のしている所を見るなんて、初めてだったし。あの時のマスターも、こんな気持ちだったのだろうか。
 だから、お願いを聞いてあげた。ボクはスカートを、ゆっくりとたくしあげて。お腹を見せてあげた。ちょうど、おへそのあたりくらいまで。
「くっ……。黒色っ……」
 ……? 何の話をしてるんだろう。
「そう、その顔いい! そのまま、見ててっ!」
 アイジスの手は、だんだんと早くなっていった。それで、何か液体が飛び散って。少しだけ、ボクの顔にかかっちゃって。
「う、で、出るっ!」
 そして次の瞬間、ボクの顔に、白いのが襲い掛かってきた。あったかいのが、沢山顔にかかっちゃった。
「わっ……」
 ボクは思わず、目を閉じて。しばらく続いたそれを、我慢した。……少し、嫌だったけど。ボクもマスターに同じことを、しちゃったから。
 べたべたする。くさい。ボクの時より、沢山出てる。……顔から垂れたのが、襟からお洋服の中に入っちゃって。少し、悲しかった。
「はあ……はあ……」
 するとボクは、アイジスが震えてるのに気が付いた。もう出るのは収まったみたいだけど、まだ身体が震えてて。そしたら、突然倒れて来て。ボクの膝の上に、頭を乗せた。
「ど、どうしたの?」
「い、いや……。少しだけ、このままで……」
 ……。不思議だ。この人は、ボクより大人なのに。ボクより、子供みたい。いつだったか、マスターに頼まれて、赤ちゃんのお世話をした時と同じだ。
 あの時も確か、赤ちゃんに膝枕をしてあげたっけ。それで、すやすや眠っちゃって。頭を、撫でてあげたんだった。
「……アイジスって、変だね。赤ちゃんみたい」
 ボクはそう言いながら、もう一度頭を撫でてあげた。……不思議な、感じだった。甘えてる時とは逆の、甘えられる感覚。なんというか、その。マスターの時とはまた違う、暖かい気持ち。
「ご、ごめん……。……ずっと、働き詰めだったから」
「そっか……。頑張ったんだね」
「……ああ……」
 するとアイジスは、寝たままボクにぎゅっとした。……やっぱり、少し不思議。あの意地悪してくる大人たちとは、違うみたい。
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