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第八章
個性……?
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その子は、ラムという名前らしい。ボクと同じくらいの年齢で。趣味は、しゃしん……を取ることだとか。
それでも、たまにえっちなしゃしんを撮っちゃうから。おじいちゃんは、ラムを怒っているみたい。……。じゃあラムは、ボクのえっちなしゃしんを撮ってたってことかな。そんなの、なんで欲しいんだろう。
「いいか、盗撮は悪いことなんだ! この前も教えただろう!?」
ラムは、そっぽを向いた。そして、手に持っているかめら……? を、じっと見ている。
「頼むから止めてくれ! 写真を撮るなとは言わないが、そういうのを撮るのだけは止めてくれ!」
「……。なんなんだろうな、この子」
さっきからずっと、ラムはボクの足元に居る。そしてたまに、ボクを撮って。たまーに、ボクの足をペタペタと触る。その度に、おじいちゃんが怒って。ラムがしょんぼりする。……。変なの。
「はあ!? それを出すって!? 馬鹿言うな、そんなの許可出来るわけがないだろう!」
「……! ……?」
「絶対に駄目だ! 仮に本人の同意があっても、そういうのだけは駄目だ!!」
おじいちゃんの声が、いっそう強くなってる。何を言ってるのかな。ボクにはラムの言うことが、わからない。
そう思っていると、ラムは肩から下げている鞄から、何かを取り出した。……スケッチブックかな。ラムはそれに、何かを書いて。ボクに、見せる。
「……『しゃしんしゅうを出したい』……?」
「だから駄目だって言ってるだろう! まだこんな年端もいかない子供を、撮る気か!?」
ラムは、おじいちゃんの声を無視したみたいで。さらに鞄の中から、何かを取り出した。……これは、絵本……? いろいろな人のしゃしんが、載ってる。……。これが、しゃしんしゅうなのかな。
あ、フェイのお兄さんも写ってる。……かっこいいような、可愛いようなポーズをとってて。……どこか、すてきだな。
「……これを、ボクにも……やってほしい、ってこと?」
ラムは、頷いた。……それで、次々にページをめくってって……。
「あ! その先は見せたら駄目だろう! 止めなさい! こら、ラム!!」
おじいちゃんは、ラムから絵本を取り上げようとする。でも、すばしっこく逃げて。すぐにボクの隣に来て、続きを見せた。
「……! ……わあ……」
……フェイのお兄さんが、えっちなことをしてる。お洋服が、はだけてて。お胸が、見えちゃってて。……それで、誰かと一緒に、キスしてる。
「こら、いい加減にするんだ!! それは子供に見せるものじゃない!!」
「あ、あいつ。こんなこともしてたのか……」
その先も、そんな感じのしゃしんが続いていた。フェイのお兄さんや、他の人なんかも写ってて。最後の方にマカ先生も写ってた。
……みんな、えっちなことをしてる。お口で、したり。顔に、かかってたり……。……思い切り、してたり。だから、なんだかボクは。……あそこが、むずむずしてしまった。
「止めるんだ!!」
すると、おじいちゃんがラムから絵本を取り上げた。それで、思い切りビリビリに破いちゃって。細かくなった紙切れが、そこら中に散らばる。
「はあ。はあ。……す、すまなかった。今のは、忘れてくれ」
……。多分、無理だと思う。もう、頭に焼き付いちゃったから。
でも、面白いな。こんなのもあるんだ。最後のほうはともかく、最初のお兄さんたちがポーズをとってたのは、少しかっこよかった。
「……ねえ、ラム。ボクにも、ああいうの……出来るかな?」
「「クロ!?」」
アイジスとおじいちゃんが、同時にボクを見た。
「あ、いや、その。……最後の、じゃなくて。最初の方の、あの……」
「あ、ああ。そっちか。……びっくりした」
ラムはコクコクと、うなずいてる。……出来る、ってことなのかな。
「クロ、ワシからの忠告だ。止めておいたほうがいい。ラムはいい写真を撮るが、その。少し変わっとるんだ」
「……? ……それって、つまり……個性、じゃないの?」
「いや、それはそうなんだが。時と場合というか、ケースバイケースというか」
……。よく、わかんない。でも、なんだか不思議だ。ちょっとやってみたいって、思う気持ちがある。
そう思っていると、ラムは突然ボクの腕を握って。いきなり走り出した。アイジスとおじいちゃんすらも、置き去りにして。
「あっ、おいラム! 止めるんだ!」
「クソッ、子供だからって油断したか……!」
すごく早い。ボクも、ついて行くのが精いっぱいで。……でも、なんだかこの感じ。前にシロと冒険した時のことを、思い出すな。
だから、ちょっぴりワクワクしていた。新しい事を知るのも、だけど。また、友達が出来るのかなって、思ったから。
それでも、たまにえっちなしゃしんを撮っちゃうから。おじいちゃんは、ラムを怒っているみたい。……。じゃあラムは、ボクのえっちなしゃしんを撮ってたってことかな。そんなの、なんで欲しいんだろう。
「いいか、盗撮は悪いことなんだ! この前も教えただろう!?」
ラムは、そっぽを向いた。そして、手に持っているかめら……? を、じっと見ている。
「頼むから止めてくれ! 写真を撮るなとは言わないが、そういうのを撮るのだけは止めてくれ!」
「……。なんなんだろうな、この子」
さっきからずっと、ラムはボクの足元に居る。そしてたまに、ボクを撮って。たまーに、ボクの足をペタペタと触る。その度に、おじいちゃんが怒って。ラムがしょんぼりする。……。変なの。
「はあ!? それを出すって!? 馬鹿言うな、そんなの許可出来るわけがないだろう!」
「……! ……?」
「絶対に駄目だ! 仮に本人の同意があっても、そういうのだけは駄目だ!!」
おじいちゃんの声が、いっそう強くなってる。何を言ってるのかな。ボクにはラムの言うことが、わからない。
そう思っていると、ラムは肩から下げている鞄から、何かを取り出した。……スケッチブックかな。ラムはそれに、何かを書いて。ボクに、見せる。
「……『しゃしんしゅうを出したい』……?」
「だから駄目だって言ってるだろう! まだこんな年端もいかない子供を、撮る気か!?」
ラムは、おじいちゃんの声を無視したみたいで。さらに鞄の中から、何かを取り出した。……これは、絵本……? いろいろな人のしゃしんが、載ってる。……。これが、しゃしんしゅうなのかな。
あ、フェイのお兄さんも写ってる。……かっこいいような、可愛いようなポーズをとってて。……どこか、すてきだな。
「……これを、ボクにも……やってほしい、ってこと?」
ラムは、頷いた。……それで、次々にページをめくってって……。
「あ! その先は見せたら駄目だろう! 止めなさい! こら、ラム!!」
おじいちゃんは、ラムから絵本を取り上げようとする。でも、すばしっこく逃げて。すぐにボクの隣に来て、続きを見せた。
「……! ……わあ……」
……フェイのお兄さんが、えっちなことをしてる。お洋服が、はだけてて。お胸が、見えちゃってて。……それで、誰かと一緒に、キスしてる。
「こら、いい加減にするんだ!! それは子供に見せるものじゃない!!」
「あ、あいつ。こんなこともしてたのか……」
その先も、そんな感じのしゃしんが続いていた。フェイのお兄さんや、他の人なんかも写ってて。最後の方にマカ先生も写ってた。
……みんな、えっちなことをしてる。お口で、したり。顔に、かかってたり……。……思い切り、してたり。だから、なんだかボクは。……あそこが、むずむずしてしまった。
「止めるんだ!!」
すると、おじいちゃんがラムから絵本を取り上げた。それで、思い切りビリビリに破いちゃって。細かくなった紙切れが、そこら中に散らばる。
「はあ。はあ。……す、すまなかった。今のは、忘れてくれ」
……。多分、無理だと思う。もう、頭に焼き付いちゃったから。
でも、面白いな。こんなのもあるんだ。最後のほうはともかく、最初のお兄さんたちがポーズをとってたのは、少しかっこよかった。
「……ねえ、ラム。ボクにも、ああいうの……出来るかな?」
「「クロ!?」」
アイジスとおじいちゃんが、同時にボクを見た。
「あ、いや、その。……最後の、じゃなくて。最初の方の、あの……」
「あ、ああ。そっちか。……びっくりした」
ラムはコクコクと、うなずいてる。……出来る、ってことなのかな。
「クロ、ワシからの忠告だ。止めておいたほうがいい。ラムはいい写真を撮るが、その。少し変わっとるんだ」
「……? ……それって、つまり……個性、じゃないの?」
「いや、それはそうなんだが。時と場合というか、ケースバイケースというか」
……。よく、わかんない。でも、なんだか不思議だ。ちょっとやってみたいって、思う気持ちがある。
そう思っていると、ラムは突然ボクの腕を握って。いきなり走り出した。アイジスとおじいちゃんすらも、置き去りにして。
「あっ、おいラム! 止めるんだ!」
「クソッ、子供だからって油断したか……!」
すごく早い。ボクも、ついて行くのが精いっぱいで。……でも、なんだかこの感じ。前にシロと冒険した時のことを、思い出すな。
だから、ちょっぴりワクワクしていた。新しい事を知るのも、だけど。また、友達が出来るのかなって、思ったから。
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