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第八章
ラム
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……それから、ボクは。ラムと一緒に、皆の所へ戻った。アイジスとおじいちゃんが、心配してて。ボクを見つけるやいなや、急に走って寄ってきた。
「クロッ! 心配したんだぞ……!」
「ご、ごめんね」
「大丈夫か? このガキに何かされなかったか!?」
アイジスが、ボクの身体を見てる。怪我がないかを心配してるんだ。……でも、言えない。悪い事をしちゃったのは、ボクの方なんだ。
ラムは、ボクの腕に抱きついてた。……まるで、恋人みたいに。仮面もまた被ってて、アイジスに、見せつけるみたいに。
「……ど、どうかしたのか? ……その」
「な、なんでもないの。なんでも……」
……内緒だった。さっき起こったことは。ラムも、しゃしんは誰にも見せないし、誰にも言わないから。……その、代わりに。言われたんだ。……『ぼくのおにいちゃんになって』、って……。
「はあー、まったく。ラム! 厳罰だからな。仕事の量を倍にさせてもらう」
ラムは、頷いてた。おじいちゃんが、怒ってた。……それで、アイジスとおじいちゃん。二人とも一応、安心したみたいで。一瞬だけ、ボクに背を向けた。
「……ひみつ、だね。おにいちゃん」
「っ……」
……ラムは、喋れる。でも、なぜか。それを隠してるみたいで。ちっちゃなちっちゃな声で、囁いた。
無邪気なのが、ずるいんだ。……大人たちとは、違う。ボクには、わかる。……ラムは、ボクと仲良くなりたいんだ。……でも、多分。こんなやり方しか、知らなくて。
それからというもの、ボクとラムは、いつも一緒だった。恋人、みたいに。家族、みたいに。……ご飯を、一緒に食べて。一緒に、ベッドで寝て。
アイジスが、嫉妬してた。ラムとアイジスは、いつも睨めっこしてた。……ごめんね、アイジス。でも、ボクが君のお母さんなのは、変わらないんだ。
……そして、次の日。ボクはラムに連れられて、お仕事の部屋に来た。そこは、昨日来たあの部屋。テレビや冷蔵庫みたいなのがある、あの部屋だった。
「ここが、ぼくのしごとばなんだよ。くろ」
今は、誰も居ない。また昨日みたいに、アイジスから逃げて。ラムはボクを、ここへ連れてきた。
「ぼく、ぱそこんがとくいなの。みんなのひみつ、いろいろしってるんだよ」
ラムは椅子に座って、クルクルと回った。それで、板みたいなのをカチャカチャとして。テレビの画面を操作した。
「……あ、お兄さんだ」
画面には、忙しそうにしてるフェイのお兄さんが映った。きっと、監視カメラを操作してるんだろう。
「ふぇいのおにいちゃんは、いつもたいへんなんだ。おしごとして、みんなと、えっちして。がんばりやさんなの」
ラムの言葉の通り、お兄さんは本当に忙しそうだった。書類の整理とか、お仕事の指示とか。……それで、空いた時間に、こっそりえっちをする。
「も、もういいよ。……これ以上は、大丈夫だよ」
「そう? これからが、はげしいのに。……じゃあ、こっちはどう?」
次に映ったのは、マカ先生だった。忙しそうに、汚した人を治療してて。……それで……。ベッドで患者さんが寝てるうちに、ズボンを下ろして……。
「だ、駄目だって! その、勝手に見るのは……」
「……いや、なの?」
「い、いやっていうか……」
「……じゃあ、これならだいじょうぶだよね」
ラムはそういうと、また画面を操作して。……それで、何かの映像がまた映った。……これは……。
「あっ……!」
……昨日の、映像だった。ボクが、ラムとえっちしてる時の。……それ、も。ラムが眠っちゃったと思って、ボクが一人でしてる時で。
「……ご、ごめん……なさい……」
「……? どうして、あやまるの?」
「……だって、ボク……」
「くろはわるくないんだよ。だって、ぼくがそうさせたんだもの」
「……え……?」
「ぼく、くろがすきなんだ。だから、くろになら、なにされてもいいんだよ」
「……」
「めちゃくちゃに、する? ねてるときに、する? いじめる? なんでも、いいよ。なんでも、すきなこと、していいよ」
「え……? え……?」
……すると、ラムがお洋服を脱いだ。昨日とは違って、全部。上も、下も。
……だから、見えた。ラムの手首と、足首が。……そこには、あざが残ってた。手錠と、足枷の。……それに……。
「ね。どうしたい? くろは、どんなことがしたいの?」
「……ラム……」
……同じだ。ボクと。ラムは、ボクと同じだった。昔、ボクがハマってたこと。マスターに出会う前の、ボクと……。
「……やっぱり。だから、くろはおにいちゃんなんだ。ぼくの、かぞくなんだ」
ボクは、お洋服を脱いだ。そして、ラムに見せた。……ラムと同じ、枷の痕を。自らを傷つけた、自傷の痕を。
誰にも、見せたことはなかった。マスター以外の誰かの前で、完全に裸になるなんて。……。どうせ、意味はない。誰も、気が付かないんだから。
「ね。これから、どうしよう? このまま、ここにいる? それとも……。わるいやつを、やっつける?」
「……。わかん、ない」
「ぼく、ひみつをしってるんだ。このたてもののことも、ぜんぶ。……せかいのことも、くろのことも」
「……」
「”おそと”に、いく? ……そとのせかいに、にげようか? ぼくらなら、だいじょうぶだよ。ぼくらなら、いきていけるよ」
……。そっか。前に、シロに教えてもらった。ボクには、家族が居るって。何人かの、家族が。……ラムが、その一人。
ボクらには、力があって。メアやおじいちゃんたちは、それを欲してる。……だから、『近いうちにボクらを誘拐するだろう』って……。
「……ラム、が。ボクの……弟……?」
「うん。……くろは、おにいちゃん。……ね。どうする? ぼくなら、おそとへのみちをしってるよ?」
「……」
それなら、シロに教えなきゃ。マスターに、教えなきゃ。……そのために、ボクは。ここへ来たんだ。居なくなった家族を、探すために。
「いや……。もう、知っているよ。クロ」
「クロッ! 心配したんだぞ……!」
「ご、ごめんね」
「大丈夫か? このガキに何かされなかったか!?」
アイジスが、ボクの身体を見てる。怪我がないかを心配してるんだ。……でも、言えない。悪い事をしちゃったのは、ボクの方なんだ。
ラムは、ボクの腕に抱きついてた。……まるで、恋人みたいに。仮面もまた被ってて、アイジスに、見せつけるみたいに。
「……ど、どうかしたのか? ……その」
「な、なんでもないの。なんでも……」
……内緒だった。さっき起こったことは。ラムも、しゃしんは誰にも見せないし、誰にも言わないから。……その、代わりに。言われたんだ。……『ぼくのおにいちゃんになって』、って……。
「はあー、まったく。ラム! 厳罰だからな。仕事の量を倍にさせてもらう」
ラムは、頷いてた。おじいちゃんが、怒ってた。……それで、アイジスとおじいちゃん。二人とも一応、安心したみたいで。一瞬だけ、ボクに背を向けた。
「……ひみつ、だね。おにいちゃん」
「っ……」
……ラムは、喋れる。でも、なぜか。それを隠してるみたいで。ちっちゃなちっちゃな声で、囁いた。
無邪気なのが、ずるいんだ。……大人たちとは、違う。ボクには、わかる。……ラムは、ボクと仲良くなりたいんだ。……でも、多分。こんなやり方しか、知らなくて。
それからというもの、ボクとラムは、いつも一緒だった。恋人、みたいに。家族、みたいに。……ご飯を、一緒に食べて。一緒に、ベッドで寝て。
アイジスが、嫉妬してた。ラムとアイジスは、いつも睨めっこしてた。……ごめんね、アイジス。でも、ボクが君のお母さんなのは、変わらないんだ。
……そして、次の日。ボクはラムに連れられて、お仕事の部屋に来た。そこは、昨日来たあの部屋。テレビや冷蔵庫みたいなのがある、あの部屋だった。
「ここが、ぼくのしごとばなんだよ。くろ」
今は、誰も居ない。また昨日みたいに、アイジスから逃げて。ラムはボクを、ここへ連れてきた。
「ぼく、ぱそこんがとくいなの。みんなのひみつ、いろいろしってるんだよ」
ラムは椅子に座って、クルクルと回った。それで、板みたいなのをカチャカチャとして。テレビの画面を操作した。
「……あ、お兄さんだ」
画面には、忙しそうにしてるフェイのお兄さんが映った。きっと、監視カメラを操作してるんだろう。
「ふぇいのおにいちゃんは、いつもたいへんなんだ。おしごとして、みんなと、えっちして。がんばりやさんなの」
ラムの言葉の通り、お兄さんは本当に忙しそうだった。書類の整理とか、お仕事の指示とか。……それで、空いた時間に、こっそりえっちをする。
「も、もういいよ。……これ以上は、大丈夫だよ」
「そう? これからが、はげしいのに。……じゃあ、こっちはどう?」
次に映ったのは、マカ先生だった。忙しそうに、汚した人を治療してて。……それで……。ベッドで患者さんが寝てるうちに、ズボンを下ろして……。
「だ、駄目だって! その、勝手に見るのは……」
「……いや、なの?」
「い、いやっていうか……」
「……じゃあ、これならだいじょうぶだよね」
ラムはそういうと、また画面を操作して。……それで、何かの映像がまた映った。……これは……。
「あっ……!」
……昨日の、映像だった。ボクが、ラムとえっちしてる時の。……それ、も。ラムが眠っちゃったと思って、ボクが一人でしてる時で。
「……ご、ごめん……なさい……」
「……? どうして、あやまるの?」
「……だって、ボク……」
「くろはわるくないんだよ。だって、ぼくがそうさせたんだもの」
「……え……?」
「ぼく、くろがすきなんだ。だから、くろになら、なにされてもいいんだよ」
「……」
「めちゃくちゃに、する? ねてるときに、する? いじめる? なんでも、いいよ。なんでも、すきなこと、していいよ」
「え……? え……?」
……すると、ラムがお洋服を脱いだ。昨日とは違って、全部。上も、下も。
……だから、見えた。ラムの手首と、足首が。……そこには、あざが残ってた。手錠と、足枷の。……それに……。
「ね。どうしたい? くろは、どんなことがしたいの?」
「……ラム……」
……同じだ。ボクと。ラムは、ボクと同じだった。昔、ボクがハマってたこと。マスターに出会う前の、ボクと……。
「……やっぱり。だから、くろはおにいちゃんなんだ。ぼくの、かぞくなんだ」
ボクは、お洋服を脱いだ。そして、ラムに見せた。……ラムと同じ、枷の痕を。自らを傷つけた、自傷の痕を。
誰にも、見せたことはなかった。マスター以外の誰かの前で、完全に裸になるなんて。……。どうせ、意味はない。誰も、気が付かないんだから。
「ね。これから、どうしよう? このまま、ここにいる? それとも……。わるいやつを、やっつける?」
「……。わかん、ない」
「ぼく、ひみつをしってるんだ。このたてもののことも、ぜんぶ。……せかいのことも、くろのことも」
「……」
「”おそと”に、いく? ……そとのせかいに、にげようか? ぼくらなら、だいじょうぶだよ。ぼくらなら、いきていけるよ」
……。そっか。前に、シロに教えてもらった。ボクには、家族が居るって。何人かの、家族が。……ラムが、その一人。
ボクらには、力があって。メアやおじいちゃんたちは、それを欲してる。……だから、『近いうちにボクらを誘拐するだろう』って……。
「……ラム、が。ボクの……弟……?」
「うん。……くろは、おにいちゃん。……ね。どうする? ぼくなら、おそとへのみちをしってるよ?」
「……」
それなら、シロに教えなきゃ。マスターに、教えなきゃ。……そのために、ボクは。ここへ来たんだ。居なくなった家族を、探すために。
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