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第十章
声
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『殺せッ! 殺せェェェ!!!』
『俺の足……! 俺の足が……!』
『死体を壁にしろ!! 肉壁を作るんだ!!』
『もう殺してくれえェェッッ!!』
……。誰の声だろう。近くじゃない。近くじゃないのに、まるで耳元で叫ばれてるようで……。
頭の中が、ガンガンする。頭の中で、声が響いてる。……誰かの、叫び声が。……誰かの、呼び声が……?
「くそっ! おい! クロを起こせ! このままじゃ、潰れちまう!!」
「おいクロ! おい! っ……駄目だ、目の焦点があってねえ!」
「やっぱりまだ早かったのか……!?」
……。ああ、駄目だ。みんな、逃げなきゃ。何かわからないけど、わかんないけど。……何か、来る。
「一旦引くぞ! クロをこのまま居させたら駄目だ!」
「ああもう、判断ミスかよォ!!」
アイジスが、ボクを引っ張ってる。……それじゃ、駄目なんだ。ボクじゃなくて、みんなを……他のみんなを……!
「みんなっ……逃げて!!」
「え……――」
『ドガァアァァアァアッッッンッッ!!』
……。身体が、吹き飛んだ。それはまるで、空を飛んでいるようで。
ほんの一瞬、なんだと思う。本当は、一秒くらいの出来事で。ささいな瞬間なんだったんだと。
でもボクには、それがとても長かった。世界が、ゆっくりと動いていて。……吹き飛んでいくみんなの姿が、よく見えていた
「ぐおあッッ……!!」
それで、地面に身体がぶつかると。その刹那のような感覚は、終わった。……代わりに襲ってきたのは、頭痛と、骨が折れたような激痛。
……でもボクは、マシだった。アイジスとレオが、かばってくれて……。だから、他のみんなは。
「っ……!」
……全滅、だった。みんな、動けなくて。……腕が、取れてた。足が、取れてた。……何人も、死んでた。
全員が、友達じゃない。話したことがない人だっている。……でも、嫌な気分だった。とても、嫌だった。
泣けばいいんだろうけど、泣けそうになくて。どうしようもなく、悔しくて。……もっと、早く気が付いていたら。
「迎えに来たわよ……クロ」
『俺の足……! 俺の足が……!』
『死体を壁にしろ!! 肉壁を作るんだ!!』
『もう殺してくれえェェッッ!!』
……。誰の声だろう。近くじゃない。近くじゃないのに、まるで耳元で叫ばれてるようで……。
頭の中が、ガンガンする。頭の中で、声が響いてる。……誰かの、叫び声が。……誰かの、呼び声が……?
「くそっ! おい! クロを起こせ! このままじゃ、潰れちまう!!」
「おいクロ! おい! っ……駄目だ、目の焦点があってねえ!」
「やっぱりまだ早かったのか……!?」
……。ああ、駄目だ。みんな、逃げなきゃ。何かわからないけど、わかんないけど。……何か、来る。
「一旦引くぞ! クロをこのまま居させたら駄目だ!」
「ああもう、判断ミスかよォ!!」
アイジスが、ボクを引っ張ってる。……それじゃ、駄目なんだ。ボクじゃなくて、みんなを……他のみんなを……!
「みんなっ……逃げて!!」
「え……――」
『ドガァアァァアァアッッッンッッ!!』
……。身体が、吹き飛んだ。それはまるで、空を飛んでいるようで。
ほんの一瞬、なんだと思う。本当は、一秒くらいの出来事で。ささいな瞬間なんだったんだと。
でもボクには、それがとても長かった。世界が、ゆっくりと動いていて。……吹き飛んでいくみんなの姿が、よく見えていた
「ぐおあッッ……!!」
それで、地面に身体がぶつかると。その刹那のような感覚は、終わった。……代わりに襲ってきたのは、頭痛と、骨が折れたような激痛。
……でもボクは、マシだった。アイジスとレオが、かばってくれて……。だから、他のみんなは。
「っ……!」
……全滅、だった。みんな、動けなくて。……腕が、取れてた。足が、取れてた。……何人も、死んでた。
全員が、友達じゃない。話したことがない人だっている。……でも、嫌な気分だった。とても、嫌だった。
泣けばいいんだろうけど、泣けそうになくて。どうしようもなく、悔しくて。……もっと、早く気が付いていたら。
「迎えに来たわよ……クロ」
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