崩壊した世界からの脱出 -ボクたちはセックスしか知らない-

空倉霰

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第十一章

オタク談

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 その後数分ほどかけて、俺とレオはようやく状況を飲み込んだ。こいつの名前は、キュニョー。巨乳のキュニョーと覚えればいいらしい(本人談)。
 背が低く、髪が短い奴。何かゴーグルのようなものを頭につけている。それにへそが出ているタンクトップは、黒く薄汚れており。上に着ていたであろう作業服は、腰に巻き付いていた。
 感想を言うと、実にのんびりした奴だと思った。それで、ついでに言えば。暗い。いつもうつむきながら喋っていて、一度たりとも俺達と目を合わせようとしない。
「……石炭、ありがとうございます。丁度そろそろ、無くなりそうだったんで」
 キュニョーは俺達から箱を受け取ると、どこかへと運んだ。まあ結局重そうだったので、手を貸したんだが。
「なあ、キュニョー。ちょっと聞いていいか?」
「……なんでしょう」
「あんまり俺詳しくないんだけど、なんでわざわざスチームパンクな感じにしてるんだ? もっとこう、効率のいい発電方法っていうか。なんか、あんじゃね? 歯車とか使わなくても」
「……私が、好きだからです」
「いや好きだからって言っても、あのアレクの爺さんが許さないだろ。どうやって許可得たんだ?」
「……騙しました」
「え?」
「……こちらの方が効率がいいと、ウソをつきました」
「……いやいや。それで騙されるなんて」
「騙されますよ。……だって、私以外の人間って、皆バカですから。……フヒッ」
 ……きっと、俺とレオは同じ思いだと思う。多分こいつは、ヤバイ奴だ。そして、傲慢。
 とにかく俺達は、とっとと石炭を倉庫に運び入れて。この場から立ち去ろうとした。しかし矢継ぎ早に飛んでくる、彼女のすちーむなんちゃらの解説。
 蒸気で動く車があったとか、蒸気で空を飛ぶとか。第一次スチームブームがどうとかとか。きのこたけのこ戦争がどうとか。なんか関係ない話が混ざってた気がするが……。
 だがそれよりも気になったのは、レオとキュニョーが、意外とウマが合ってるというところだ。全部が全部とは言わないが、レオはある程度彼女の話についていっている。
「やっぱあれは死んじまったんだろ。燃え尽きてんだぜ?」
「……でも、原作者の方はわからないと言ってたらしいですよ。どっちでもないってことなんだと思います」
「はえー、死んでると思うけどなあ。俺は」
「……じゃあ私は、生きてるほうで」
 ……なんの話をしてるんだか。俺を置いて、二人で楽しく話しているけども。そろそろ俺は、トイレに行きたいんだ。
「なあ、ちょっと」
「え!? あれってトオル生きてたの!? 絶対死んだと思ってたわ! だって溶鉱炉の中に沈んだら絶対死ぬだろ!」
「……なんか、意外と大丈夫だったみたいです」
「なんだその理由!! 雑か!!」
 ……。まあ、無視しても大丈夫だろう。俺は二人を置いて、部屋を出た。そして辺りの目印を頼りにトイレを探し出し、個室にこもる。
 とりあえず、出すもんを出しておきたいんだが。このままじゃ立ちションにも苦労する。……さっきからずっと、うずいてばっかだ。
『バタンッ』
 すると、誰かがトイレに入ってきたようだった。レオでは、ない。足音が違う。だから無視して、ズボンを下ろそうとしていたんだが……。
『ガチャッ』
 ……。無視できない状況になった。なぜ。俺はちゃんと鍵をかけていたはず。なのになぜ、扉が開くんだ。
「……ここに居たんですね」
「え……?」
 キュニョーだった。なぜかこいつは、どうやってか、扉をこじ開け。俺の前に立っている。
「……あの、閉めてほしいんだが」
「ええ……。わかりました」
 ……。違う、そうじゃない。確かに閉めろとは言ったが、お前に中に入れと言ったつもりはない。
「……後、追っかけて来たんです。さっきから、気になってたんで」
「はあ……?」
 その時だった。こいつが、腰のポケットから何かを取り出したかと思うと。次の瞬間には、俺の両手に手錠がかけられていた。
「え?」
「……最近、仕事が忙しくて。溜まってたんですよね」
 そしてこいつは、なぜかズボンを下ろし。下着をずらし……。俺の顔の目の前で、そびえ立たせた。
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