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13 土の改良
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魔素水のおかげでようやく作物を育てる道筋が見えた。しかし、ここで新たな問題が発生した。
「……成長が遅い」
確かに魔素水を使うと発芽はする。だが、そこからの成長速度が異様に遅いのだ。双葉が出るまでは速いのに、その先はまるで時間が止まったかのように微動だにしない。これでは安定した食糧生産には程遠い。
「やっぱり、土が悪いのか?」
土は作物の生命線だ。肥沃な土地がなければ、どんなにいい種を植えようが意味がない。だが、俺の畑は普通の土を掘ってきて適当に敷いただけのものであり、どう考えても栄養が足りていないのは明らかだった。
そこで俺は、土壌改良のための素材を探すことにした。
森の奥へと足を踏み入れ、土の状態を調べていると、あることに気がついた。森の地面の一部が、不自然にふかふかとしているのだ。
「……この土、妙に柔らかいな」
しゃがみ込んで地面を掘ると、そこには白く細い糸のようなものが絡み合いながら広がっていた。
「……菌糸?」
それはまるでカビのように土の中を這い、落ち葉や枯れ枝を絡め取って分解しているようだった。俺は試しにその菌糸の生えている土を掘り起こし、ナイフの先でかき混ぜてみると──
「……おっ?」
落ち葉がみるみるうちに溶けていった。
「これ、すごいな」
まるでコンポストのような働きをする菌糸。もしかすると、これを使えば異世界でも堆肥を作れるのではないか?
俺はさっそく、この菌糸のついた土を拠点に持ち帰り、畑に混ぜてみることにした。
まずは、六本足ウサギ(仮)のフンや落ち葉を集め、それらを畑の土に混ぜる。そして、その上から菌糸の土を被せていく。
「……さて、どうなるか」
数時間後、俺はある異変に気づいた。
──土が、青く光っている。
「え?」
畑の地面のあちこちに、小さな青白い発光が見られるようになった。それはまるで星が土の中に埋まっているかのような、美しい輝きだった。
「まさか、これが肥沃な土の証拠か?」
気になって指で土をつまんでみると、ほんのりと温かみを感じた。まるで生き物の体温のような、不思議な温もりだった。
その翌日、俺はさらに驚くことになる。
昨日まで双葉しか出ていなかった作物が、一夜にして茎を伸ばし、葉を広げていたのだ。
「すげぇ……!」
魔素水だけでは不十分だったが、この菌糸の土を加えたことで成長速度が爆発的に上がったのだ。これなら、本格的な農業ができるかもしれない。
しかし、順調にいっているかと思われた矢先、またしても異変が起こった。
──トクン。
俺は妙な音を耳にした。
──トクン、トクン。
それはまるで心臓の鼓動のような、かすかな振動だった。
「……え?」
音のする方を見て、俺は絶句した。
畑の土が、わずかに動いていた。
いや、厳密には土そのものが生き物のようにわずかに脈打っているのだ。菌糸が広がりすぎたせいか、畑全体がまるで呼吸をしているかのように、ゆっくりと膨らんだり縮んだりしている。
「……おいおい、これはさすがにやりすぎたか?」
慌てて土を掘り返してみると、菌糸がさらに奥深くへと根を張り、青白い光が強くなっていた。これはもう、単なる土壌ではない。
「……このまま放っておくと、畑ごと動き出すんじゃないか?」
異世界の自然は、俺の想像をはるかに超えている。
ともかく、俺は慎重に菌糸の広がりを制御しながら、異世界での農業を軌道に乗せることにしたのだった。
「……成長が遅い」
確かに魔素水を使うと発芽はする。だが、そこからの成長速度が異様に遅いのだ。双葉が出るまでは速いのに、その先はまるで時間が止まったかのように微動だにしない。これでは安定した食糧生産には程遠い。
「やっぱり、土が悪いのか?」
土は作物の生命線だ。肥沃な土地がなければ、どんなにいい種を植えようが意味がない。だが、俺の畑は普通の土を掘ってきて適当に敷いただけのものであり、どう考えても栄養が足りていないのは明らかだった。
そこで俺は、土壌改良のための素材を探すことにした。
森の奥へと足を踏み入れ、土の状態を調べていると、あることに気がついた。森の地面の一部が、不自然にふかふかとしているのだ。
「……この土、妙に柔らかいな」
しゃがみ込んで地面を掘ると、そこには白く細い糸のようなものが絡み合いながら広がっていた。
「……菌糸?」
それはまるでカビのように土の中を這い、落ち葉や枯れ枝を絡め取って分解しているようだった。俺は試しにその菌糸の生えている土を掘り起こし、ナイフの先でかき混ぜてみると──
「……おっ?」
落ち葉がみるみるうちに溶けていった。
「これ、すごいな」
まるでコンポストのような働きをする菌糸。もしかすると、これを使えば異世界でも堆肥を作れるのではないか?
俺はさっそく、この菌糸のついた土を拠点に持ち帰り、畑に混ぜてみることにした。
まずは、六本足ウサギ(仮)のフンや落ち葉を集め、それらを畑の土に混ぜる。そして、その上から菌糸の土を被せていく。
「……さて、どうなるか」
数時間後、俺はある異変に気づいた。
──土が、青く光っている。
「え?」
畑の地面のあちこちに、小さな青白い発光が見られるようになった。それはまるで星が土の中に埋まっているかのような、美しい輝きだった。
「まさか、これが肥沃な土の証拠か?」
気になって指で土をつまんでみると、ほんのりと温かみを感じた。まるで生き物の体温のような、不思議な温もりだった。
その翌日、俺はさらに驚くことになる。
昨日まで双葉しか出ていなかった作物が、一夜にして茎を伸ばし、葉を広げていたのだ。
「すげぇ……!」
魔素水だけでは不十分だったが、この菌糸の土を加えたことで成長速度が爆発的に上がったのだ。これなら、本格的な農業ができるかもしれない。
しかし、順調にいっているかと思われた矢先、またしても異変が起こった。
──トクン。
俺は妙な音を耳にした。
──トクン、トクン。
それはまるで心臓の鼓動のような、かすかな振動だった。
「……え?」
音のする方を見て、俺は絶句した。
畑の土が、わずかに動いていた。
いや、厳密には土そのものが生き物のようにわずかに脈打っているのだ。菌糸が広がりすぎたせいか、畑全体がまるで呼吸をしているかのように、ゆっくりと膨らんだり縮んだりしている。
「……おいおい、これはさすがにやりすぎたか?」
慌てて土を掘り返してみると、菌糸がさらに奥深くへと根を張り、青白い光が強くなっていた。これはもう、単なる土壌ではない。
「……このまま放っておくと、畑ごと動き出すんじゃないか?」
異世界の自然は、俺の想像をはるかに超えている。
ともかく、俺は慎重に菌糸の広がりを制御しながら、異世界での農業を軌道に乗せることにしたのだった。
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