無人島転生 〜素材チートで開拓してたら、村どころか王国ができそうです〜

しゅがれっと

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67 水路建設

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 水路の水が揺らいでいる。

 風もないのに、微妙に波立ち、どこか落ち着かない様子だ。いや、落ち着かないのは俺の方なのかもしれない。何しろ、俺たちはつい昨日、この水路を完成させたばかりなのだ。ついに村にも上水道が整備され、水不足ともおさらば! という気分でいたのに、まさか「水が生きている」などという奇怪な現象に遭遇するとは思ってもみなかった。

 「……なんか、おかしくない?」

 そう言ったのはセリアだった。

 彼女は水面をじっと睨みつけながら、微妙に眉をひそめている。俺が相槌を打つ前に、ルナがぴょこぴょこと近づいていき、恐る恐る水に手を突っ込んだ。

 「……ぬるっ」

 即座に手を引っ込め、耳をびくんと跳ねさせる。

 「えっ、なにこれ! ただの水じゃない!」

 「水の化け物なのですか!?」

 レイヴィアが興奮して身を乗り出す。人魚だからか、こういう場面でやたらとテンションが高い。いや、別に興奮するのは構わないのだが、水の異変が気になるなら水から離れたほうがいいのではないか。

 俺も試しに水に手を突っ込んでみた。

 ぬるり。

 妙な感触だった。冷たくもなく、温かくもなく、明らかに水とは違う、何かの気配を感じる。まるで、俺の手にまとわりつこうとしているような……。

 「……なんかいるな」

 俺がそう呟くと、セリアが腕を組んで難しそうな顔をする。

 「……別に気のせいってこともあるけど」

 そう言いながらも、ちらりと俺の顔を見る。

 「でも、あんたが言うなら、ちゃんと調べてみるべきかもね」

 相変わらずそっけない口調だが、どこか気にしているような雰囲気がある。……まあ、気のせいだろう。

 とにかく、この透明な何かを捕獲してみることにした。

 俺たちは木の桶を持ってきて、水をすくい上げた。見た目はただの水だ。だが、光の角度を変えてよく見ると、水の一部が不自然に揺れている。水とは思えない質量を持ち、明らかに何かがそこにいる。

 「……これ、やっぱり生き物よね?」

 ルナが眉をひそめる。

 「試しに、濁った水に入れてみるか」

 俺は別の桶に川の底の泥水を汲み、その中にこの透明な生物を入れてみた。

 すると――

 「……うわ、すごい!」

 水がみるみるうちに澄んでいく。

 「これは……水を浄化する生物なのです!」

 レイヴィアが感動したように両手を握る。

 セリアは腕を組んだまま、桶の水をじっと見つめる。

 「……水の流れに擬態する能力があるみたいね。それに、周囲の不純物を吸収してる」

 「つまり、こいつらを水路に放っておけば、勝手に水を綺麗にしてくれるってことか?」

 俺の言葉に、セリアは少し考え込んだ後、小さく頷いた。

 「……まあ、その可能性は高いわね」

 「それなら、こいつらを水路に定住させれば、村の水はずっと綺麗なままなのです!」

 レイヴィアが勢いよく言うと、ルナも楽しそうに耳を揺らす。

 「えへへ、なんだか水の精霊みたい!」

 「名前をつけたほうがいいのです!」

 「おい待て、勝手に命名するな」

 俺が止めるも、ルナとレイヴィアはすでに何か考え始めていた。

 セリアはそんな二人を横目で見ながら、小さくため息をついた。

 「……まあ、悪くないんじゃない?」

 その声はどこか機嫌がよさそうだった。

 こうして俺たちは、偶然にも完璧な水の浄化システムを手に入れたのだった。
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