67 / 72
赤き因縁編
66.各々が各地で
しおりを挟む
警察署 署長室
「キミ、何を言っているのか分かっているのか」
特捜課の課長が白髪が目立った60代ほどの署長と対面している
「先日の千一家の児童売買について特捜課に捜査を担当させて欲しい と言いました」
「私に国家組織であるT.I.K.A.I から権限を奪取しろ ということか」
「違います T.I.K.A.Iと同時並行で捜査すべきだということです」
「フンッ! キミ、バカになったのか?」
署長が座り心地の良い椅子に背を垂れる
「資料も渡したはずだ 今件は七黒の深い関与が想定されるため捜査および対処はT.I.K.A.Iが一任すると
これは政府から送られた正式書類であり、私の印鑑も押されている
この事件に我々が手を出すということは政府を敵に回すということなんだ」
「重々承知の上で申し上げています」
署長が強く机を叩いた
「ならば何故!そのような提案ができるのだ!
そもそも特捜課という小規模の課が七黒という
膨大な犯罪組織に太刀打ちできると思うな!」
その自身の課を侮辱した発言に課長は目を細め、静かに口を開いた
「ならば良いでしょう 私と伊坂が直接T.I.K.A.Iに参ります」
署長は目を見開く
「なに…?」
「署長が動いてくださらないのなら、私たちが直々に交渉に行くまでです」
課長は署長に背を向けてドアへ歩き始める
「キミ!無駄なことをするじゃない!!」
「無駄?それはやってみないと分からないことです」
課長がドアノブに手をかけると署長は立ち上がって机を再び叩く
「もし政府から苦情の連絡があれば、内容に構わずキミのみでなく特捜課の人員全てを辞任とするぞ」
署長からの圧力に動じることなく課長は背中で返す
「結構ですよ 私たちは署長が思われているよりもずっと凶暴ですから」
課長はそれだけを言い残して部屋の扉を閉じた
キンドシエスタオフィス ???(おそらく地下)
イチゴは縛られた手首を解くことなく動かして自身のズボンの裾を捲り上げる
体の前で縛るとか警戒心ないな…後ろで縛った方が肘が動かせなくて身動き取りにくいのに
そう考えていても解くことはしない
なぜなら再び誰かが現れたとき縛られていなければ何をされるか分からないからだ
太ももにガムテープで縛り付けたスマホをとるため、テープにかじりつく
「ンッ!!」
テープがビリッと破れ毛が抜ける痛みを感じながらスマホをとり肘で起動する
右上に表示された圏外の文字に目をしかめる
やっぱり…地下で電波が通ってるわけないか スマホカバーの内側につけた極小盗聴器の位置情報も受信できなくなってるだろうな…
アサミちゃんや本部に自分の状況を伝えなきゃ
でもどうやって?アッチからの連絡も伝わらないのに…!
思考が渋滞して慌てかけているが深呼吸で冷静を保つ
落ち着け私…じっくり待つのよ 仲間を信じて
スマホカバーを歯を食い込ませて外し内側にある極小の盗聴器を拳に握る
イチゴは思考を切り替えてこの場所の状況の確認をする
簡素なベッドが10つほど、イチゴ以外に人はいない
ドアノブ付きの扉で隔たれた部屋、その角隅に置かれた小さな作業机、そこに向かうためベッドからおりようとすると扉に手がかかった音がした
「……!」
扉が開くと組織長である坂野が入ってきた
「なんだまだ寝てんのか」
坂野の目先にはイチゴが何とか眠っているフリをしていた
坂野がベッドによってイチゴを見下ろすと声を上げた
「おい!起きろ!」
イチゴはあたかも今、目が覚めたかのように目を開け坂野に驚く
「お、おじさん!誰!」
怯えてるようにみせ泣き目をつくる
みをこきざみに震わせながら虚弱な少女を演じる
「手を出せ」
「え?」
「いいから出せ!!」
ポケットから取り出した拳銃をイチゴの頭に向ける
「ヒェェ…!」
怯え声を上げて手を差し出すと、手首にタグ付きのゴムバングルをつけられる
怯えているように見えるイチゴに拳銃をつきつけ脅しをかける
「いいか…お前は保護という名目で拉致する
明日の昼間から他の同年代の奴らと生活してもらうが、他のガキや大人にこのことを話すことは許さない!」
身を縮こませて銃器を持った恐ろしい大人に怯える子供を演じる
「もしなにか言った時には、そのバングルから電気を流して殺す」
それを言い終わると坂野は拳銃を離して手を差し伸べた
「スマホを出せ」
「え、」
「ゲーセンで使っているのを見た」
やむなくスマホを震えた手で差し出すと坂野はそれを奪って地面に叩きつける
画面が割れると同時に、スマホに向かって銃弾は一発放った
パァン…!!
弾丸がスマホにはまり焦げつく
僅かな電気を放電し白い煙を細くあげた
「今頃はガキにもこんなもん渡すのか」
と言った瞬間、天井からも銃声が鳴り響き、途端に悲鳴が聞こえた
「「……!?」」
2人は同時に天井を見つめる
「な、なんだ…!」
危機察知した坂野が部屋を出ようと後ろを振り向く
イチゴはそれを逃さなかった
スーツのズボンにあるポケットに握っていた盗聴器をバレずに落とし入れた
「強盗か何かか!」
坂野は駆け出して部屋を出ていった
そう、イチゴは悟ったのである
こんな大胆な行動をとるのは自分の仲間たち以外ありえないと
「ガキ出せや!!」
オフィス内では拳銃を持った黒マスクをつけた男が3人とその内の1人が捕まえている少女がいた
パァン!!
「きゃーーーー!!」
女性従業員の声が高らかと響く
その後ろに曲がり角の影でヒイマがくすくすと笑った
シバキさん芝居かかってるw
そう黒マスクたちの正体はなりすましたシバキと特攻班の人員なのである
そして捕まっている少女はアサミである
すると走ってきた坂野がその状況に驚き腰を引く
「な、なんだお前ら!!」
「お前がリーダーか」
そう言ってシバキがよっていくとアサミはシバキの腕を噛んだ
「痛ってぇ!」
反射でアサミは解放され従業員の元に駆けた
「助けて!」
その様子を確認したヒイマはカタギリに連絡を入れる
『坂野が地上にいます。イチゴさんの位置情報はどうなってますか』
本部
カタギリのパソコンの画面には確かに位置情報が表示されていた
『ある。だがベニ本人の視認はないのだろ』
『はい。』
『坂野の場所を教えろ』
『シバキさんの目の前です』
『なるほど。ベニ上手くやったようだな』
イチゴが仕込んだ盗聴器の反応を理解しイチゴ本人の生存を確認した
キンドシエスタオフィス
すると野外から警報が聞こえた
「チッ…撤収だ!」
シバキたちは走って逃げ出す
任務完了…あとは少年隊とヒイマが何とかするだろ…
シバキがオフィス外の道路に出たその瞬間、パトカーが正面から突っ込んできた
「マジか!!」
シバキは高く飛び上がってパトカーの上から後ろに着地する
停車したパトカーから2人の女警察官が下りてきた
「お?ただのチンピラじゃねぇなー」
肩まである髪が無作法にはねている褐色肌の警察官がムチを地面に叩きつけて挑発してきた
「嘉美羅せんぱぁい 派手な運転やめてくださいよぉ 酔いますぅ」
おかっぱで前髪が目下まで伸びた警察官は具合の悪そうな表情である
何よりシバキの目についたのは袖にある腕章だ
特捜…そりゃこんだけのことするはずだ…
「お前現行犯だろ?つまり私たちの武装許可もおりた同然だな」
「怖いお巡りさんだ そんなんじゃここにいる子供には好かれないですよ」
「黙れ!!」
その瞬間、ムチが鋭く伸び被っていた黒マスクを摩擦で破る
速い…!こちとら装備なんも持ってきてないんだけど!
「……!?」
懐に入り込んだおかっぱがその隠れている目で確かなものを見た
「ここ、脆い」
打てれた手のひらはシバキの横腹を捉える
「ぶっ…!」
合気道か…!
近接を嫌い距離をとると眼前に鋭いムチが迫る
「おっと!」
しゃがんでかわすとその隙にもう1人が距離を縮めてくる
「いい連携だ… でも!俺の速さには着いて来れない!」
地面を踏み蹴った瞬間、シバキはおかっぱの視界から消える
「……!」
「稲美!後ろ!」
褐色の声でおかっぱは振り向いたがそれが仇となる
「オラよ!!」
ボコッ!
頬に強烈な回し蹴りが炸裂し道路に蹴り飛ばされる
おかっぱは通りすぎる車のフロントに落ち、ガラスを割る
「うわぁぁぁ!!」
運転手が驚くのを気にもせず戦場に戻るためフロントを蹴飛ばす
「大丈夫かイナミ!」
「はい!!」
おかっぱは気配を感じ空を見る
「……!先輩 うえ!!」
「……!?」
上空に舞うシバキが足を地上にいる褐色に向かって振り回す
「音速弾」
ボンッボンッ!!
「クッ…!」
なんだこれ…!見えない銃弾を受けた感覚だ…
上空にいるシバキに向かってムチを伸ばす
「届かねぇよ!」
着地する瞬間、背後からおかっぱの手が伸びる
「遅い!」
即座にその場から姿を消し逆に背後をとると背中を褐色に向かって蹴り飛ばした
「……!?」
「うわぁ!!」
2人は正面衝突しパトカーにぶつかって止まる
「姉ちゃんたち強いね~ 体も相当磨かれてるみたいだ」
相手するのが俺で良かった…ただの班員と少年隊じゃ最初のムチで脳天イカれてる
女警察官2人は目の前の余裕綽々な男に苛立ちと焦りを覚える
「うる、せぇ、、マスクとれやチンピラ!」
「無理無理 警察の前でなんで姿晒すよ」
「うる、、せぇ、、」
チーン…
2人は気を失った
「え、寝た?夏に海水浴でもと思ったんだけど」
本当に中身はチャラ男である
「しゃあないか それより目立ちすぎたし退散する!」
シバキは追撃を避けるため任務を社内に残った仲間に任せその場から去った
一方、オフィス内でアサミは女性従業員に仮の事情を話していた
「暴力を振ってくる親から逃げてきたんです…おしたら怖い人たちに捕まって…!」
その話を横で聞いている坂野が驚き目をしていた
こ、コイツは、赤髪の女…!何年か前に高額で買い、何者かに攫われた…
当時俺はその場にたまたまいなかったが他の従業員は死んでいた
いや待て、本人と決まったわけじゃない…いやそれすらどうでもいい…!珍しい容姿だ…高く売れる!
「だからここで引き取って欲しくて」
わざと俯いて女性従業員の反応を伺っていると坂野が会話に介入してきた
「いいぞ」
「そ、組織長…!?」
「何をみんな驚いているんだ 身寄りのない子供を引き取ることが俺たちの役目だ」
「ですが、手続きなどが」
「あとで俺がやっておくから安心しなさい」
アサミは喜び顔で頭を下げた
「ありがとうございます!!」
思ってもない言葉と表情でその場を繕う
そうして女性従業員がアサミを連れて出ていった
本部
カタギリの元へヒイマからアサミを潜入させることに成功した連絡が届く
「フ~…一旦落ち着いたか」
カタギリが椅子に背をつけて天井を見上げ、あることを考え始める
最近は仕事が多い…元少年隊隊長とZ社の社長令嬢の行方も分からぬまま、またデカイ事件…
今度も七黒が関わってやがる…これはたまたまなのか…
目を瞑り考えることをやめパソコンに目を向ける
「そんなことより、副リーダーはどうなったんだ」
その副リーダーは今、潜入している課の長と共にある場所を訪れていた
イヴィンがスマホを耳から胸までおろした
「カミラもイナミも電話に出ませんね 強盗程度に何を手こずっているのやら」
ま、シバキが行ってるから返り討ちにあってるんだろうけど、
両者の力量を知っているイヴィンは潜入先の同僚に申し訳ない気持ちを抑えた
「そうか、まぁ事後報告でもいいだろ」
課長はスーツのネクタイをしっかり締めると厳重な機械的門を目の前に立った
その門は黒く鉄でできており、その門から連なるように鉄製の機械的壁が人間では越えられない高さまでそびえている
すると、どこからか電気的音声が大きく聞こえた
『だれだ』
「名古屋警察署 特捜課の者だ」
『要件は』
「千一家の部下による児童人身売買の案件について担当している者に伺いに来た」
『そんな用事は聞いていない 帰れ』
冷たくあしらわれた
それもそのはず、署長から許可も得ずここにやってきた
ここは、
国家対七黒組織T.I.K.A.I の愛知支部である
「ですよね そんな簡単に入れるわけがない」
課長がため息をついてこちらを向いた
「あのなー…!」
その時、背後から若い男性がこちらに来るのが目に留まる 釣られてイヴィンもそちらを向く
茶色の前髪が極端にはねており長い髪が左肩から胸まで下ろしてまとめている
八重歯とフードに付いているファーが特徴的なキザな若い男性が声をかける
「俺が入れてあげよっかー?」
その姿を一目見ただけでその正体がわかる
「あなたは…!」
「ここの…いやぁ T.I.K.A.Iの総指揮者」
頼んでもいない自己紹介を人差し指を立てて始める
「万丈 雅牙だ よろしく」
「キミ、何を言っているのか分かっているのか」
特捜課の課長が白髪が目立った60代ほどの署長と対面している
「先日の千一家の児童売買について特捜課に捜査を担当させて欲しい と言いました」
「私に国家組織であるT.I.K.A.I から権限を奪取しろ ということか」
「違います T.I.K.A.Iと同時並行で捜査すべきだということです」
「フンッ! キミ、バカになったのか?」
署長が座り心地の良い椅子に背を垂れる
「資料も渡したはずだ 今件は七黒の深い関与が想定されるため捜査および対処はT.I.K.A.Iが一任すると
これは政府から送られた正式書類であり、私の印鑑も押されている
この事件に我々が手を出すということは政府を敵に回すということなんだ」
「重々承知の上で申し上げています」
署長が強く机を叩いた
「ならば何故!そのような提案ができるのだ!
そもそも特捜課という小規模の課が七黒という
膨大な犯罪組織に太刀打ちできると思うな!」
その自身の課を侮辱した発言に課長は目を細め、静かに口を開いた
「ならば良いでしょう 私と伊坂が直接T.I.K.A.Iに参ります」
署長は目を見開く
「なに…?」
「署長が動いてくださらないのなら、私たちが直々に交渉に行くまでです」
課長は署長に背を向けてドアへ歩き始める
「キミ!無駄なことをするじゃない!!」
「無駄?それはやってみないと分からないことです」
課長がドアノブに手をかけると署長は立ち上がって机を再び叩く
「もし政府から苦情の連絡があれば、内容に構わずキミのみでなく特捜課の人員全てを辞任とするぞ」
署長からの圧力に動じることなく課長は背中で返す
「結構ですよ 私たちは署長が思われているよりもずっと凶暴ですから」
課長はそれだけを言い残して部屋の扉を閉じた
キンドシエスタオフィス ???(おそらく地下)
イチゴは縛られた手首を解くことなく動かして自身のズボンの裾を捲り上げる
体の前で縛るとか警戒心ないな…後ろで縛った方が肘が動かせなくて身動き取りにくいのに
そう考えていても解くことはしない
なぜなら再び誰かが現れたとき縛られていなければ何をされるか分からないからだ
太ももにガムテープで縛り付けたスマホをとるため、テープにかじりつく
「ンッ!!」
テープがビリッと破れ毛が抜ける痛みを感じながらスマホをとり肘で起動する
右上に表示された圏外の文字に目をしかめる
やっぱり…地下で電波が通ってるわけないか スマホカバーの内側につけた極小盗聴器の位置情報も受信できなくなってるだろうな…
アサミちゃんや本部に自分の状況を伝えなきゃ
でもどうやって?アッチからの連絡も伝わらないのに…!
思考が渋滞して慌てかけているが深呼吸で冷静を保つ
落ち着け私…じっくり待つのよ 仲間を信じて
スマホカバーを歯を食い込ませて外し内側にある極小の盗聴器を拳に握る
イチゴは思考を切り替えてこの場所の状況の確認をする
簡素なベッドが10つほど、イチゴ以外に人はいない
ドアノブ付きの扉で隔たれた部屋、その角隅に置かれた小さな作業机、そこに向かうためベッドからおりようとすると扉に手がかかった音がした
「……!」
扉が開くと組織長である坂野が入ってきた
「なんだまだ寝てんのか」
坂野の目先にはイチゴが何とか眠っているフリをしていた
坂野がベッドによってイチゴを見下ろすと声を上げた
「おい!起きろ!」
イチゴはあたかも今、目が覚めたかのように目を開け坂野に驚く
「お、おじさん!誰!」
怯えてるようにみせ泣き目をつくる
みをこきざみに震わせながら虚弱な少女を演じる
「手を出せ」
「え?」
「いいから出せ!!」
ポケットから取り出した拳銃をイチゴの頭に向ける
「ヒェェ…!」
怯え声を上げて手を差し出すと、手首にタグ付きのゴムバングルをつけられる
怯えているように見えるイチゴに拳銃をつきつけ脅しをかける
「いいか…お前は保護という名目で拉致する
明日の昼間から他の同年代の奴らと生活してもらうが、他のガキや大人にこのことを話すことは許さない!」
身を縮こませて銃器を持った恐ろしい大人に怯える子供を演じる
「もしなにか言った時には、そのバングルから電気を流して殺す」
それを言い終わると坂野は拳銃を離して手を差し伸べた
「スマホを出せ」
「え、」
「ゲーセンで使っているのを見た」
やむなくスマホを震えた手で差し出すと坂野はそれを奪って地面に叩きつける
画面が割れると同時に、スマホに向かって銃弾は一発放った
パァン…!!
弾丸がスマホにはまり焦げつく
僅かな電気を放電し白い煙を細くあげた
「今頃はガキにもこんなもん渡すのか」
と言った瞬間、天井からも銃声が鳴り響き、途端に悲鳴が聞こえた
「「……!?」」
2人は同時に天井を見つめる
「な、なんだ…!」
危機察知した坂野が部屋を出ようと後ろを振り向く
イチゴはそれを逃さなかった
スーツのズボンにあるポケットに握っていた盗聴器をバレずに落とし入れた
「強盗か何かか!」
坂野は駆け出して部屋を出ていった
そう、イチゴは悟ったのである
こんな大胆な行動をとるのは自分の仲間たち以外ありえないと
「ガキ出せや!!」
オフィス内では拳銃を持った黒マスクをつけた男が3人とその内の1人が捕まえている少女がいた
パァン!!
「きゃーーーー!!」
女性従業員の声が高らかと響く
その後ろに曲がり角の影でヒイマがくすくすと笑った
シバキさん芝居かかってるw
そう黒マスクたちの正体はなりすましたシバキと特攻班の人員なのである
そして捕まっている少女はアサミである
すると走ってきた坂野がその状況に驚き腰を引く
「な、なんだお前ら!!」
「お前がリーダーか」
そう言ってシバキがよっていくとアサミはシバキの腕を噛んだ
「痛ってぇ!」
反射でアサミは解放され従業員の元に駆けた
「助けて!」
その様子を確認したヒイマはカタギリに連絡を入れる
『坂野が地上にいます。イチゴさんの位置情報はどうなってますか』
本部
カタギリのパソコンの画面には確かに位置情報が表示されていた
『ある。だがベニ本人の視認はないのだろ』
『はい。』
『坂野の場所を教えろ』
『シバキさんの目の前です』
『なるほど。ベニ上手くやったようだな』
イチゴが仕込んだ盗聴器の反応を理解しイチゴ本人の生存を確認した
キンドシエスタオフィス
すると野外から警報が聞こえた
「チッ…撤収だ!」
シバキたちは走って逃げ出す
任務完了…あとは少年隊とヒイマが何とかするだろ…
シバキがオフィス外の道路に出たその瞬間、パトカーが正面から突っ込んできた
「マジか!!」
シバキは高く飛び上がってパトカーの上から後ろに着地する
停車したパトカーから2人の女警察官が下りてきた
「お?ただのチンピラじゃねぇなー」
肩まである髪が無作法にはねている褐色肌の警察官がムチを地面に叩きつけて挑発してきた
「嘉美羅せんぱぁい 派手な運転やめてくださいよぉ 酔いますぅ」
おかっぱで前髪が目下まで伸びた警察官は具合の悪そうな表情である
何よりシバキの目についたのは袖にある腕章だ
特捜…そりゃこんだけのことするはずだ…
「お前現行犯だろ?つまり私たちの武装許可もおりた同然だな」
「怖いお巡りさんだ そんなんじゃここにいる子供には好かれないですよ」
「黙れ!!」
その瞬間、ムチが鋭く伸び被っていた黒マスクを摩擦で破る
速い…!こちとら装備なんも持ってきてないんだけど!
「……!?」
懐に入り込んだおかっぱがその隠れている目で確かなものを見た
「ここ、脆い」
打てれた手のひらはシバキの横腹を捉える
「ぶっ…!」
合気道か…!
近接を嫌い距離をとると眼前に鋭いムチが迫る
「おっと!」
しゃがんでかわすとその隙にもう1人が距離を縮めてくる
「いい連携だ… でも!俺の速さには着いて来れない!」
地面を踏み蹴った瞬間、シバキはおかっぱの視界から消える
「……!」
「稲美!後ろ!」
褐色の声でおかっぱは振り向いたがそれが仇となる
「オラよ!!」
ボコッ!
頬に強烈な回し蹴りが炸裂し道路に蹴り飛ばされる
おかっぱは通りすぎる車のフロントに落ち、ガラスを割る
「うわぁぁぁ!!」
運転手が驚くのを気にもせず戦場に戻るためフロントを蹴飛ばす
「大丈夫かイナミ!」
「はい!!」
おかっぱは気配を感じ空を見る
「……!先輩 うえ!!」
「……!?」
上空に舞うシバキが足を地上にいる褐色に向かって振り回す
「音速弾」
ボンッボンッ!!
「クッ…!」
なんだこれ…!見えない銃弾を受けた感覚だ…
上空にいるシバキに向かってムチを伸ばす
「届かねぇよ!」
着地する瞬間、背後からおかっぱの手が伸びる
「遅い!」
即座にその場から姿を消し逆に背後をとると背中を褐色に向かって蹴り飛ばした
「……!?」
「うわぁ!!」
2人は正面衝突しパトカーにぶつかって止まる
「姉ちゃんたち強いね~ 体も相当磨かれてるみたいだ」
相手するのが俺で良かった…ただの班員と少年隊じゃ最初のムチで脳天イカれてる
女警察官2人は目の前の余裕綽々な男に苛立ちと焦りを覚える
「うる、せぇ、、マスクとれやチンピラ!」
「無理無理 警察の前でなんで姿晒すよ」
「うる、、せぇ、、」
チーン…
2人は気を失った
「え、寝た?夏に海水浴でもと思ったんだけど」
本当に中身はチャラ男である
「しゃあないか それより目立ちすぎたし退散する!」
シバキは追撃を避けるため任務を社内に残った仲間に任せその場から去った
一方、オフィス内でアサミは女性従業員に仮の事情を話していた
「暴力を振ってくる親から逃げてきたんです…おしたら怖い人たちに捕まって…!」
その話を横で聞いている坂野が驚き目をしていた
こ、コイツは、赤髪の女…!何年か前に高額で買い、何者かに攫われた…
当時俺はその場にたまたまいなかったが他の従業員は死んでいた
いや待て、本人と決まったわけじゃない…いやそれすらどうでもいい…!珍しい容姿だ…高く売れる!
「だからここで引き取って欲しくて」
わざと俯いて女性従業員の反応を伺っていると坂野が会話に介入してきた
「いいぞ」
「そ、組織長…!?」
「何をみんな驚いているんだ 身寄りのない子供を引き取ることが俺たちの役目だ」
「ですが、手続きなどが」
「あとで俺がやっておくから安心しなさい」
アサミは喜び顔で頭を下げた
「ありがとうございます!!」
思ってもない言葉と表情でその場を繕う
そうして女性従業員がアサミを連れて出ていった
本部
カタギリの元へヒイマからアサミを潜入させることに成功した連絡が届く
「フ~…一旦落ち着いたか」
カタギリが椅子に背をつけて天井を見上げ、あることを考え始める
最近は仕事が多い…元少年隊隊長とZ社の社長令嬢の行方も分からぬまま、またデカイ事件…
今度も七黒が関わってやがる…これはたまたまなのか…
目を瞑り考えることをやめパソコンに目を向ける
「そんなことより、副リーダーはどうなったんだ」
その副リーダーは今、潜入している課の長と共にある場所を訪れていた
イヴィンがスマホを耳から胸までおろした
「カミラもイナミも電話に出ませんね 強盗程度に何を手こずっているのやら」
ま、シバキが行ってるから返り討ちにあってるんだろうけど、
両者の力量を知っているイヴィンは潜入先の同僚に申し訳ない気持ちを抑えた
「そうか、まぁ事後報告でもいいだろ」
課長はスーツのネクタイをしっかり締めると厳重な機械的門を目の前に立った
その門は黒く鉄でできており、その門から連なるように鉄製の機械的壁が人間では越えられない高さまでそびえている
すると、どこからか電気的音声が大きく聞こえた
『だれだ』
「名古屋警察署 特捜課の者だ」
『要件は』
「千一家の部下による児童人身売買の案件について担当している者に伺いに来た」
『そんな用事は聞いていない 帰れ』
冷たくあしらわれた
それもそのはず、署長から許可も得ずここにやってきた
ここは、
国家対七黒組織T.I.K.A.I の愛知支部である
「ですよね そんな簡単に入れるわけがない」
課長がため息をついてこちらを向いた
「あのなー…!」
その時、背後から若い男性がこちらに来るのが目に留まる 釣られてイヴィンもそちらを向く
茶色の前髪が極端にはねており長い髪が左肩から胸まで下ろしてまとめている
八重歯とフードに付いているファーが特徴的なキザな若い男性が声をかける
「俺が入れてあげよっかー?」
その姿を一目見ただけでその正体がわかる
「あなたは…!」
「ここの…いやぁ T.I.K.A.Iの総指揮者」
頼んでもいない自己紹介を人差し指を立てて始める
「万丈 雅牙だ よろしく」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる