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少年隊入隊試験編
26.雷と鈍感とローラースケート
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工業地帯
倉庫
バタン!
セツナがキリマに手錠を掛けたと同時にタカマサが力尽きて倒れた
「タカマサ…!?」
セツナはすぐにかけつけて手を伸ばしたが、タカマサは手を前に出して何事もないことを表す
「大丈夫 疲れただけだ」
「ふぅー よかったぁ」
安心して力が抜けたのかセツナもそこに腰を下ろした
「ムナさん気絶してないだろうになんで動かないんだろ、、」
「知らねぇよ ムナさんも疲れてんじゃねーの」
手を下ろしてバタリと音を鳴らすと勢いよくキリマが飛び起きた
「「!!!?」」
キリマは後ろ頭をわしゃわしゃしながら寄ってきた
「あー負けた負けた かんぱぁーい」
「「は?」」
「いじめてごめんねっ!悪いヤツ懲らしめる時のテンションでやってたから!」
「「にしても怖すぎ…」」
驚くべき2人のシンクロ率
「まぁでも2人とも気づけたことがあるだろうし!良くない!」
タカマサが起きながら応える
「その元気分けて下さいよ」
「乙女の背中をぶった斬っといてなにいってんの!」
とは言うものの全く痛くなさそうである
セツナもキリマの方へ向き満面の笑みを見せる
「でも!確かに私もタカマサも気づけたことがありました!ありがとうございました!」
タカマサも頷いて同意を表す
キリマは感動して身震いする
「うぅ~…2人とも大好きだよぉ!!」
「ちょ!」 「ぬぁ!」
キリマが教え子2人に大きな抱擁を送った
自身を引きはがそうとする2人に強引に抱きつきながら思うことがある
この子たちが昔の私たちみたいになってる子供をいっぱい助けてあげることをお姉さんは強く願うよ
10分前、、
高層ビル地帯
リクトとイチゴが道路上で逃げ役を5人倒した
リクト 19点 イチゴ 21点
水辺でのアカカミとの戦闘から逃走し、高層ビル地帯まで撤退してきた
「アカカミさん さすがに追いかけて来ないね」
「ああ 水辺とビル地帯が隣接しているからと言ってもここまで来ることはないだろう」
リクトはアカカミから離れられたことに安心していたが、自身が試験開始時に避けていた高層ビル地帯に来てしまうこととなった
2人は水に落ちた影響で服が重く、俊敏な動きに支障をきたしている
できればハードな戦闘は避けたい 班長、副班長と合間みえるなど持っての他なのだが、、
ズギュンッ!!
「……!」
リクトの右二の腕にパチンコ玉が貫通した
背後、本人やイチゴが気づけない距離、確定した
「マチシタさんだ…!」
イチゴに端的その上で明白な忠告を投げて走った
イチゴもその言葉で意味を理解し、リクトと並んで走る
数十メートル離れたビルの屋上
ライフルのレンズ越しに標的の様子を伺う狙撃手がいた
「お、走るねぇ 頭に撃たなかったのは手加減だけど、、」
標準がリクトたちの先を狙う
「動くなら上手くかわせよ ガキ共」
パァンッ!
玉の速度、リクトたちの移動方向と走力、その細かな数値がピタリと重なる
バシュッ!
「痛い…!」
イチゴの左肩に玉が貫通する
リクトも肩を抑えて膝を落としたイチゴに振り向く
「イチゴ…!」
うずくまるイチゴに手を伸ばす瞬間、眼前に玉が通り抜ける
バキンッ!
かけていたメガネが狙撃で破壊され、視界がボヤける
マズイ…!最悪だ…!ただでさえあの人の独壇場!ここで視界を失うのは…!
レンズの先にある瞳は笑った
「チェックメイト」
パァン!
リクトの頭部を狙った狙撃
加速するパチンコ玉が徐々に標的に迫る
バリンッ!!
リクトたちの正面にあったビルの15階のガラスが激しく割れた
予想外の事象でマチシタの予測がブレる
「なに…!」
ガラス片がパチンコ玉に当たり、軌道がズレた
リクトが上方を見上げるとそこにはボヤけた人間2人が見えた
「やっべ落ちる」
「ちっ…」
金髪を根元まで染めきれていない男が相手を蹴り飛ばして下の階のガラスを割って安全に落下を阻止する
蹴り飛ばされた相手は不安定な体制で道路に頭を打ち付けると思われたが、寸前でイチゴが道路と頭の間に滑り込んで助けた
「いたい…!」
痛い目にあうばかりのイチゴ
「あっぶねー死にかけた」
コウマは自分が尻に引いている人物に気づく
「あ、イチゴだ」
「早くどけ」
コウマが立ち上がると予備メガネを掛けながらリクトも寄ってきた
「コウマ、、どういう状況だ」
「んー俺と一緒に落ちてきた奴 30点」
すると、5階あたりから飛び降りてきた男は歩道のガードレールの前で着地し、3人を目の当たりにする
「宮城勢大集まりじゃーん てか日差しまっぶ」
チャラい サングラスをかけて近づいてくる
「「……!」」
イチゴとリクトもそのチャラ男に臨戦態勢になる
「あなたは…」
リクトが相手の姿を見て人物を特定する
「派遣班班長 柴木 雷蔵…!」
「お、知ってる!まぁ有名だしな!」
シバキが踏み込んだと同時にリクトもソニックブーツから空気を噴射させ右脚を振った
シバキは頭を下ろし、その俊足の蹴りをかわす
勢い余ったリクトはガードレールに突っ込んだ
ガードレールは凹み、そこにリクトが埋まった
「……!」
追い討ちにシバキが逆手に持ったナイフの先端を迫らせた
「お前は俺の点だぁぁあ」
コウマのサイドからの攻撃を追い討ちに使っていたナイフで受け止める
ナイフと鉤爪の鍔迫り合いが起きた反対、イチゴのカッターが首元を狙う
それを履いたローラースケートのローラーで空かした
「……!ローラースケート!」
「叩き込みゃ勝てると思ったか 甘ぇんだよ」
浮いた足でカッターを空かされたイチゴの腹を蹴りつける
「ウッ……!」
右脚を伸ばしきったまま、左脚を外側に向け、体を旋回し、ガードレールに埋まったリクトの腹をローラーで擦れるようにして切り抜く
ジャグッ…!
服の腹部が破れ、ローラーで腹部に横一線の擦り傷が生まれる
反撃を察したコウマはすぐに後退し、回し蹴りをかわした
「俺のスピードに着いてこれるかなッ!!」
派遣班班長 迅雷柴木 雷蔵
Я 最速の男 Я で強さ比べをすれば3、4番目には名が上がる
瞬間走力、持久力、速度持続性、俊敏性、瞬発力、反射神経、瞬間判断力において、彼の右に出る者はЯ 内に未だ存在しない
基準として記録をあげておくとすれば、、
周囲に何もない空間でマチシタの星による狙撃を10発連続回避したことがある
(この時、マチシタはシバキから十分に距離をとっている よってシバキからマチシタの姿は見えていない)
今回の試験、彼はハンデとしてローラースケーターという慣れない物を履かされ、重りを自分の体重の2分の1になるよう両足首、両手首に装着している
「まーじーでやりずれぇ」
こんなん履いてなかったらコイツらとか瞬なのに…
文句を心の中に閉まってコウマと向き合う
「コインくんだっけ~ キミやるね」
「……?」
「後々、仙台支部の部下に報酬をやらなきゃ…」
イチゴが隙だらけの背中にカッターを横振りした
それを深い震脚でかわす
「え、、」
「はい引っかかった」
隙を見せたのは誘うためイチゴが術中にはまる
両手を地面につけ、ブレイクダンスの勢いで脚を回転させ、イチゴの足を浮かせる
「うわぁっ!」
転んだイチゴの眼前にローラーの底面が影強く迫る
イチゴは庇う動作をとったが足が顔を踏みつける前にコウマが背後から引っ掻いてきた
しかし、それすらも踏み込みの効かないはずの足で裏に跳ぶことでかわす
ローラーのカチャリという音と同時に振り向き様に切り裂くコウマだったがそこにシバキの姿はない
ローラースケートで急旋回して既に元の位置に戻っており、コウマの背中に笑う
「ハハッw」
ジュバッ…!
背中を下から縦一閃に深く切りつけた
破れた服から血が吹く
シバキの背後から刃を向くイチゴと右からソニックブーツで飛び蹴りするリクト
シバキはナイフを手放し後ろに腕を曲げ、イチゴのなびいている長髪の赤髪の先端を鷲掴みする
「イタイッ…!」
髪を引っ張って自身の右半身にイチゴの小さな体を張る
「なにッ…!」
ボゴォンッ…!
「オエッ…!」
リクトの勢いづいた飛び蹴りをイチゴが背中で食らうはめになった
勢いに任せてイチゴは飛んでいき、反対側のガードレールに前身をぶつける
「イチゴ!!」
リクトが申し訳なさを含んだ心配を声にする
「そんな余裕あんのー?」
「……!」
ジュバッジュバッ!
落としたナイフを低姿勢で回収し、そのまま振りかぶるように跳び、リクトの左肩から右腰を切り裂く
先程、着けられた擦り傷と切り傷の重なった部位の痛みが強くリクトを襲う
「とりあえず落ちとけ!」
逆手に持ったナイフがリクトに向かって光った
リクトは脱落を覚悟し、目を瞑ったがナイフが自身に刺さることはなかった
「キミ…まじか…」
シバキはそう言うと口から血を垂らした
リクトが目を開けるとそこにはコウマが刃どうしの間にナイフを入れ込んで受け止め、反対の鉤爪でシバキを刺している姿があった
「背中の傷、痛くないの」
シバキがつけた背中の傷は深く、彼の肉を抉っているはずだが、力強く立っている様子からシバキは不可思議に思う
「俺、強度の感覚鈍麻でね!人より刺激を感じにくいんだよね!!」
腹に刺した鉤爪を引き抜き、シバキを弾いた
シバキは刺された部位を抑えながら話す
「へぇ~じゃあまだ痛めつけていいってことね」
左手の甲で口から垂れた血を拭き取って低姿勢をとる
「リクト」
コウマは小声でリクトに声をかける
リクトはその声に耳を貸す
「イチゴを拾って逃げて」
イチゴは反対側のガードレールの前で気を失って倒れている
「はっ…なにを…」
「このまま2人とも気絶してどっちも落ちるだけ、どっちもボロボロだから」
「だからってキミが…」
「俺はまだいける 大して痛くないし」
同じ仙台支部で切磋琢磨してきた仲だからリクトは分かることがあった
コウマはこういうことを言う時、嘘はつかない
だから、危険と知っていてもリクトは決断する
「わかった…だが、絶対受かれよ」
「当たり前っしょ」
了解の笑顔と同時に飛び出し、シバキの周囲をグルグルと走り回る
仕掛けて来ないうちにシバキは前髪を後ろに抑え、下がったロン毛を後ろでゴムで結び、サングラスを懐にしまう
刺し痕が結構痛いけど…動けなくなるほどじゃない…接近戦なら望むところだが、そう単純にはならないんだろうね~
呑気な思考をしている間にリクトがイチゴに肩を貸してその場から退散するために歩き始めたのを見た
あ、逃げるんだ…タイマンねぇ~
走り回るコウマを見ているとどんどん姿勢が低くなっていることに気づく
なんだ…
ついには地面に手をつけて四足歩行で走る四足獣のようになっていた
そして、膝をバネにして飛び掛る
「高いな…」
ビルの3階に届きそうな勢いで日差しが逆光となる 想像以上の高さだ
「豹襲!」
その高さから体重を一気に下に落とし、超速度で一直線の急降下する
「……!」
鋭利な長い爪が頭に刺さることを危惧したシバキがそれをかわし、コウマは背後に着地する
案の定、鉤爪が一部、地面を削った
高所からの着地で反動があるだろう中、コウマは止まることなく振り向いて切り裂くがそれはナイフで受けられる
反対の鉤爪でまた、刺そうとするが同じ手を二度も喰らわない男はコウマを蹴りつけて距離をとる
お互いに「フゥ~」と汗混じりの息を吐いた時、二人の間に細い何かが転がってきた
工業地帯
倉庫
バタン!
セツナがキリマに手錠を掛けたと同時にタカマサが力尽きて倒れた
「タカマサ…!?」
セツナはすぐにかけつけて手を伸ばしたが、タカマサは手を前に出して何事もないことを表す
「大丈夫 疲れただけだ」
「ふぅー よかったぁ」
安心して力が抜けたのかセツナもそこに腰を下ろした
「ムナさん気絶してないだろうになんで動かないんだろ、、」
「知らねぇよ ムナさんも疲れてんじゃねーの」
手を下ろしてバタリと音を鳴らすと勢いよくキリマが飛び起きた
「「!!!?」」
キリマは後ろ頭をわしゃわしゃしながら寄ってきた
「あー負けた負けた かんぱぁーい」
「「は?」」
「いじめてごめんねっ!悪いヤツ懲らしめる時のテンションでやってたから!」
「「にしても怖すぎ…」」
驚くべき2人のシンクロ率
「まぁでも2人とも気づけたことがあるだろうし!良くない!」
タカマサが起きながら応える
「その元気分けて下さいよ」
「乙女の背中をぶった斬っといてなにいってんの!」
とは言うものの全く痛くなさそうである
セツナもキリマの方へ向き満面の笑みを見せる
「でも!確かに私もタカマサも気づけたことがありました!ありがとうございました!」
タカマサも頷いて同意を表す
キリマは感動して身震いする
「うぅ~…2人とも大好きだよぉ!!」
「ちょ!」 「ぬぁ!」
キリマが教え子2人に大きな抱擁を送った
自身を引きはがそうとする2人に強引に抱きつきながら思うことがある
この子たちが昔の私たちみたいになってる子供をいっぱい助けてあげることをお姉さんは強く願うよ
10分前、、
高層ビル地帯
リクトとイチゴが道路上で逃げ役を5人倒した
リクト 19点 イチゴ 21点
水辺でのアカカミとの戦闘から逃走し、高層ビル地帯まで撤退してきた
「アカカミさん さすがに追いかけて来ないね」
「ああ 水辺とビル地帯が隣接しているからと言ってもここまで来ることはないだろう」
リクトはアカカミから離れられたことに安心していたが、自身が試験開始時に避けていた高層ビル地帯に来てしまうこととなった
2人は水に落ちた影響で服が重く、俊敏な動きに支障をきたしている
できればハードな戦闘は避けたい 班長、副班長と合間みえるなど持っての他なのだが、、
ズギュンッ!!
「……!」
リクトの右二の腕にパチンコ玉が貫通した
背後、本人やイチゴが気づけない距離、確定した
「マチシタさんだ…!」
イチゴに端的その上で明白な忠告を投げて走った
イチゴもその言葉で意味を理解し、リクトと並んで走る
数十メートル離れたビルの屋上
ライフルのレンズ越しに標的の様子を伺う狙撃手がいた
「お、走るねぇ 頭に撃たなかったのは手加減だけど、、」
標準がリクトたちの先を狙う
「動くなら上手くかわせよ ガキ共」
パァンッ!
玉の速度、リクトたちの移動方向と走力、その細かな数値がピタリと重なる
バシュッ!
「痛い…!」
イチゴの左肩に玉が貫通する
リクトも肩を抑えて膝を落としたイチゴに振り向く
「イチゴ…!」
うずくまるイチゴに手を伸ばす瞬間、眼前に玉が通り抜ける
バキンッ!
かけていたメガネが狙撃で破壊され、視界がボヤける
マズイ…!最悪だ…!ただでさえあの人の独壇場!ここで視界を失うのは…!
レンズの先にある瞳は笑った
「チェックメイト」
パァン!
リクトの頭部を狙った狙撃
加速するパチンコ玉が徐々に標的に迫る
バリンッ!!
リクトたちの正面にあったビルの15階のガラスが激しく割れた
予想外の事象でマチシタの予測がブレる
「なに…!」
ガラス片がパチンコ玉に当たり、軌道がズレた
リクトが上方を見上げるとそこにはボヤけた人間2人が見えた
「やっべ落ちる」
「ちっ…」
金髪を根元まで染めきれていない男が相手を蹴り飛ばして下の階のガラスを割って安全に落下を阻止する
蹴り飛ばされた相手は不安定な体制で道路に頭を打ち付けると思われたが、寸前でイチゴが道路と頭の間に滑り込んで助けた
「いたい…!」
痛い目にあうばかりのイチゴ
「あっぶねー死にかけた」
コウマは自分が尻に引いている人物に気づく
「あ、イチゴだ」
「早くどけ」
コウマが立ち上がると予備メガネを掛けながらリクトも寄ってきた
「コウマ、、どういう状況だ」
「んー俺と一緒に落ちてきた奴 30点」
すると、5階あたりから飛び降りてきた男は歩道のガードレールの前で着地し、3人を目の当たりにする
「宮城勢大集まりじゃーん てか日差しまっぶ」
チャラい サングラスをかけて近づいてくる
「「……!」」
イチゴとリクトもそのチャラ男に臨戦態勢になる
「あなたは…」
リクトが相手の姿を見て人物を特定する
「派遣班班長 柴木 雷蔵…!」
「お、知ってる!まぁ有名だしな!」
シバキが踏み込んだと同時にリクトもソニックブーツから空気を噴射させ右脚を振った
シバキは頭を下ろし、その俊足の蹴りをかわす
勢い余ったリクトはガードレールに突っ込んだ
ガードレールは凹み、そこにリクトが埋まった
「……!」
追い討ちにシバキが逆手に持ったナイフの先端を迫らせた
「お前は俺の点だぁぁあ」
コウマのサイドからの攻撃を追い討ちに使っていたナイフで受け止める
ナイフと鉤爪の鍔迫り合いが起きた反対、イチゴのカッターが首元を狙う
それを履いたローラースケートのローラーで空かした
「……!ローラースケート!」
「叩き込みゃ勝てると思ったか 甘ぇんだよ」
浮いた足でカッターを空かされたイチゴの腹を蹴りつける
「ウッ……!」
右脚を伸ばしきったまま、左脚を外側に向け、体を旋回し、ガードレールに埋まったリクトの腹をローラーで擦れるようにして切り抜く
ジャグッ…!
服の腹部が破れ、ローラーで腹部に横一線の擦り傷が生まれる
反撃を察したコウマはすぐに後退し、回し蹴りをかわした
「俺のスピードに着いてこれるかなッ!!」
派遣班班長 迅雷柴木 雷蔵
Я 最速の男 Я で強さ比べをすれば3、4番目には名が上がる
瞬間走力、持久力、速度持続性、俊敏性、瞬発力、反射神経、瞬間判断力において、彼の右に出る者はЯ 内に未だ存在しない
基準として記録をあげておくとすれば、、
周囲に何もない空間でマチシタの星による狙撃を10発連続回避したことがある
(この時、マチシタはシバキから十分に距離をとっている よってシバキからマチシタの姿は見えていない)
今回の試験、彼はハンデとしてローラースケーターという慣れない物を履かされ、重りを自分の体重の2分の1になるよう両足首、両手首に装着している
「まーじーでやりずれぇ」
こんなん履いてなかったらコイツらとか瞬なのに…
文句を心の中に閉まってコウマと向き合う
「コインくんだっけ~ キミやるね」
「……?」
「後々、仙台支部の部下に報酬をやらなきゃ…」
イチゴが隙だらけの背中にカッターを横振りした
それを深い震脚でかわす
「え、、」
「はい引っかかった」
隙を見せたのは誘うためイチゴが術中にはまる
両手を地面につけ、ブレイクダンスの勢いで脚を回転させ、イチゴの足を浮かせる
「うわぁっ!」
転んだイチゴの眼前にローラーの底面が影強く迫る
イチゴは庇う動作をとったが足が顔を踏みつける前にコウマが背後から引っ掻いてきた
しかし、それすらも踏み込みの効かないはずの足で裏に跳ぶことでかわす
ローラーのカチャリという音と同時に振り向き様に切り裂くコウマだったがそこにシバキの姿はない
ローラースケートで急旋回して既に元の位置に戻っており、コウマの背中に笑う
「ハハッw」
ジュバッ…!
背中を下から縦一閃に深く切りつけた
破れた服から血が吹く
シバキの背後から刃を向くイチゴと右からソニックブーツで飛び蹴りするリクト
シバキはナイフを手放し後ろに腕を曲げ、イチゴのなびいている長髪の赤髪の先端を鷲掴みする
「イタイッ…!」
髪を引っ張って自身の右半身にイチゴの小さな体を張る
「なにッ…!」
ボゴォンッ…!
「オエッ…!」
リクトの勢いづいた飛び蹴りをイチゴが背中で食らうはめになった
勢いに任せてイチゴは飛んでいき、反対側のガードレールに前身をぶつける
「イチゴ!!」
リクトが申し訳なさを含んだ心配を声にする
「そんな余裕あんのー?」
「……!」
ジュバッジュバッ!
落としたナイフを低姿勢で回収し、そのまま振りかぶるように跳び、リクトの左肩から右腰を切り裂く
先程、着けられた擦り傷と切り傷の重なった部位の痛みが強くリクトを襲う
「とりあえず落ちとけ!」
逆手に持ったナイフがリクトに向かって光った
リクトは脱落を覚悟し、目を瞑ったがナイフが自身に刺さることはなかった
「キミ…まじか…」
シバキはそう言うと口から血を垂らした
リクトが目を開けるとそこにはコウマが刃どうしの間にナイフを入れ込んで受け止め、反対の鉤爪でシバキを刺している姿があった
「背中の傷、痛くないの」
シバキがつけた背中の傷は深く、彼の肉を抉っているはずだが、力強く立っている様子からシバキは不可思議に思う
「俺、強度の感覚鈍麻でね!人より刺激を感じにくいんだよね!!」
腹に刺した鉤爪を引き抜き、シバキを弾いた
シバキは刺された部位を抑えながら話す
「へぇ~じゃあまだ痛めつけていいってことね」
左手の甲で口から垂れた血を拭き取って低姿勢をとる
「リクト」
コウマは小声でリクトに声をかける
リクトはその声に耳を貸す
「イチゴを拾って逃げて」
イチゴは反対側のガードレールの前で気を失って倒れている
「はっ…なにを…」
「このまま2人とも気絶してどっちも落ちるだけ、どっちもボロボロだから」
「だからってキミが…」
「俺はまだいける 大して痛くないし」
同じ仙台支部で切磋琢磨してきた仲だからリクトは分かることがあった
コウマはこういうことを言う時、嘘はつかない
だから、危険と知っていてもリクトは決断する
「わかった…だが、絶対受かれよ」
「当たり前っしょ」
了解の笑顔と同時に飛び出し、シバキの周囲をグルグルと走り回る
仕掛けて来ないうちにシバキは前髪を後ろに抑え、下がったロン毛を後ろでゴムで結び、サングラスを懐にしまう
刺し痕が結構痛いけど…動けなくなるほどじゃない…接近戦なら望むところだが、そう単純にはならないんだろうね~
呑気な思考をしている間にリクトがイチゴに肩を貸してその場から退散するために歩き始めたのを見た
あ、逃げるんだ…タイマンねぇ~
走り回るコウマを見ているとどんどん姿勢が低くなっていることに気づく
なんだ…
ついには地面に手をつけて四足歩行で走る四足獣のようになっていた
そして、膝をバネにして飛び掛る
「高いな…」
ビルの3階に届きそうな勢いで日差しが逆光となる 想像以上の高さだ
「豹襲!」
その高さから体重を一気に下に落とし、超速度で一直線の急降下する
「……!」
鋭利な長い爪が頭に刺さることを危惧したシバキがそれをかわし、コウマは背後に着地する
案の定、鉤爪が一部、地面を削った
高所からの着地で反動があるだろう中、コウマは止まることなく振り向いて切り裂くがそれはナイフで受けられる
反対の鉤爪でまた、刺そうとするが同じ手を二度も喰らわない男はコウマを蹴りつけて距離をとる
お互いに「フゥ~」と汗混じりの息を吐いた時、二人の間に細い何かが転がってきた
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