Я side The Assassin

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少年隊入隊試験編

27.アイドルと後継とハンデ

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イチゴは気を失っている間、夢を見ていた

8年前、、

紅 イチゴ 7歳

年の終わりにテレビで放送されている歌ライブ番組で踊る女の子たちにときめいた

「~~♩」

可愛らしい歌声、可愛い服、可愛い顔、可愛いダンス
もう何もかも全部キラキラしてて

「私もアイドルになる!!」

お母さんに元気よく伝えるくらいには沼ってた

それから歌もダンスも可愛くなるための努力もやった
テレビの向こうにいるサラサラな髪の毛を揺らした女の子になりたくて全力だった

自分の全身の動きを鏡で確認しながら好きなアイドルソングを響かせて体を動かす
流れる汗は様になるほど綺麗に見え、息も荒くなっているの疲れを全く感じさせない
それほどイチゴは踊ることを楽しんでいた

だが、世界は無情だ


5年後、、

背の順で並んだら男の子を抜いて後ろの方に並ぶ私の身長が突然伸びなくなった
お母さんもお父さんも身長は高い方で遺伝してそれが当たり前だと思っていた私はそれに違和感を感じてお母さんに相談したら

「成長期が止まっただけでしょ」

と素っ気ない返事をされたけどアイドルを目指していた私はスタイル良くなりたくてそのためには身長が必要だと思ってたから無理言って病院に診断しに行った

「成長ホルモン分泌不完全性低身長症ですね」

お医者さんがそう言った時、なんの事か分からなかったけどその病名から察してしまうものがあった

「簡単に言えば身長が伸びにくいまたは、伸びない病気です」

信じたくなかった
この時の139cmで私の発育は完全に停止してしまったらしい
身長は親の遺伝によって決まることが70%に対して、この病気を受ける可能性は10%未満らしい

なんでよりにもよって私なんだと思った

あの時のアイドルの映像を真っ暗な部屋で布団に身をくるんで泣きながら眺めていたことを覚えてる

その時、手に入っていたアイドルのライブチケット
このライブを見て完全にアイドルを諦めよう
そう思ってライブに行った

私の死んだような目は周りになんて映ったんだろう…キラキラに輝くアイドルの姿とは正反対すぎてそのライブ会場が私だけを差別しているように感じた

俯いてステージと違って真っ黒な床を見つめていると綺麗な白い手が差し伸べられた

「ねぇ一緒に楽しも!」

眩しすぎた眩しすぎたからそのお姉さんの手を取ったんだ
そしたら私の手を引っ張って耳元に囁いた

「あとで隣の喫茶店来て」

会場には大音量で音楽が流れていてファンのコールで埋め尽くされている中、私にしか聞こえない声だった

輝かしきアイドルライブの閉幕と同時に私の夢も幕を下ろした

私はアイドルのお姉さんに言われた通り、隣接する喫茶店に向かった
店員の「ようこそ」という真摯な挨拶を軽いお辞儀で返すと片隅にある2人用の席にいた黒セーターにおおど色のスカートを履いた女性が黒い丸サングラス越しに目をのぞかせてウインクしたのが見えた

私はその目の特徴から先程ステージで踊っていたアイドルということを理解して「1名様ですか」という店員の質問に「先に連れが来てます」と返してその席に向かった

席に向かい合って座るや否や、変装したアイドルは華やかに微笑んだ

「さっきのライブありがと」

「いえ、私は区切りをつけるために見に来たので」

「ふーん…まっとりあえずなんか頼もうよ」

すごく切りかえの速さですかさず店員を呼び止めてミルクココアを頼んだお姉さん
私はアイスコーヒーをミルク多めで頼んだ

「ライブ中の事なんだけどさ なんであんな顔してたの」

「なんかもう嫌だなって思って…」

「え、なんで?ライブつまんなかった?」

「いや、そんなことないんですけど、、自分にたいしてそう思ったていうか…世界は残酷だなみたいな…」

「なにそれおもーい 詳細カモン」

デレカシーもプライバシーもない質問だったけどそれほど強いこだわりもなかったからことの経理を全て話した

「へぇ~それは悲しい事実だね」

「だからもうアイドル目指すのもやめようと思って、」

「それで"区切り"ね」

「はい…」

私が俯くと同時に頼んだココアとコーヒーが運ばれて、私たちの前に置かれた

「でもそれって今から生きずらいと思う」

「え…?」

「だって何も目指さなくなったら人生つまんないと思うし、それこそ死にたいとか思っちゃうから」

「そうですね」

私はテキトーな返事をしてコーヒーを口に含む

うん、そうですね…実際私はそう思ってるかもしれない…こんな残酷な世界とはお別れしてもいいんじゃないかって思ってるのかもしれない…

「そんなつまんない人生捨てようよ」

まさかの提案だった
その時の私には「もう死んじゃえば」とにしか聞こえなくてアイドルのセリフとしてはイメージブレイクもいい所だった
でもその想像は間違っていてそれに彼女の本当の姿はアイドルですらなかった

「自己紹介が遅れたね 私こういう者です」

丁寧に名刺を差し出されて思うがままに手にして内容を読んだ

Я リサイド…仲介班副班長…?」

なんのことかさっぱりだったけどアイドルがアイドルでないことが分かって私は怖くなった
目の前にいるのはきらびやかなアイドルの裏で何かをしている怪しい女だった

彼女はココアの入ったカップを口に当てながらグラサンを下げ、今となっては怪しくみえる瞳を私に魅せる

日今 霧ヒイマ キリっていうの 何もかもどうでも良くなってるキミみたいな子供に手を差し伸べるのが私の本業で、私たちの信念なの」

「………っ」

私は黙ってその瞳を見つめ続けることしかできなかった

「どう?この怪しいお姉さんに賭けてみない?」


現在、、

目を開くとリクトが自分に肩を貸して何かから離れていることがわかった

「リクト!なにしてんの!」

「目が覚めたか…!なら自分で動け…」

「いや!シバキさんは!コウマは!」

「コウマが逃げろって言ったんだよ…!」

「はぁ!?無理なんですけど!」

イチゴはリクトを振り切ってコウマとシバキが闘っている方向へ走った

「おい待て!突撃したって勝てない!」

「じゃあコウマを落とせって言うの!そんなの無理!」

走りを止めて振り返り、大きな手振りで感情を表す

「コウマがそういう時はだいじょぶだって知ってるだろ!だから!!」

「イヤだ!!!」

イチゴの叫びがビル同士で反響し大きく響いた
リクトはその声の大きさか、わがままな小さな少女の高ぶる感情か、どちらかに気押された

「友達の目指すものまで奪いたくない…」

世界に目指すものを奪われたイチゴは夢を諦める辛さを知っている
だからこそ人の目指すものを見捨てることなどできない

そんな泣きそうな少女の願望に充てられた、いや、その思いに強く共感したリクトが拳を強く握る


図太い男の声が脳に聞こえる

「リクト お前は私を継ぐ男だ」

「また遊んできたのか…お前にそんな暇はないと今まで散々伝えてきたはずだが」

「なんだこの点数は…恥を知れ」

「やっと満点か…遅いな…これを維持するよう努力を怠るな」

「陸上選手だと!ふざけるな!お前は!私の会社を継がなければならないのだ!!」

男の拳がまだ幼かった少年の頬に打たれた


「そうだね…」

思い直したリクトがボヤくとイチゴは涙を止めて顔を上げた

「策を練ろう 僕たちの連携なら数%は勝ち筋が生まれる」



シバキとコウマの間に何か細い物が転がってきた

「「……!」」

プシューーーー!

細い物から吹き出たのは白い煙だった

煙幕…?小賢しいことを…さっき逃げた2人だな

すると煙の向こうからなにか人影が急接近してくるのがわかった

「メガネ野郎だな!そんなわっかりやすい不意打ちが俺に通用するとでも!」

迫ってくる影を蹴り払うとガチンッという音とともに何かが地面に落ち、何かが脚にへばりついた

「……!」

ブーツと上着だけ…!
服の後ろに空気を噴射させたままブーツを押さえつけて突っ込ませた…!メガネ野郎…

そこで違和感に気づく
空気抵抗で脚に吸い付いている服のサイズ

ちっせぇ…!これは…!

背後に低姿勢、上着を着ていないイチゴの不意打ち

「舐めんな…!」

カチンッ…!

「クッ……!」

宙に浮いた状態で飛びついたイチゴのカッターとナイフが打ち合う

「みだらな姿だな くそロリ」

「勝つために手段を選ばないのよ!」

イチゴが弾くように離れるとイチゴの全身で埋められていた視界、その奥から迫るリクトの加速された飛び回し蹴り

「まっず…!」

「喰らえ…!」

ボゴンッ!

リクトの脚がシバキの頭を捕え、蹴り飛ばす

もう一髪!追撃する…!

イチゴとリクトが同時に飛び出した瞬間、煙幕の中から小さな球体がリクトの頭を撃った

「……ッ!」


遠方、ビルの屋上で狙撃手スナイパーは笑った

「木製弾にしといた…頭に当たったらマズイからな」

しかし、それは煙の中にいる人物の頭部を狙った完全なる狙撃であり、マチシタの超人的技術で成し遂げられる


その木星弾は見事にリクトの頭部を捕らえた

着弾と同時に気を失い、リクトが地面に転がり倒れる

「リクト……!」

心配したイチゴの足が止まるのを迅雷イナズマは見逃さない

「敵前で仲間の心配は殺されるきっかけだぜ!」

イチゴの眼前に迫る刃、それを止めたのは、、

パスッ…!

「服…!?」

頭から被された服で視界が塞がり、狙いが逸れる

「誰が…!」

服を払い捨てるとそこには鉤爪を光らせたコウマが目を研ぎ澄ましていた

豹爪ひょうそう

ジャキンッ!

両手の鉤爪が十字に重なり、相手を捕らえたと思われたが、ナイフがそれを受け、鉤爪は大部分を破損してしまう

「甘かったな」

「甘いのはそっちだ」

「………!」

コウマが隙を作った間に背後に回ったイチゴが足の付け根を狙って低姿勢で刃を構える

「クソッ…!」

即効な判断と圧倒的速度で身を捻ったシバキが完全にイチゴを捕らえたかに見えたが

クルンッ

「は?」

ローラーが地面に落ちた服を巻き込み、一気に体勢を崩した
倒れる直前、イチゴはカッターで足のすねを切りつけた

ハンデがここで効いてきやがった…

地面に背中を打ちつけた瞬間、短くなった鉤爪が右肩に突き刺さった
同時に右手にコウマが所持していた手錠がかけられた

コウマ 派遣班班長 迅雷イナズマ 柴木 雷蔵シバキ ライゾウを確保し、30点獲得
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