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社長令嬢護衛編
38.カップル
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午後4時00分
北澤 夏鈴の賞金取り下げまで32:00:00
太刀城学園 校庭
スーツを着た集団が校庭に現れる
その先頭にはセンドウ堂々と立っていた
「出て来いや!! カナマツ チサキ!!」
後者の敷地全てに轟く声だ
「来ねぇと片っ端からぶっ殺すぞ!!」
周囲を見渡してチサキを探している様子
「キョロキョロすんなし!こっちみなっ!!」
「……!」
撃たれたシャトルを掴み潰す
「来たか」
集団の目の前に仁王立ちして現れたのは太刀城学園の女大将 奏松 千咲
「全員ぶっ倒してやっからな!!」
宣言する様子をセツナも背後で見た
羽斑の連中…!カナマツさんになんの用が…いや今はいい、とにかく加勢しな…
「セツナ!!」
後ろから呼ばれて足を踏み損なう
「ムツキ!?ダメだよ避難しなきゃ!」
「えぇ~気になるじゃん!先輩の噂が本当なのか!セツナもそうでしょ」
「あ、え、まぁうん、、」
それはそうなんだけど…加勢しなきゃとか…うん、ダメだ そんなことしたらムツキに怪しまれちゃう
申し訳ないけど…カナマツさんには多対1で頑張ってもらわなきゃ
「で、アンタらなんの用」
「とぼけんな うちのヤツ殺したのお前だろ」
「あれ、バレたなんで」
「血まみれのユニフォームなんて残しやがって」
「あー確かに捨てて行ったな」
証拠隠滅の不十分を思い出しても余裕の表情を崩さない
その飄々さにキレたのか眉を細める
「まぁいい 片をつけるのは俺じゃないからな」
「あれ~?羽斑のボスも私に怯えてるんですか~?」
「とぼけんな 俺がでれば一瞬で終わっちまう それは味気ねぇからな」
「調子こいちゃってー まっ!私は誰でも相手にするけどね」
すると、「じゃあ!俺でもいいよな!」と言って集団から現れたのは釘バットを持った明らかにヤンキーなヤツだった
「あら~野蛮そうね お姉さんがお仕置してあげるわっ!」
「黙れクソガキ!!」
襲いかかった男は大きくバットを振りかぶった
しかし、チサキはそれを鮮やかにかわし、ラケットの縁から突起させた針が腹に刺さるよう振った
グサッ!
「う"ッ!」
「はい瞬殺!」
ボォーン
振り抜かれたラケットは男を振り飛ばした
男が飛んだ方向に血が少量、連れるように落ちた
それを見たセツナとムツキは口を開けた
「「ふぁ~」」
当然の反応
カナマツさん…あの噂は本当だったの…
学園に攻めてきたチンピラ集団を1人で追い返した女子高生はやはり奏松 千咲だったことをセツナはこの目で見て確信した
振り飛ばされた男を心配する仲間たちが一斉に声を上げた
「「かかれぇぇぇえ!!!」」
センドウ以外の羽斑の連中がたった1人の女子高生に襲いかかる
「うわぁ~女子1人にありえなーい!」
わざとらしく身をすくめると集団の1人が鉄バットを振り上げた
「うるせぇ!!」
バットが振り下ろされるその瞬間、側方から飛んできたサッカーボールが男の横頭部に直撃した
集団の勢いは一瞬止み、カナマツは笑った
サッカーボールが飛んできた方向を見るとそこにはサッカー部の部員がズラリと並んでいた
その先頭に立つキャプテン木下 岳斗が声を張った
「俺の彼女に何してんだテメェらァ!!」
試合中や入学式のような飄々とした態度はどこかに置いてきたのか、怒鳴り声がその場に轟く
その怒号にセツナとミツキは硬直する
こーわっ…
するとチサキがわざとらしく手を頬に当てて言う
「やだー!この人たちこわいぃ!ガッくん助けてぇ~!!」
「てめっ…今、」
羽斑の人員の1人が否定の言葉を発そうとした瞬間、ガクトが部員に指示を上げた
「よぉしお前ら!!こいつら全員ボコしていいぜ」
「「「しゃあぁぁぁぁあ!!!」」」
サッカー部員約30名がチサキに襲いかかる集団に駆け出した
校庭にユニフォームを着た男たちと黒スーツの男たちの足音が交差し、響き合う
そして、サッカー部員の末端からセツナへウィンクを飛ばすハヤテ
セツナは驚きを超えて呆れてしまった
「なにこれ、、」
「ほんとにね、、」
一般人のムツキもこの状況は驚きより呆れが勝るようだ
一方、集団内は殴り合い、蹴り合いの混沌戦場となっていた
「オラァ!」
薄赤紫色の短髪を短く結んだサッカー部エース 神木 日向のミドルキックが1人の男を飛ばし、続いて襲いかかる相手も可憐な足さばきで裁き倒す
「ザコが」
そして、すぐ付近では他の人物よりも筋肉質で男らしくプレスと怪力で闘う黒髪のディフェンダー滋羅麻 暴が頭突きで相手を気絶させた
「ヘコタレとヒョロ僧しかいねぇのか!!あぁ!?」
襲いかかってくる相手2人を頭から地面に押さえつけた
「まだまだ来んかい!」
「アバレうるせぇ」
付近にいたヒュウがアバレと合流する
「ハッハァ!そう言うなよヒュウ お前だって結構ボコしてんじゃねぇか!!」
「黙れ 一年にシュート止められて相当ムカついてんだこっちは」
「うぃー血管浮き出てんねぇ!」
その2人に襲いかかる数人が一撃で吹き飛ばされた
「「オラァ!」」
集団から離れたところではガクトがチサキの頭を撫でていた
「うぅ~ガッくーん怖かった~」
「そうだな よく頑張ったよ」
「うん♡」
戦場でイチャつくカップルの前に現れたのは金髪を首元まで伸ばし、金色のピアスやブレスレット、ネックレスを装飾してジャラジャラと音を鳴らす男だった
「金ピカに黒スーツ…」
ガクトが姿を視認して相手が何者なのかを察する
「羽斑 NO.2 相葉 金次か」
名指しすると相手は手を胸に抑えて悶えた
「くっ…!貴様!!俺の名前を口にするな…!この昭和感漂う氏名は俺のコンプレだ」
「は?知るかそんなこと」
仰け反った体を元に戻すと装飾品の音が鳴る
「まあよい!!学園最強カップルと呼ばれる貴様らをこの俺!がぶちのめす!」
黒スーツから取り出されたのは金色の鎖、さらにその先端に銀色の杭が括り付けられている武具だ
「刺し殺す!!」
投げられた鎖は手元から素早く離れ、杭がチサキに迫る
「キャーッ!」
その鋭さに身を丸めるとグサリッという音が聞こえた
「え…」
顔を上げると自身は影で隠され、盾となって護る存在があった
交差させた腕から流れる一滴の血液が何が起こったかを物語る
「ガッくん!」
手首に刺さった杭を抜き外すと鎖は巻かれてアイバの元に戻っていく
「俺の彼女狙いやがったな」
痛みより怒りが勝る
「死んどけバカップル」
「黙れゴミ野郎」
お怒り、顔面狂、絶対殺すマンと化す
この生徒会長は彼女を傷つけられると飄々しさと優しさは失われる
今、彼の中にあるのは彼女を傷つけられそうになったという執着のみとなった
「DKとJKが手出していいセカイじゃねぇってことを教えてやんよ!!」
再び投げられた鎖、これに瞬時に反応し先端の杭を避け、頬横を通る鎖を強く掴む
そして、それを引き相手の体制をやや崩す
「ぬおっ!」
地面を蹴って飛び出したガクトは体制を前方に落とした相手を見事なフォームで蹴り飛ばした
「テメェ…!」
素早く鎖を引き戻し、ガクトに向かって振るが先端にあった杭は姿を消した
「は!?」
ガクトとの全身で隠れた背後、バド少女は美しくラケットを振り抜いた
「ガッくんをいじめるな!」
撃たれた物体はガクトの頬スレスレを通り抜け、アイバの肩に突き刺さる
「なぁぁぁぁあ!!!」
染みでる血液を手で抑えるが、ガクトは有無を言わせずネクタイを掴んで睨みつける
「次俺の前に現れたらぶち殺す」
「な、な、なんなんだぁ!お前らはぁ!」
高校生離れした運動神経に戦闘技術、只者でないことは確かであるガクトに禁句に近い問いを投げてしまった
「は、ハハッ!ハハハハ!笑わせてくれんねぇ!その弱々しく媚び売るような目を評して教えてやるよ」
飄々とした態度が良くない方向で戻った
「俺たちは ----------------------------」
耳元で囁かれた真実にアイバはさらに恐れおののき、白目をむいて気絶してしまった
ガクトは大人しくなったアイバのネクタイを離して立ち上がる
駆け寄ってきたチサキがガクトの手首に手を添える
「この傷結構深いよ?大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ 心配すんな」
と言って彼女の頭を撫でるとチサキは「えへへー」と照れながら喜んだ
一連の戦闘を観ていたセツナが不振感を強める
やっぱりあの2人…ただの高校生じゃない…
そして目線を集団に戻すとほとんどの黒スーツが倒れており、サッカー部のユニフォームの色が目立っていた
人際目立つ茶髪ロングが飛び蹴りで襲いかかったのは、、
「センドウとか言うのはアンタやな!!」
センドウが足を腕で受けるとハヤテは跳ねて綺麗に着地する
「誰か知らんが俺に喧嘩を売るとは死んでもいいということだな」
「うちの馬鹿がお世話になったようやからな!恩返しは忘れちゃあかんと思てな!」
「口だけは達者なガキだな」
「それはやってみらなわからんことやろ!!」
高速で振り抜かれた脚はセンドウの頬に直撃する
こりゃいったっしょ…
「……!?」
ピクリともしないセンドウに驚愕する
「なんだこれは…」
失望したのかため息をつきながら頬に撃たれた脚を強く掴む
まっず…!
「蹴りにしちゃ弱すぎる!!」
強引に投げられたハヤテは集団の間を通り抜けて背中を地面に打ち付けて転び倒れる
「なんだ」「誰かぶっ飛ばされたぞ」
他の者達の動きも止まり、2人の戦闘に目を寄せられる
集団の外にいるセツナとミツキもそこに目を向けるしかなかった
「痛ってぇ…」
こりゃガイもまけるわけや…
「おいコラどしたぁ!!お前もドリル野郎みてぇに俺に潰されんのか!!」
センドウが声を上げるとハヤテはゆっくりと立ち上がる
「うるせぇわボケェ もうええわ 本気出す」
脚に強く力をいれる
「ほう?なんかするつもりか…いいぜかかってこい」
「ちぃと構えな怪我すんで」
踏み込んで飛び出したハヤテはまたもや回し蹴りを魅せる
さっきとモーションは変わんねぇ…やっぱ口だけか…
また、失望を深めたセンドウが何もせず受けようとすると
ボゴォン!!
「「「……!?」」」
その場にいた全員に驚愕が走る
あの大男のセンドウがハヤテという子供の蹴りをまともに受けたからだ
「ブハッ…!」
口内から出た血液を吐き出すと足で何とか踏みとどまり体制を整えた
ビキッ!
ハヤテの右脚の皮膚から血液が小さく吹き出た
「クッ…!」
それを見たセンドウは確信する
「それ自爆覚悟だろ」
「ひぇー 分かってまうか まぁええわ 恩返しが済むなら上等や」
北澤 夏鈴の賞金取り下げまで32:00:00
太刀城学園 校庭
スーツを着た集団が校庭に現れる
その先頭にはセンドウ堂々と立っていた
「出て来いや!! カナマツ チサキ!!」
後者の敷地全てに轟く声だ
「来ねぇと片っ端からぶっ殺すぞ!!」
周囲を見渡してチサキを探している様子
「キョロキョロすんなし!こっちみなっ!!」
「……!」
撃たれたシャトルを掴み潰す
「来たか」
集団の目の前に仁王立ちして現れたのは太刀城学園の女大将 奏松 千咲
「全員ぶっ倒してやっからな!!」
宣言する様子をセツナも背後で見た
羽斑の連中…!カナマツさんになんの用が…いや今はいい、とにかく加勢しな…
「セツナ!!」
後ろから呼ばれて足を踏み損なう
「ムツキ!?ダメだよ避難しなきゃ!」
「えぇ~気になるじゃん!先輩の噂が本当なのか!セツナもそうでしょ」
「あ、え、まぁうん、、」
それはそうなんだけど…加勢しなきゃとか…うん、ダメだ そんなことしたらムツキに怪しまれちゃう
申し訳ないけど…カナマツさんには多対1で頑張ってもらわなきゃ
「で、アンタらなんの用」
「とぼけんな うちのヤツ殺したのお前だろ」
「あれ、バレたなんで」
「血まみれのユニフォームなんて残しやがって」
「あー確かに捨てて行ったな」
証拠隠滅の不十分を思い出しても余裕の表情を崩さない
その飄々さにキレたのか眉を細める
「まぁいい 片をつけるのは俺じゃないからな」
「あれ~?羽斑のボスも私に怯えてるんですか~?」
「とぼけんな 俺がでれば一瞬で終わっちまう それは味気ねぇからな」
「調子こいちゃってー まっ!私は誰でも相手にするけどね」
すると、「じゃあ!俺でもいいよな!」と言って集団から現れたのは釘バットを持った明らかにヤンキーなヤツだった
「あら~野蛮そうね お姉さんがお仕置してあげるわっ!」
「黙れクソガキ!!」
襲いかかった男は大きくバットを振りかぶった
しかし、チサキはそれを鮮やかにかわし、ラケットの縁から突起させた針が腹に刺さるよう振った
グサッ!
「う"ッ!」
「はい瞬殺!」
ボォーン
振り抜かれたラケットは男を振り飛ばした
男が飛んだ方向に血が少量、連れるように落ちた
それを見たセツナとムツキは口を開けた
「「ふぁ~」」
当然の反応
カナマツさん…あの噂は本当だったの…
学園に攻めてきたチンピラ集団を1人で追い返した女子高生はやはり奏松 千咲だったことをセツナはこの目で見て確信した
振り飛ばされた男を心配する仲間たちが一斉に声を上げた
「「かかれぇぇぇえ!!!」」
センドウ以外の羽斑の連中がたった1人の女子高生に襲いかかる
「うわぁ~女子1人にありえなーい!」
わざとらしく身をすくめると集団の1人が鉄バットを振り上げた
「うるせぇ!!」
バットが振り下ろされるその瞬間、側方から飛んできたサッカーボールが男の横頭部に直撃した
集団の勢いは一瞬止み、カナマツは笑った
サッカーボールが飛んできた方向を見るとそこにはサッカー部の部員がズラリと並んでいた
その先頭に立つキャプテン木下 岳斗が声を張った
「俺の彼女に何してんだテメェらァ!!」
試合中や入学式のような飄々とした態度はどこかに置いてきたのか、怒鳴り声がその場に轟く
その怒号にセツナとミツキは硬直する
こーわっ…
するとチサキがわざとらしく手を頬に当てて言う
「やだー!この人たちこわいぃ!ガッくん助けてぇ~!!」
「てめっ…今、」
羽斑の人員の1人が否定の言葉を発そうとした瞬間、ガクトが部員に指示を上げた
「よぉしお前ら!!こいつら全員ボコしていいぜ」
「「「しゃあぁぁぁぁあ!!!」」」
サッカー部員約30名がチサキに襲いかかる集団に駆け出した
校庭にユニフォームを着た男たちと黒スーツの男たちの足音が交差し、響き合う
そして、サッカー部員の末端からセツナへウィンクを飛ばすハヤテ
セツナは驚きを超えて呆れてしまった
「なにこれ、、」
「ほんとにね、、」
一般人のムツキもこの状況は驚きより呆れが勝るようだ
一方、集団内は殴り合い、蹴り合いの混沌戦場となっていた
「オラァ!」
薄赤紫色の短髪を短く結んだサッカー部エース 神木 日向のミドルキックが1人の男を飛ばし、続いて襲いかかる相手も可憐な足さばきで裁き倒す
「ザコが」
そして、すぐ付近では他の人物よりも筋肉質で男らしくプレスと怪力で闘う黒髪のディフェンダー滋羅麻 暴が頭突きで相手を気絶させた
「ヘコタレとヒョロ僧しかいねぇのか!!あぁ!?」
襲いかかってくる相手2人を頭から地面に押さえつけた
「まだまだ来んかい!」
「アバレうるせぇ」
付近にいたヒュウがアバレと合流する
「ハッハァ!そう言うなよヒュウ お前だって結構ボコしてんじゃねぇか!!」
「黙れ 一年にシュート止められて相当ムカついてんだこっちは」
「うぃー血管浮き出てんねぇ!」
その2人に襲いかかる数人が一撃で吹き飛ばされた
「「オラァ!」」
集団から離れたところではガクトがチサキの頭を撫でていた
「うぅ~ガッくーん怖かった~」
「そうだな よく頑張ったよ」
「うん♡」
戦場でイチャつくカップルの前に現れたのは金髪を首元まで伸ばし、金色のピアスやブレスレット、ネックレスを装飾してジャラジャラと音を鳴らす男だった
「金ピカに黒スーツ…」
ガクトが姿を視認して相手が何者なのかを察する
「羽斑 NO.2 相葉 金次か」
名指しすると相手は手を胸に抑えて悶えた
「くっ…!貴様!!俺の名前を口にするな…!この昭和感漂う氏名は俺のコンプレだ」
「は?知るかそんなこと」
仰け反った体を元に戻すと装飾品の音が鳴る
「まあよい!!学園最強カップルと呼ばれる貴様らをこの俺!がぶちのめす!」
黒スーツから取り出されたのは金色の鎖、さらにその先端に銀色の杭が括り付けられている武具だ
「刺し殺す!!」
投げられた鎖は手元から素早く離れ、杭がチサキに迫る
「キャーッ!」
その鋭さに身を丸めるとグサリッという音が聞こえた
「え…」
顔を上げると自身は影で隠され、盾となって護る存在があった
交差させた腕から流れる一滴の血液が何が起こったかを物語る
「ガッくん!」
手首に刺さった杭を抜き外すと鎖は巻かれてアイバの元に戻っていく
「俺の彼女狙いやがったな」
痛みより怒りが勝る
「死んどけバカップル」
「黙れゴミ野郎」
お怒り、顔面狂、絶対殺すマンと化す
この生徒会長は彼女を傷つけられると飄々しさと優しさは失われる
今、彼の中にあるのは彼女を傷つけられそうになったという執着のみとなった
「DKとJKが手出していいセカイじゃねぇってことを教えてやんよ!!」
再び投げられた鎖、これに瞬時に反応し先端の杭を避け、頬横を通る鎖を強く掴む
そして、それを引き相手の体制をやや崩す
「ぬおっ!」
地面を蹴って飛び出したガクトは体制を前方に落とした相手を見事なフォームで蹴り飛ばした
「テメェ…!」
素早く鎖を引き戻し、ガクトに向かって振るが先端にあった杭は姿を消した
「は!?」
ガクトとの全身で隠れた背後、バド少女は美しくラケットを振り抜いた
「ガッくんをいじめるな!」
撃たれた物体はガクトの頬スレスレを通り抜け、アイバの肩に突き刺さる
「なぁぁぁぁあ!!!」
染みでる血液を手で抑えるが、ガクトは有無を言わせずネクタイを掴んで睨みつける
「次俺の前に現れたらぶち殺す」
「な、な、なんなんだぁ!お前らはぁ!」
高校生離れした運動神経に戦闘技術、只者でないことは確かであるガクトに禁句に近い問いを投げてしまった
「は、ハハッ!ハハハハ!笑わせてくれんねぇ!その弱々しく媚び売るような目を評して教えてやるよ」
飄々とした態度が良くない方向で戻った
「俺たちは ----------------------------」
耳元で囁かれた真実にアイバはさらに恐れおののき、白目をむいて気絶してしまった
ガクトは大人しくなったアイバのネクタイを離して立ち上がる
駆け寄ってきたチサキがガクトの手首に手を添える
「この傷結構深いよ?大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ 心配すんな」
と言って彼女の頭を撫でるとチサキは「えへへー」と照れながら喜んだ
一連の戦闘を観ていたセツナが不振感を強める
やっぱりあの2人…ただの高校生じゃない…
そして目線を集団に戻すとほとんどの黒スーツが倒れており、サッカー部のユニフォームの色が目立っていた
人際目立つ茶髪ロングが飛び蹴りで襲いかかったのは、、
「センドウとか言うのはアンタやな!!」
センドウが足を腕で受けるとハヤテは跳ねて綺麗に着地する
「誰か知らんが俺に喧嘩を売るとは死んでもいいということだな」
「うちの馬鹿がお世話になったようやからな!恩返しは忘れちゃあかんと思てな!」
「口だけは達者なガキだな」
「それはやってみらなわからんことやろ!!」
高速で振り抜かれた脚はセンドウの頬に直撃する
こりゃいったっしょ…
「……!?」
ピクリともしないセンドウに驚愕する
「なんだこれは…」
失望したのかため息をつきながら頬に撃たれた脚を強く掴む
まっず…!
「蹴りにしちゃ弱すぎる!!」
強引に投げられたハヤテは集団の間を通り抜けて背中を地面に打ち付けて転び倒れる
「なんだ」「誰かぶっ飛ばされたぞ」
他の者達の動きも止まり、2人の戦闘に目を寄せられる
集団の外にいるセツナとミツキもそこに目を向けるしかなかった
「痛ってぇ…」
こりゃガイもまけるわけや…
「おいコラどしたぁ!!お前もドリル野郎みてぇに俺に潰されんのか!!」
センドウが声を上げるとハヤテはゆっくりと立ち上がる
「うるせぇわボケェ もうええわ 本気出す」
脚に強く力をいれる
「ほう?なんかするつもりか…いいぜかかってこい」
「ちぃと構えな怪我すんで」
踏み込んで飛び出したハヤテはまたもや回し蹴りを魅せる
さっきとモーションは変わんねぇ…やっぱ口だけか…
また、失望を深めたセンドウが何もせず受けようとすると
ボゴォン!!
「「「……!?」」」
その場にいた全員に驚愕が走る
あの大男のセンドウがハヤテという子供の蹴りをまともに受けたからだ
「ブハッ…!」
口内から出た血液を吐き出すと足で何とか踏みとどまり体制を整えた
ビキッ!
ハヤテの右脚の皮膚から血液が小さく吹き出た
「クッ…!」
それを見たセンドウは確信する
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「ひぇー 分かってまうか まぁええわ 恩返しが済むなら上等や」
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