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少年たちの成長編
54.次への誓い
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北澤 夏鈴が何者かの手に堕ちて約1ヶ月、この間様々なことがあった
Яでは班長会議が開かれた
カリンの"朱色の呪"についてカタギリから伝えられたこと
サトシとカリンは同一人物たちの手によって攫われたこと
また、リンドウがその一員との戦闘で負傷したこと
学校に残っていた物から関節が伸びる、舌を伸ばすといった非人的身体をした人物たち(ヘビナガ、トカゲ)が人間でないこと
白からの証言では上記の非人間がNの関係物ではないことが証明、さらにはNと非人間を使った人物たちに一切の協力関係がなかったこと
学校の中庭に1人取り残されていた生徒(ヒュウ)は正式に保護された後、安全が確認できたこと
羽斑はセンドウ不在により実質的に解体されたこと
などが報告、推理されЯ 全体に共有された
cool war から始まっている犯罪の波が段々と高さを増していることが感じられる今事件は"子供を守る"ことができなかった汚点としてメンバーに記憶されることとなった
そして今日、1ヶ月の訓練期間を終えた一部の少年隊員が本部に帰還した
レナがある人物に迫り手を前に出した
「ゴウおかえり!!」
「おう!」
手を叩きあった
「青森の土俵坂だったよね!どうだった!」
「岩引っ張って山登った…あと80歳の爺さんに何回もボコされた…」
思い出した途端にゴウの顔がやや青ざめる
「あ、アハハ~ 大変だったんだね~」
これ以上思い返したくないゴウが話題を転回する
「そっちはどうだったんだ」
「キドウさんにしごかれたよ でも、おかげで新しい技使えるようになった」
「有意義だったみたいだな」
そして、2人が何よりも気にかけている人物がいる
「セツナは見たか」
「いや見てない」
「そうか…」
「セツナちゃん大丈夫かな…」
武道場
「オラァ!」「えりゃァ!」
竹刀と右脚が交差する
コウマとリュウマが互いを見てニヤリと笑う
一旦距離をとったコウマに竹刀を振るが瞬時に床を滑って背後をとられる
コウマはリュウマに拳を突き出すが、リュウマは肘を後ろに曲げて竹刀を背後に通し、拳を竹刀の胴に当てる
「これ当たんないの」
「残念だったな!」
振り向きざまに振った竹刀が空を切る
「……!」
コウマは跳んでかわし、足で二蹴りする
それを竹刀であわせて打ち合う
コウマが着地する瞬間を狙って竹刀を突く
それを仰け反ってかわすと逆立ちの勢いで足を蹴り上げる
リュウマはやや反って回避すると後ろにさがる
互いに顔を見て笑い踏み込む瞬間、武道場の扉が開いた
「こんなとこにいた!!」
イチゴがコウマを発見して指さした
「あ、イチゴだ」
「試合はここまでやな」
竹刀を下ろすとコウマも拳を下ろした
「帰ってきて早々試合とか!頭おかしんじゃないの!」
コウマの肩を掴んで勢いよく揺らす
「ごめんて~」
「わりぃなイチゴちゃん 俺が誘ったんや」
イチゴが手を止めると揺れすぎて目を回しているコウマがフラフラする
「ほな俺はハヤテんとこ行ってくるわ コウマ楽しかったで~」
リュウマが武道場から出ていくとイチゴがコウマを向き直して唐突に宣言した
「コウマ!!私!! 少年隊の隊長狙う!!」
「は?」
少年棟
リュウマはコウマとイチゴから離れハヤテの部屋の前に着いた
「入んで」
ノックもせず部屋の扉を開くとそこには驚くべきハヤテの姿があった
「……ッ!」
「なんやノックぐらいせーや」
長かった髪が襟足から首元まで散髪され、前髪を触角のみを残し後ろに上げ、細いヘアバンドで固定されている
「お前…サッカー選手かいな…」
「まぁサッカー部やったし」
リュウマにとっては意味のわからない発言をそっちのけにしてハヤテは話し続ける
「戦闘で邪魔やったねん やからバッサリいった」
「気づくの遅ないか」
「細かいことは気にすんなや」
リュウマは静かに視線を足におろしたが、ハヤテはそれに気づき心配されていることを察する
「安心せえや もう治った 稽古の相手なら務めたるで」
「さっきして来たばっかやねん」
「そっかぁ…」
数秒間、ため息をついたあとハヤテは話を切り替える
「リュウマたちんとこにも通知行っとるよな」
「あー アレのことか」
「「新少年隊長の立候補募集」」
現少年隊長サトシが敵地にさらわれてしまったことを受け、代理の少年隊長を決めることになった
選考方法は少年隊全員に一任されており近々、少年隊が集合し決定される
「俺は行かへんで性にあわへんからな」
「俺も」
「うんうん」と頷きあってこういうことは他に任せようと意思疎通した
セツナ&レナの部屋
セツナが1人ベッドに座って握った両手を見つめていた
「何も知らない癖に味方みたいな顔しないで」
セツナの脳内で突き放されたミツキの言葉が何度も繰り返されていた
あの日からこのこびり付いた物が離れたことはない 情けなさと信念を実行できなかった自分に嫌気がさして何も行動する気にならない
すると、部屋の扉が開いた
静かにレナが入室して向かいにある自身のベッドに座って声をかける
「セツナちゃん…」
「おかえり…レナ」
「ただいま 大丈夫?」
「体は全然平気、でも、、」
口を噤んだセツナは黙ってしまう
レナは何とか話そうと寄り添うように優しく首を傾げる
「でも?」
「自分の不甲斐なさに、力のなさに呆れてる」
「何があったの…?」
任務の説明は知っていた
護衛対象を守ることができなかったことや相手組織にしてやられてたことも把握している
それでもレナはセツナの口から出る真実を知るために問う
「護衛対象以外に助けなくちゃいけない子がいたの」
話し始めるとレナは真剣にセツナの表情を見て清聴する
セツナはその時のミツキの顔やカフェで話したことを思い返しながら口を動かす
「その子は自分の姉妹のことで悩んでて、自分がしっかりしなきゃって思ってるいい子だった でも、きっとその姉妹に何かがあって、きっと自分が姉妹にできることをやるために悪意に手を染めてしまった」
室外で腕を組んでいるゴウも室内にいるセツナの一言一句を聞き逃さないため黙って話を聞く
「あの子がやってることはダメなことなのは分かってる それでも、姉妹を助けるためにはそうする他なかったかもしれない なのに、私はその子に……」
「今!その行動が本当に、妹に導くべきことなの!?」
愚かな自分の発言をぶり返す
「なんて、最低なこと言って、結局、助けられなかった」
涙が握った両手に落ちる
声も徐々に大きくなり顔が熱くなるのが嫌になるほどわかる
「私みたいな…どうすることもできなくて…生きるので精一杯な子供を少しでも助けるんだって決めたのに!誓ったのに!私は!!」
「セツナちゃん!!!」
レナがセツナに抱きついた
「……ッ!」
セツナの涙が一瞬にして引き戻される
「そんなに自分を責めないでよ!」
「でも…でもぉ!!」
セツナがレナに負けない声量で発すると、レナは負けじと声を張る
「セツナちゃんは頑張ってる!!北澤さんを守るために全力で動いたんだって報告を聞いて分かった!!だから!」
「でも…!目の前にいる友達を助けられなかった!私がすぐ気づいていたら救えていたかもしれないのに!!」
「まだ終わってないでしょ!!!」
「……ッ!」
レナの一言がセツナをはっとさせた
「北澤さんも、その子も、その子の妹さんも!まだ失ったって決まったわけじゃない それに今、そうやって自分の信念と行動との矛盾に気づいてる!なら諦めちゃダメだよ!!」
抱きつくのをやめ、両肩を掴んで目を合わせる
「助けるの!今回助けられなかったんなら次は絶対に!私たちで!!」
私たち……
レナの発言に大きく胸を動かされた
自分だけでないこのЯ の仲間がいる
それに、信念に背いてしまった取り返しをしなければならない
セツナは涙を拭って立ち上がる
「セツナちゃん!?」
「大丈夫だよレナ…」
ドアノブに手をかける
「ちょっと目を覚ましてくる」
レナに向けられた表情は先程とは違い、新たな一歩を見定めたような安心させるものだった
「わかった」
「いってくるね」
部屋を出ると扉でゴウの姿が隠され、ゴウに気づくことなくセツナはどこかに去っていった
ゴウが部屋を覗き込んでレナと話す
「何とかなったみたいだな」
「聞いてたくせに」
「扉越しでよく聞こえなかったんだよ」
バレる冗談を着いたのはゴウの優しさだろう
リーダー室
「何しに来たんだ」
シジマが目を向ける先には自分が救いの手を差し伸べた少女が前向きになって目を合わせている姿だ
「師匠 私と試合してください」
Яでは班長会議が開かれた
カリンの"朱色の呪"についてカタギリから伝えられたこと
サトシとカリンは同一人物たちの手によって攫われたこと
また、リンドウがその一員との戦闘で負傷したこと
学校に残っていた物から関節が伸びる、舌を伸ばすといった非人的身体をした人物たち(ヘビナガ、トカゲ)が人間でないこと
白からの証言では上記の非人間がNの関係物ではないことが証明、さらにはNと非人間を使った人物たちに一切の協力関係がなかったこと
学校の中庭に1人取り残されていた生徒(ヒュウ)は正式に保護された後、安全が確認できたこと
羽斑はセンドウ不在により実質的に解体されたこと
などが報告、推理されЯ 全体に共有された
cool war から始まっている犯罪の波が段々と高さを増していることが感じられる今事件は"子供を守る"ことができなかった汚点としてメンバーに記憶されることとなった
そして今日、1ヶ月の訓練期間を終えた一部の少年隊員が本部に帰還した
レナがある人物に迫り手を前に出した
「ゴウおかえり!!」
「おう!」
手を叩きあった
「青森の土俵坂だったよね!どうだった!」
「岩引っ張って山登った…あと80歳の爺さんに何回もボコされた…」
思い出した途端にゴウの顔がやや青ざめる
「あ、アハハ~ 大変だったんだね~」
これ以上思い返したくないゴウが話題を転回する
「そっちはどうだったんだ」
「キドウさんにしごかれたよ でも、おかげで新しい技使えるようになった」
「有意義だったみたいだな」
そして、2人が何よりも気にかけている人物がいる
「セツナは見たか」
「いや見てない」
「そうか…」
「セツナちゃん大丈夫かな…」
武道場
「オラァ!」「えりゃァ!」
竹刀と右脚が交差する
コウマとリュウマが互いを見てニヤリと笑う
一旦距離をとったコウマに竹刀を振るが瞬時に床を滑って背後をとられる
コウマはリュウマに拳を突き出すが、リュウマは肘を後ろに曲げて竹刀を背後に通し、拳を竹刀の胴に当てる
「これ当たんないの」
「残念だったな!」
振り向きざまに振った竹刀が空を切る
「……!」
コウマは跳んでかわし、足で二蹴りする
それを竹刀であわせて打ち合う
コウマが着地する瞬間を狙って竹刀を突く
それを仰け反ってかわすと逆立ちの勢いで足を蹴り上げる
リュウマはやや反って回避すると後ろにさがる
互いに顔を見て笑い踏み込む瞬間、武道場の扉が開いた
「こんなとこにいた!!」
イチゴがコウマを発見して指さした
「あ、イチゴだ」
「試合はここまでやな」
竹刀を下ろすとコウマも拳を下ろした
「帰ってきて早々試合とか!頭おかしんじゃないの!」
コウマの肩を掴んで勢いよく揺らす
「ごめんて~」
「わりぃなイチゴちゃん 俺が誘ったんや」
イチゴが手を止めると揺れすぎて目を回しているコウマがフラフラする
「ほな俺はハヤテんとこ行ってくるわ コウマ楽しかったで~」
リュウマが武道場から出ていくとイチゴがコウマを向き直して唐突に宣言した
「コウマ!!私!! 少年隊の隊長狙う!!」
「は?」
少年棟
リュウマはコウマとイチゴから離れハヤテの部屋の前に着いた
「入んで」
ノックもせず部屋の扉を開くとそこには驚くべきハヤテの姿があった
「……ッ!」
「なんやノックぐらいせーや」
長かった髪が襟足から首元まで散髪され、前髪を触角のみを残し後ろに上げ、細いヘアバンドで固定されている
「お前…サッカー選手かいな…」
「まぁサッカー部やったし」
リュウマにとっては意味のわからない発言をそっちのけにしてハヤテは話し続ける
「戦闘で邪魔やったねん やからバッサリいった」
「気づくの遅ないか」
「細かいことは気にすんなや」
リュウマは静かに視線を足におろしたが、ハヤテはそれに気づき心配されていることを察する
「安心せえや もう治った 稽古の相手なら務めたるで」
「さっきして来たばっかやねん」
「そっかぁ…」
数秒間、ため息をついたあとハヤテは話を切り替える
「リュウマたちんとこにも通知行っとるよな」
「あー アレのことか」
「「新少年隊長の立候補募集」」
現少年隊長サトシが敵地にさらわれてしまったことを受け、代理の少年隊長を決めることになった
選考方法は少年隊全員に一任されており近々、少年隊が集合し決定される
「俺は行かへんで性にあわへんからな」
「俺も」
「うんうん」と頷きあってこういうことは他に任せようと意思疎通した
セツナ&レナの部屋
セツナが1人ベッドに座って握った両手を見つめていた
「何も知らない癖に味方みたいな顔しないで」
セツナの脳内で突き放されたミツキの言葉が何度も繰り返されていた
あの日からこのこびり付いた物が離れたことはない 情けなさと信念を実行できなかった自分に嫌気がさして何も行動する気にならない
すると、部屋の扉が開いた
静かにレナが入室して向かいにある自身のベッドに座って声をかける
「セツナちゃん…」
「おかえり…レナ」
「ただいま 大丈夫?」
「体は全然平気、でも、、」
口を噤んだセツナは黙ってしまう
レナは何とか話そうと寄り添うように優しく首を傾げる
「でも?」
「自分の不甲斐なさに、力のなさに呆れてる」
「何があったの…?」
任務の説明は知っていた
護衛対象を守ることができなかったことや相手組織にしてやられてたことも把握している
それでもレナはセツナの口から出る真実を知るために問う
「護衛対象以外に助けなくちゃいけない子がいたの」
話し始めるとレナは真剣にセツナの表情を見て清聴する
セツナはその時のミツキの顔やカフェで話したことを思い返しながら口を動かす
「その子は自分の姉妹のことで悩んでて、自分がしっかりしなきゃって思ってるいい子だった でも、きっとその姉妹に何かがあって、きっと自分が姉妹にできることをやるために悪意に手を染めてしまった」
室外で腕を組んでいるゴウも室内にいるセツナの一言一句を聞き逃さないため黙って話を聞く
「あの子がやってることはダメなことなのは分かってる それでも、姉妹を助けるためにはそうする他なかったかもしれない なのに、私はその子に……」
「今!その行動が本当に、妹に導くべきことなの!?」
愚かな自分の発言をぶり返す
「なんて、最低なこと言って、結局、助けられなかった」
涙が握った両手に落ちる
声も徐々に大きくなり顔が熱くなるのが嫌になるほどわかる
「私みたいな…どうすることもできなくて…生きるので精一杯な子供を少しでも助けるんだって決めたのに!誓ったのに!私は!!」
「セツナちゃん!!!」
レナがセツナに抱きついた
「……ッ!」
セツナの涙が一瞬にして引き戻される
「そんなに自分を責めないでよ!」
「でも…でもぉ!!」
セツナがレナに負けない声量で発すると、レナは負けじと声を張る
「セツナちゃんは頑張ってる!!北澤さんを守るために全力で動いたんだって報告を聞いて分かった!!だから!」
「でも…!目の前にいる友達を助けられなかった!私がすぐ気づいていたら救えていたかもしれないのに!!」
「まだ終わってないでしょ!!!」
「……ッ!」
レナの一言がセツナをはっとさせた
「北澤さんも、その子も、その子の妹さんも!まだ失ったって決まったわけじゃない それに今、そうやって自分の信念と行動との矛盾に気づいてる!なら諦めちゃダメだよ!!」
抱きつくのをやめ、両肩を掴んで目を合わせる
「助けるの!今回助けられなかったんなら次は絶対に!私たちで!!」
私たち……
レナの発言に大きく胸を動かされた
自分だけでないこのЯ の仲間がいる
それに、信念に背いてしまった取り返しをしなければならない
セツナは涙を拭って立ち上がる
「セツナちゃん!?」
「大丈夫だよレナ…」
ドアノブに手をかける
「ちょっと目を覚ましてくる」
レナに向けられた表情は先程とは違い、新たな一歩を見定めたような安心させるものだった
「わかった」
「いってくるね」
部屋を出ると扉でゴウの姿が隠され、ゴウに気づくことなくセツナはどこかに去っていった
ゴウが部屋を覗き込んでレナと話す
「何とかなったみたいだな」
「聞いてたくせに」
「扉越しでよく聞こえなかったんだよ」
バレる冗談を着いたのはゴウの優しさだろう
リーダー室
「何しに来たんだ」
シジマが目を向ける先には自分が救いの手を差し伸べた少女が前向きになって目を合わせている姿だ
「師匠 私と試合してください」
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