Я side The Assassin

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少年たちの成長編

59.赤い兄妹

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宮城県 仙台市

「く、来るなァァァァ!!」

酷く怯えた男性がナイフを小さな少女に向けて喚き叫ぶ

「うわぁぁぁぁあん!!」

少女が泣き叫ぶと男はさらに動揺して焦りが増す

その男の目の前には赤髪の若者がおり、冷たく睨みつけていた

「はぁ…」

マサルがため息を着くと、その瞬間、男の目の前から姿を消した

「……!?」

驚いてナイフがブレたと思うと、1秒も経たないうちに男の首が落ちた

マサルは少女にその激的景色を見せぬよう自身の体でふたつに分かれた体を隠し、首を打って気絶させた

「どこの犯罪者か知らねぇけど人質に子供とることで逃げおおせて来たんだってな」

地面に落ちた頭のない体を踏む

「死んで当然だ クズ野郎」

助けた少女の目を閉じた表情に幼かった妹の姿を重ねた

「こんな可愛い時期があったのになぁ…」

「今やあんなシスコンになるなんて」という言葉を心で呟いきながら少女の額に手を当てる

山見ヤマミさん…俺とアサミはアンタのおかげで生きてるよ」

16年前

赤上家

「なんでぇッ!!」

赤髪の女性の錆びついた叫び声が真っ暗な部屋に轟く

「う"ッう"ぇぇぇえん!!」

赤子の泣き声が家中に鳴り響いた

「また!!また赤い髪…!!」

赤ん坊の赤い髪を見てその母親は絶叫している
床を何度も叩き拳が血に染まっていく

「なんで!!なんであの人に似ないの…!」

赤ん坊の小さな体に母親の血に染った拳が打ちつけられるその瞬間、間に割り込んだ影がそれを代わりに受ける

「ブハッ…!!」

その少年は床に体を転がして痛む頬を抑えながら起き上がる

「お母さん ダメ!!アサミ殴っちゃダメ!!」

「マサル…!クッ…うるさい!!」

またしても鈍い音が鳴る
ついには息子の首根っこを掴んで床に押さえつけその少年の首を強く握り始める

「ウッ……!」

「お前も!!アイツも!!いらない!!あの人がいてくれないなら必要ない!!」

耳鳴りがするほどの怒鳴り声と子供では振り切ることのできない握力でマサルは死に直面する

「死ねぇ!!!」

バァンッ…!!

音をかき消す銃音が女性を黙らせ力を失わせる
撃ち抜かれた頭から血が垂れ落ちると母親は抑えていたマサルの腹に頭落とす

「……!!」

驚いたマサルが母親から離れると銃を持った男が目に入る
その男は部屋のドアの鍵を破壊し侵入してきたようだ

「いいガキだ」

マサルを見下ろしてそういうと手刀で少年を気絶させ、片腕で抱え、赤ん坊であるアサミも片手で持った

「これは高く売れる」


その後、マサルが目を覚ますとそこは黄色が目立つ部屋だった
壁には象や犬の可愛らしい絵が描かれていてなんとも温かい空間だった

「あら?起きたの?」

1人の女性が優しく声をかけた

「ここ、どこ、、お母さんは?アサミは?」

分からないことだらけで声が小さい

「ここはね お家がない子供たちのための場所だよ」

ようは養護施設ということである

「マサルくんのお母さんはマサルくんに酷いことしたから成敗したの」

殺したということである

「マサルくんと一緒に来た赤い髪の赤ちゃんがいてね それがアサミちゃん?」

「そ、そう!!」

その後に続いた女性の「着いてきて」の言葉でマサルは彼女の後ろ姿を追う
連れてこられた部屋ではいくつものコットが並んでおり、その一つ一つに赤ん坊が寝ていた

その赤ん坊たちは皆、特徴的でオッドアイの子や体よりも髪が長い子など普通の赤子とは思えない見た目であった

マサルはその中からまだ生えたばかり
赤色の髪の毛1本を目に捕らえテクテクと歩み寄る

スヤスヤと眠っている妹の額に手を置いて、確かに感じる熱に感動する
そこに生まれた、まだ小さな少年の決意がある

「アサミはおれがまもる」


2年後、

マサルも施設での生活に慣れてきた時、アサミとともに引き取り先が決まった
その報告を受けてから数日で施設との別れを迎える

現れたのはスーツを着用した男性でスタイルが良く高身長だった

「これからよろしく」

温かな笑みにほっとして2人は引き取られた
その時の施設の人間の1人が札束を数えているのを尻目に

しかし、たどり着いた先は子供を弄ぶ犯罪組織だった

「いいガキ買ってきたぜー」

そこにいた6人の犯罪者はマサルを遊び道具のように横暴に扱った

「オラオラァ!泣けよ!泣け泣け!!」

マサルに拳を打ちつけ、蹴りつける

「ウッ…ブハッ…」

打撲と出血、さらに吐血までしても彼は涙一つ流さなかった
すると、それを傍から見ていたアサミが泣き叫んだ

「ブワァァァァア!!!おにぃちゃんイジメないでぇぇぇえ!!」

すると、犯罪者の狙いはアサミに向く

「いいねぇ…ガキが泣いてる様を見ると全部吹っ飛ぶんだよな!!」

男の拳がまだ小さなアサミの頭に打ち付けられる瞬間、間に割り込んだマサルがそれを受ける

ブシャッ!

片目を殴られ眼球がえぐれる音がする
それでもマサルは泣くこともせず男たちの前に立ちはだかり妹を守る

「アサミに手を出すな!!!」

幼くも迫力ある声に犯罪者はムカつき、力の籠った拳でマサルを殴るその瞬間、インターフォンが鳴った

「宅配ピザでーす」

その声で拳は止まり、6人中の1人が舌打ちをしながらドアを開けた
開ききった時、その男の命は尽きた

「うーっす Я ピザでーす」

男の胸に突き刺した刀を抜きながら堂々と侵入した筋肉質で無整髪な男はその場を滞らせる

「なんだテメェ!!」

殴りかかる犯罪者だったが手首が見事に切断される

「なぁぁぁぁぁあ!!」

「うるせぇ」

頭と体が分かれた

「やべぇのが来たぞ!!ぶっ殺せ!!」

生き残っている4名が躊躇なくЯ の男に発砲する

枝切しせつ

男が刀を床に下ろすと前方の床に8本の切り跡が走り抜けた
銃弾と残っていた犯罪者を刀に触れさせることなく縦に真っ二つ
数秒にしてその犯罪組織を壊滅させた

「子供に虐待し殺したら養子をとる あり得ねぇ集団だ」

光を反射する刃が鞘に納められると男はドアの外に向かって声を上げる

「この地下に生きてるガキがいる可能性がある!!さがせ!!」

その男の指示に大きな返事が聞こえたと思うと足音がいくつも聞こえた
その音が落ち着いてから男は兄妹の前にしゃがみ目を合わせた
伸ばされた大きな手にマサルもアサミも怯えて目を瞑ったがそれはやさしく頭をさする

「がんばったな良い子だぞ」

その一言に安心するとアサミはまた大きな声で泣き喚く
マサルもこぼれそうになる涙を強引に目の中に戻して強がる

「おじさん…だれ…?」

男は2人を両腕で抱えて応える

「ガキを救うことが仕事の山見 二郎太ヤマミ ジロウタだ」

部屋を出ていくヤマミの背中には「Я 」の1文字が大きく施されていた


思い返すとマサルの体は熱くなった
その熱さを表すが如く拳を強く握り見つめる

「アサミを守ると決めたあの日からなにも根底は変わらない ただそれが子供全員に変わっただけだ」


一方、、

「お前に…私たちの何がわかる!!」

アサミの突き上げられた拳がセツナの顎を打ち上げた

「……!」

セツナは即座に立て直し、アサミの背後に回って距離をとる
痛めた顎に手の甲を当てて具合を確認しながら怒りを露わにしているアサミを焦り顔で見つめる

「な、なに、、」

長く赤い後ろ髪を結ぶとアサミは鋭く眼光を光らせた

「もう…ぶち殺す…」

異様な雰囲気を放つ少女が床を蹴った瞬間、拳を振る

「……!」

危機を察知したセツナは咄嗟に防御を回避に変更し床から足を離して後ろに下がる

「オラァ!!!」

空ぶった拳は床に吸い込まれ、道場全体を震動させる

場にいる人間がセツナの思う事をそのまま感じる

こ、殺される……!?

睨みつけられたと思いきや既に彼女の拳はセツナの眼前にあった

ボンッ!!

拳はセツナの頬を殴り飛ばし床に倒させた

「ブヘッ…!」

口から吐いた血液が口周りにへばりつく
追い討ちをかけるアサミに足から飛び上がり顎を蹴って立ち直る

「………ッ」

激しいし、、さっきよりも速い でも、、

相手の様子を見るとそれに見合った疲れを表す息を荒らげている

「ねぇ…アサミちゃん…」

「なに…!」

殺気を放つ視線と目を合わせて懸命に話す

「お互い疲れてるから次のワンパンでおわらせよ」

「私はずっとそのつもりだし、さっきの言葉でつくづくアンタのこと嫌いになった!」

「そっか…じゃあさ」

右手を軽く動かして続ける

「私が負けたらその発言について謝るし、その後、何回でも殴っていいよ」

淡々と宣言するセツナに場がザワつくと同時にアサミの怒りを煽った

「は?」

「そのかわり…!」

怒りを打ちつけようとするアサミの言葉を遮ってセツナは声を上げ、拳を握る

「私が勝ったら、今まで私にした発言を謝って そして、何があってどんな信念でそんなに怒ってるのか、教えて」

慈悲を向けているような言葉だが彼女の目は相手と対等に会話したいという強い意志を感じさせる
その態度にアサミも怒りを和らげ了承する

「いいわ それでいきましょう」

セツナの小さな微笑みのあと、二者は向かい合って足を引く
場所は戦闘場の中央、間違っても場外になることはない

口から大きく息を吸った2人が荒らげる

「「ハァァァァァア!!」」

叫ぶ2人は床を強く蹴って接近し、拳を交差させる
拳の打つ速度は圧倒的にセツナが劣っている
単純な正面からのクロスカウンターであるこの状態はアサミの有利状況
しかし、それを誘ったのはセツナである
彼女の中での唯一の勝ち筋、、

ブレた……

彼女は見逃さなかった 洗練された拳技が昂った感情で僅かに揺らいでいたことを
1秒にも満たない相手のミスを捉える
それができる目を彼女は持っている

僅かな拳のズレにセツナは僅かに頭の位置を動かして的を逸らした

「……!?」

アサミが驚いたと同時にセツナの拳は顎を突いていた
力が一気に抜けてアサミはそこに背中を落とし倒れた

ヒイマの腕が振り下ろされる

「ミカワちゃんの勝ち!!」

セツナは失った酸素を全て吸い込むように呼吸し、握っていた拳を開いた
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