追放鍛治師の成り上がり〜ゴミスキル『研磨』で人もスキルも性能アップ〜家に戻れ?無能な実家に興味はありません

秋田ノ介

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ダンジョン

第41話 夢の魔道具作成

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目の前にいくつかの道具が用意された。

「これでいいのかい?」

多分、これでいけるはずだ。

『透視』スキル玉。

これはその名の通り、対象物が透けて見えるというものだ。

武具には利用されていないため、利用価値はほとんどない。

『鑑定』スキル玉。

透視スキルと同じ。その名の通り、対象物を鑑定できる。

ちなみにスキル玉はすべてレギュラー級の☆1だ。

つまり、一番最低の熟練度しか持っていない。

魔道具作りは、この熟練度をあげる方法を模索する技術でもあるらしい。

そして、最後のアイテムが……。

「これです」
「これって……眼鏡だよね? これをどうするつもりなんだい?」

分かっているだろうに……。

男子なら誰もが欲しくなるアイテム……。

透ける眼鏡だ。

これを付ければ、皆ハッピーだ。

「作れますか?」
「フッ! 君のような発想をする人は私は好きだな。でもまぁ、作ってあげるよ。何事も経験だからね」

僕からすれば、大発見の気分だった。

だって、そうだろ?

透けるんだよ?

なのに、ロンスキーさんの反応は冷淡なものだった。

もしかして、女性の裸に興味はないのかな?

「出来たよ。『透視』スキル玉を埋め込んだ眼鏡だよ」

これが……。

ロンスキーさんの手渡した時の残念そうな顔がなんとも気になるが……。

「では、付けさせてもらいます!!」

意を決して、メガネを装着。

もちろん、対象は……あの凶器のような体をしているイディア様だ!!

今は武具を物色しているな。

気配を悟られないように、さりげなく視線を向けた。

……。

「なんだ、これぇ!!」
「ぷはっはっはっ!! どうだい? 君のように考える人は今まで、無数にいたさ。でも、結果はこれだよ」

……なんてことだ。

僕が見ていたのは……服一枚分が透ける程度のものだった。

だけど……。

イディア様は薄着だった。

見えてる……バッチリ丸見えだよ。

下着姿のイディア様が……。

「眼福……ロンスキーさんもどうですか?」
「私はいいよ。結果は目に見えているから」

……やっぱり、興味ないのかな?

まぁいいか。

これは大切な宝物だから、大切に保管しておこう。

さて、次だ。

『鑑定』スキル。

鍛冶師としては、喉から手が出るほど欲しいスキル。

これを持っているかどうかで、鍛冶師としての能力に大きな開きが出来る。

僕に今必要なのは、物を見極める力だ。

これがなければ、今の僕の成長を計ることは出来ない。

「君も諦めないねぇ。まぁ、いいけどさ」

どんなに小さな情報でもいい。

鑑定さえすることが出来れば……。

「出来たよ」
「ありがとうございます!!」

鑑定メガネの完成だ。

さてと……何をみるか……。

やっぱり、これだな。

さっき、鍛えた剣。

……なんだか、ちょっと怖いな。

分かっていても、性能が低いと言う事実を知ってしまうのは……。

でも、通らないといけない道なんだ!

……。

剣……。

メガネに映し出される情報は、それだけだった。

「見れば、分かるわ!」
「ぷはっはっはっ!! 安心してくれ。これは魔道具技師なら誰でも通る道だ」

なんてことだ。

こんなに性能が低いなんて……。

道理で、誰もやらないわけだ。

くそっ!!

でも、いいか!

知らない物を調べなくてもいいのは、意外と助かるかも。

……ちょっと、気になるな。

「すみません。何か拭く物はないですか? レンズが随分と汚れていて」

急遽、用意したものだからか、あまり物が良くない。

今後、使うことを考えると磨いておいたほうがいいな。

「あれ? どこにもないや」

……まぁいいか。

すぐに使うものではないからね。

「それで磨いたらいいんじゃないかな? それ、魔石入りのだろ? レンズ磨きをするととても綺麗になるんだ」

へぇ……そう言う使い方も出来るのか。

だったら……。

キュッ……キュッ……。

面白い音がするんだな。

シュッ……シュッ……。

お? 音が変わった……。

「うん!! いい感じだ」

ピカピカになった眼鏡はとても美しかった。

もはや、一つの作品と言ってもいい。

どれどれ……。


■■■■剣
品質: B
耐久度: 100/1500

……なんだ、これ。

鑑定の情報が増えている……よな?

品質と耐久度という項目はどう言う意味なんだ?

品質はなんとなく分かる。

でも、耐久度が分からない。

だって……この剣は一度も使用していないんだ。

耐久度が著しく下がるわけがないんだ。

「ロンスキーさん。武器の耐久度ってわかりますか?」
「ん? 変なことを聞くね。耐久度は耐久度じゃないか? その武器の寿命みたいなものだろ?」

そうだよなぁ……。

ということは、この剣は生まれて間もないのに、寿命を迎えそうになっているってこと?

そんなバカな……。

もう一つを見てみよう。

武具屋で買ったロンスキーさんの剣。



品質; C
耐久度; 499/500

品質……低いなぁ。

だが、問題は耐久度だ

なんで、耐久度が減っているんだ?

まぁいいか。

やはり、耐久度はほぼ満タンだ。

きっと、これが普通のはず。

……本当に分からない。

「ライル君。さっきから、ブツブツと言ってどうしたんだい?」
「いえ、鑑定メガネの品質が上がったみたいで」

「冗談はやめてくれよ。そんなすぐに品質が上がったら、我々の仕事が無くなってしまうよ」

……あれ?

僕は大変なことをしてしまったのか?

僕にはなんとく分かっているんだ。

これはきっと『研磨』の力のせいだ。

剣だけでなく、メガネまでも品質を上げてしまう。

僕はすっと鑑定メガネをしまった。

ロンスキーさんには見せられないもんな。

……ちょっと、待て。

透視メガネを取り出した。


スキル玉付き眼鏡
品質; C
耐久度; 499/500
『透視』スキルランク: レギュラー級
熟練度:☆1

これが今の状態だ。

僕の手には魔石入り砥石が握られていた。

これで磨けば……

きっと、僕の顔はとてもニヤついているだろうなぁ……

キュッ……キュッ……

キタキタっ!

シュッ……シュッ……。

完成は近いぞ!!

「君は磨くのが好きなんだねぇ」

今は集中だ。

……出来た。

皆が待ち望んでやまない透視メガネだ。

僕は慎重に装着した。

……。

「ぶほっ!!」
「ライル君!?」

丸裸のイディア様がいた……。

イディア様の体は本当に……凶器でした……。
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