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第7話 治療
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僕は、回復魔法を取得したので、村の一割を占める疫病患者を治療することにした。エリスには先行してもらい、重症患者を優先的に選んでもらった。重症度に応じて、家の入口に色のついた布を縛ってもらった。意識がない者は赤、意識はあるが寝たきりの者は緑、歩行が困難な者は青、初期症状だけが現れている者は黄、といった具合だ。こうしておけば、エリスの案内がなくとも、僕一人でも対応することができる。
エリスと合流して、赤の患者のもとに案内してもらった。家の中は、腐臭が漂い、とても衛生的とは言えない環境だった。エリスに頼んで、空気の入れ替えをしてもらい、清潔な水と手ぬぐいを用意してもらった。
エリスが準備している間に、僕は患者に近づいた。患者は意識もなく、息も荒い様子だった。体はやせ衰え、一部、変色している部位もあった。……これは酷いな。すぐに治療しよう。
患者の体を触り、病変を探り、病原体を駆逐するようなイメージで魔法を使った。すると全身が淡い光りに包まれ、黒ずんだ部位は血色を帯びた肌色となり、息も安定してきた。集中していたから気付かなかったけど、女の子の裸の胸を触っている態勢だった。運悪く、エリスが戻ってくるとその光景を見て、尻尾を逆立てて、すぐに駆けつけてきた。
「何やっているんですか!! 意識がないことを良いことに、変なことをしようとしていたんじゃないですか? まだロッシュ様は子供だから、こういうことには興味がないと信じていたのに。それに、この子もまだ子供じゃないですか。まさか、ロッシュ様にそんな趣味があったなんて……。私ならいつでもいいのに……」
なんか、変なことも聞こえたが……
「ち、ちがっ……!」
状況的には、全く言い訳が出来ない。困ったな。こういう時は……
「ひどいよ! 治療するのに一生懸命やっていたのに! そんな勘違いされるなんて心外だよ! エリスなんて……大ッキライだぁ!!」
「こういう時だけ、子供のふりをして、源吉さんが何をおっしゃってるんですか?」
うわぁ……エリスがすごく冷たい目をしている……
「いや、なんかすみません。でも、本当にそんなつもりはなかったんだ。一生懸命だっていうのは本当だったし……それに子供を愛でる趣味は僕にはない。僕はエリスみたいのがタイプなんだし」
「な、何を言っているんですか! 本当に、もう!! ……わかりました。今回は信じますよ。ただ、こういうのは今回だけにしてくださいね。私も、患者が女の子だって教えなかったのも悪かったですし……」
エリスが顔を赤めて、慌ててる姿がすごく可愛く感じた。とりあえず、今回は回避できてよかった。エリスって怒ると本当に怖いからな。
ちょうど、女の子の意識が回復した。
「だ……だれですか? そこにいるのは? わたしは……あれ? 体が痛くない……どうして?」
「あなたは、ロッシュ様の回復魔法によって、病気が完治したのよ。疫病が体を蝕んでいて、もう一歩であなたは、死ぬところだったのです。ロッシュ様に感謝しなさい」
ん~エリスが僕の立場を考えて、僕をたててくれるのはありがたいんだけど……
「感謝は不要だ。当たり前のことをしただけなんだからな。君の体は疲弊しきっているから、食事をして、体を回復しなければならない。体力だけは、魔法では回復しないんだ。家族はどうした? 家族は見えないけど……仕事か?」
「私には……両親はいないの……隣のおばさんに食事とかもらってたんだ。でも、おばさんもいつからか来なくなったの」
ん~世話をしてくれる人がいないのか……隣のおばさんとやらが、世話をしなくなったのにも何か理由があるのだろう。
「どうだ? うちの屋敷に来る気はないか? 最初は、体力の回復に専念してもらうが、調子が戻ったら、働いてもらうが……どうだ?」
しばらく女の子は考えていたが、決心したのか、こちらを見て力強く頷いた。
「それは良かった。さっき、聞いたと思うが、僕はロッシュ。横にいるのが、エリス。うちのメイドだ。君は彼女の下についてもらう。基本的には家の雑用をしてもらうが、看護師の見習いみたいなことをやってもらおうと思っている」
「看護師ってなんですか?」
「そうだな。僕が治療する時に、一緒に付いてきてもらって、サポートしてもらうことだな。患者の世話も大事な仕事だ。徐々に教えていくから、焦らなくていい。君の名前を聞いてもいいか?」
女の子は自己紹介をしていなかったことを恥じたのか、慌てていた。
「私はココ。八歳です。よろしくお願いします。エリスさんもよろしくお願いします」
八歳なのにしっかりした子だな。この子なら、メイドとしてしっかり仕事をこなしていけるだろう。
「エリス。頼んだぞ」
「わかりました。ロッシュ様」
エリスに、ココを屋敷に運ぶように指示し、患者の治療を続行した。そういえば、ココの治療にどれくらいの魔力を消費したんだろう? ステータスを見ると、30%ほど魔力が減っていた。やっぱりココほど重症だと、消費もすごいな。
確か、最重症患者は10件だったか……一日かければ、終わるか。
今日はもう二件ほど治療をした後、日が暮れそうだったので、屋敷に戻った。治療のために出張するのもいいけど、やっぱり、屋敷に診療所がほしいな。レイヤに相談してみよう。
ココには開いている部屋を割り当て、そこで体力の回復に専念してもらうことにした。
その次の日も治療を行い、更に10日ほどかけて全患者の治療が完了した。まだ、体力の回復が終わってないのがほとんどだが、直に回復して労働に従事してくれるだろう。人口の一割と思っていたが、二割が疫病にかかってたんだから、異常な状態だったよな。正常に戻ってよかった。なによりも疫病が治るという事実が、村人に大きな安堵を与えることが出来た。
ココは、10日も経つと立ち上がることができるようになり、エリスの手伝いも少しずつだがするようになってきた。不幸中の幸いか……ココ以外の患者には、世話をしてくれる人がいてくれて助かった。その後、診療所を作る話をレイヤに相談すると、止めたほうがいいということになった。村長のとこに治療を頼みに来る人なんていないんだと。恐れ多いとのこと。
領主と村民の間には、未だに壁があるようだ。すぐに解決するのは難しい問題なのだろうか。
回復魔法によって労働力が増えることを考慮して、農地拡大を少し早めるかな。
エリスと合流して、赤の患者のもとに案内してもらった。家の中は、腐臭が漂い、とても衛生的とは言えない環境だった。エリスに頼んで、空気の入れ替えをしてもらい、清潔な水と手ぬぐいを用意してもらった。
エリスが準備している間に、僕は患者に近づいた。患者は意識もなく、息も荒い様子だった。体はやせ衰え、一部、変色している部位もあった。……これは酷いな。すぐに治療しよう。
患者の体を触り、病変を探り、病原体を駆逐するようなイメージで魔法を使った。すると全身が淡い光りに包まれ、黒ずんだ部位は血色を帯びた肌色となり、息も安定してきた。集中していたから気付かなかったけど、女の子の裸の胸を触っている態勢だった。運悪く、エリスが戻ってくるとその光景を見て、尻尾を逆立てて、すぐに駆けつけてきた。
「何やっているんですか!! 意識がないことを良いことに、変なことをしようとしていたんじゃないですか? まだロッシュ様は子供だから、こういうことには興味がないと信じていたのに。それに、この子もまだ子供じゃないですか。まさか、ロッシュ様にそんな趣味があったなんて……。私ならいつでもいいのに……」
なんか、変なことも聞こえたが……
「ち、ちがっ……!」
状況的には、全く言い訳が出来ない。困ったな。こういう時は……
「ひどいよ! 治療するのに一生懸命やっていたのに! そんな勘違いされるなんて心外だよ! エリスなんて……大ッキライだぁ!!」
「こういう時だけ、子供のふりをして、源吉さんが何をおっしゃってるんですか?」
うわぁ……エリスがすごく冷たい目をしている……
「いや、なんかすみません。でも、本当にそんなつもりはなかったんだ。一生懸命だっていうのは本当だったし……それに子供を愛でる趣味は僕にはない。僕はエリスみたいのがタイプなんだし」
「な、何を言っているんですか! 本当に、もう!! ……わかりました。今回は信じますよ。ただ、こういうのは今回だけにしてくださいね。私も、患者が女の子だって教えなかったのも悪かったですし……」
エリスが顔を赤めて、慌ててる姿がすごく可愛く感じた。とりあえず、今回は回避できてよかった。エリスって怒ると本当に怖いからな。
ちょうど、女の子の意識が回復した。
「だ……だれですか? そこにいるのは? わたしは……あれ? 体が痛くない……どうして?」
「あなたは、ロッシュ様の回復魔法によって、病気が完治したのよ。疫病が体を蝕んでいて、もう一歩であなたは、死ぬところだったのです。ロッシュ様に感謝しなさい」
ん~エリスが僕の立場を考えて、僕をたててくれるのはありがたいんだけど……
「感謝は不要だ。当たり前のことをしただけなんだからな。君の体は疲弊しきっているから、食事をして、体を回復しなければならない。体力だけは、魔法では回復しないんだ。家族はどうした? 家族は見えないけど……仕事か?」
「私には……両親はいないの……隣のおばさんに食事とかもらってたんだ。でも、おばさんもいつからか来なくなったの」
ん~世話をしてくれる人がいないのか……隣のおばさんとやらが、世話をしなくなったのにも何か理由があるのだろう。
「どうだ? うちの屋敷に来る気はないか? 最初は、体力の回復に専念してもらうが、調子が戻ったら、働いてもらうが……どうだ?」
しばらく女の子は考えていたが、決心したのか、こちらを見て力強く頷いた。
「それは良かった。さっき、聞いたと思うが、僕はロッシュ。横にいるのが、エリス。うちのメイドだ。君は彼女の下についてもらう。基本的には家の雑用をしてもらうが、看護師の見習いみたいなことをやってもらおうと思っている」
「看護師ってなんですか?」
「そうだな。僕が治療する時に、一緒に付いてきてもらって、サポートしてもらうことだな。患者の世話も大事な仕事だ。徐々に教えていくから、焦らなくていい。君の名前を聞いてもいいか?」
女の子は自己紹介をしていなかったことを恥じたのか、慌てていた。
「私はココ。八歳です。よろしくお願いします。エリスさんもよろしくお願いします」
八歳なのにしっかりした子だな。この子なら、メイドとしてしっかり仕事をこなしていけるだろう。
「エリス。頼んだぞ」
「わかりました。ロッシュ様」
エリスに、ココを屋敷に運ぶように指示し、患者の治療を続行した。そういえば、ココの治療にどれくらいの魔力を消費したんだろう? ステータスを見ると、30%ほど魔力が減っていた。やっぱりココほど重症だと、消費もすごいな。
確か、最重症患者は10件だったか……一日かければ、終わるか。
今日はもう二件ほど治療をした後、日が暮れそうだったので、屋敷に戻った。治療のために出張するのもいいけど、やっぱり、屋敷に診療所がほしいな。レイヤに相談してみよう。
ココには開いている部屋を割り当て、そこで体力の回復に専念してもらうことにした。
その次の日も治療を行い、更に10日ほどかけて全患者の治療が完了した。まだ、体力の回復が終わってないのがほとんどだが、直に回復して労働に従事してくれるだろう。人口の一割と思っていたが、二割が疫病にかかってたんだから、異常な状態だったよな。正常に戻ってよかった。なによりも疫病が治るという事実が、村人に大きな安堵を与えることが出来た。
ココは、10日も経つと立ち上がることができるようになり、エリスの手伝いも少しずつだがするようになってきた。不幸中の幸いか……ココ以外の患者には、世話をしてくれる人がいてくれて助かった。その後、診療所を作る話をレイヤに相談すると、止めたほうがいいということになった。村長のとこに治療を頼みに来る人なんていないんだと。恐れ多いとのこと。
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