爺さんの異世界建国記 〜荒廃した異世界を農業で立て直していきます。いきなりの土作りはうまくいかない。

秋田ノ介

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第15話 鍛冶工房

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 そろそろ、僕が村民に配った農具が痛み始めてくるだろう。ちらちら、屋敷の方にもその手の相談をする人が増えてきた。その時は新しい農具を土魔法で作ってから、渡していたりしていた。

 僕一人で農具のメンテナンスをするのは難しいから、誰か代わりにしてくれる人はいないものか。そういえば、この前、海で砥石の原石を拾うことが出来た。それを使えば、砥石の表面を平らにしたいが、どうしたもんか……風魔法が使えそうかな? 
 ステータスを見てみよう。久しぶりに見るな。

ステータス
体力 100%
魔力 100%

スキル
火魔法 取得可
水魔法 取得済み
風魔法 取得可
土魔法 進化済み → 大規模魔法+ 省魔力+
回復魔法 取得済み 進化可
品種改良 取得済み 進化可 → (栽培期間 栽培時期 品質 食味 収量)変化可 

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 随分と経験値が溜まっているな。これなら……風魔法を取得した。風魔法の知識が流れ込んできた。名前の通り、風を操ることが出来るようだ。風向、風量、風圧をコントロールできると……これなら、鋭利な刃物のような風を生み出すことができそうだな。どうやら、竜巻みたいのを起こすことは出来なさそうだな。

 とりあえず、やってみよう。怖いから、一旦外に出て……砥石の表面を平らにするように風圧が高い、かまいたちをイメージして……原石を切断した。きれいな面が現れた。これなら砥石として十分に使えそうだな。かまいたちはそのまま直進して、物干し台を切断して消えていった。洗濯物がすべて泥まみれになって、エリスにすごく怒られたことは……気にしないでおこう。

 これで、鎌を研磨してみよう。久しぶりだなぁ。日本にいた頃は、毎日のようにやったもんだ。おお……いい感じだ。……いい出来だ。よし、その辺の草で試し切りを……よく切れるぞ。これはいい。
 砥石が手に入ったことで、村人に農具のメンテナンスを任せることができそうだ。

 すると、エリスからゴードンの来訪の報せが来た。

 「村長、以前から申しておりました、鍛冶工房の候補者が決まりました。この村の鍛冶職人はいなくなってしまいましたが、その者を手伝っていた妻がおりまして、その方が是非、鍛冶工房を任せていただきたいとの願いがありまして。その裁可を村長にお願いに上がりました」

 「それは、朗報だ。鍛冶工房はこの村には必須。今後、多くの需要が見込まれるからな。その人は、どこにいるんだ? すぐに会って話を聞きたい。今ちょうど、いい発見もあったんでな」

 「それならば、表で待たせてあります。今から連れてまいります」

 ゴードンが一旦、屋敷を出て、すぐに戻ってきた。一人の女性を連れて。その女性は、子供? っていうくらい小さく、狸のような耳と小さな尻尾が生えていた。

 「お初にお目にかかります。カーゴと言います。村長。私の旦那は、旧都で鍛冶職人として働いていました。私は、その仕事を良く手伝っていたから、ある程度は鍛冶仕事がわかります。村長が鍛冶工房の責任者を探していると聞いて、立候補しました」
 
 なるほど。即戦力として使えるというわけか……

 「話はわかった。工房はこれから建設という運びになるだろう。農具のメンテナンスに関しては、すぐにでもしてもらいたいと考えている。ただ、その前にカーゴ……君の腕を見てみたい」

 僕は、さっき作った砥石と錆びた鎌を持ってきて、カーゴに手渡した。

 「これで、鎌を研いでもらいたい。鍛冶師の手伝いをしていたのなら、これくらいできるだろう?」

 カーゴは静かに頷いて、研ぎ始めた。最初はゆっくり、徐々に早く、緩急をつけながら研ぎ上げていく。終わると、僕に鎌を手渡した。ん~素晴らしいな。実際に雑草で試し切りすると、空気を切っているような切れ味だった。これはいい腕をしている。砥石の性格をよく熟知しているようだ。

 「すばらしい。これなら、農具のメンテナンスを任せられるな。砥石については、僕が調達しておこう。もちろん、君の方でも砥石の原石を集めてもらっても構わない。表面処理は僕の方でやっておくから……。それと、早速だが、鍛冶工房の建設について話がしたい。工房に必要なものはわかるか?」

 カーゴは頷く。

 「結構だ。僕は鍛冶工房については無知だ。大工のレイヤとよく相談して、工房を作って欲しい。予定地は、ゴードンに指示しておく。よいか? 鍛冶工房は、この村にとって重要な施設だ。くれぐれもよろしく頼むぞ。それと、まだ早いかもしれないが、弟子を取ることも視野に入れておいて欲しい」

 話が終わると、ゴードンとカーゴは屋敷を後にした。エリスにレイヤを呼ぶように頼むと、しばらくしてレイヤが現れた。

 「村長、今日は何のようですか? 宿泊施設の増築でもしましょうか?」

 「大変魅力的な提案ではあるが、今日は違う。ついに鍛冶工房の責任者が決まったのでな、鍛冶工房の建設をお願いしたい。こちらも最大限協力するから、よろしく頼むぞ」

 レイヤは、特に何も言うこともなく頷いてくれた。最近、レイヤには、無理を頼むことが増えてきている。なにか、労ってやりたい。

 「鍛冶工房が一段落付いたら、一緒に飯でも食べよう。エリスの料理は、ものすごく美味いぞ」

 「それはうれしいです。豪勢に頼みますね!」

 レイヤと僕は二人で笑い、レイヤは屋敷を後にした。砥石の量産をしたいところだが、手頃な石なんて転がってないんだよね……どうしたものか。

 エリスと二人きりになった。今日は来客が多かったせいで、今日はあまり話してないな……

 「ロッシュ様は、レイヤさんのこと、どう思ってるんですか?」

 「どうって……すごく村に貢献してくれている大事な人だよ」

 「村としてではなくて、個人的にはどう思っているんですか?」

 「個人的か……あまり考えたことないなぁ……魅力的な女性であるとは思うけど……」

 「そうですか……不躾な話をして、申し訳ありませんでした」

 エリスが僕に頭を下げてきた。

 「気にしなくていいよ。エリスの助言は大いに役に立っている。なんでも、僕に言ってもいいんだからね。君の事は、個人的にも大切な人と思っているからさ」

 エリスは何を言われたか、わからないように、キョトンとしている。やっと飲み込めたのか、顔を赤くした。

 「コ、コーヒーのおかわりをお持ちしますね」

 エリスの後ろ姿を僕はじっと見つめていた。僕の大切な女性の背中を……

スキル
火魔法 取得可
水魔法 取得済み
風魔法 取得済み
土魔法 進化済み → 大規模魔法+ 省魔力+
回復魔法 取得済み 進化可
品種改良 取得済み 進化可 → (栽培期間 栽培時期 品質 食味 収量)変化可 

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