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第108話 調査隊結成 後半
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数日後、調査隊が出発する日を迎えた。村の中央の広場には、大勢の村人が集まり、歓声を上げていた。調査隊の面々は緊張した面持ちで隊列を組んで広場で整列をしていた。新調した武器と防具を身にまとい、きれいに身だしなみが整えられた男たちが巨石を見つめていた。僕とルドが巨石に前に立ち、祈りを捧げ始めると、調査隊の面々と村人たちも祈りを捧げ始めた。
祈りを終え、僕とルドは村人たちの方を向き、ルド達調査隊に激励の言葉をかけた。
「調査達の諸君。僕は君たちの働きに期待することは大きい。是非、優れた成果を持ち帰ってもらいたい。君たちの努力を信じているぞ」
そういうと、調査隊の皆が息を合わせて、おう!! と空気が震えるほどの大きな声をあげた。僕は、かなり驚いて腰が抜けそうになってしまったが、頑張ってなんとか耐えることが出来た。足だけは震えてしまったが、バレていないだろうか。あっ、ルドが僕の足元を見ている。少しニヤついていたが、気にしないでおこう。
そこからは、僕とルドを先頭にラエルの街に向かうことになった。村人たちは村の入り口まで喝采を上げながら調査隊の後を付いて来た。その間も、決して隊列を乱すこと無く歩く調査隊の面々は素晴らしいと本当に思った。さすが、戦場を駆け抜け生き残ってきた者達は違うものだと感心するばかりであった。
村の入り口に到達し、村人たちに見送られながら、僕とルドは馬上の人となり、ラエルの街に向かって歩き始めた。村人から見えなくなる位置になると、調査隊は走り始め、ライルの街に急行した。今回の調査隊の主任務は逃走した盗賊の発見であるため、とにかく急ぐ必要があった。
数時間でラエルの街の到着すると、ルドは調査隊に休憩を取るように命令をして休ませることにした。その間に、北に向けて出発するための準備をすることになった。といっても、ゴードンが街に先行して、準備を進めていたのでその確認をするだけになっていた。
拠点となる家屋にそばに大きな広場があり、そこに多くの物資が積み込まれた荷車が置かれていた。荷車は馬で牽引することになっているので、自警団の保有する馬は全て荷馬車用に使われている。これだけの物資があれば二週間程度は行軍をすることが出来るだろう。
「ゴードンさん。これだけの物資を短期間でよく揃えることが出来たな。さすが、ロッシュの右腕と言われるお方だ。これなら安心して調査隊を遠征させることが出来るというものだ。私は、物資が乏しい中の行軍がどれほど悲惨なものかを痛感しているつもりだ。本当に感謝しかないな」
「ルドベックさん。恐縮してしまいますな。私など大したことでは……この食料だってロッシュ村長がいてくだされたからこそ用意できたものです。調査隊も我々のためにあるのですから、私の出来ることでしたら最大限協力させてもらいますよ。ですから、ロッシュ村長の期待だけは裏切らないでくださいね」
僕は、ルドとゴードンの会話を側で聞いていて、ルドのほうが村長ぽい感じがするなぁって思っていた。まぁ、ルドは第一王子なわけだし、仕方ないとは思うけど、少し嫉妬を感じてしまうな。
「ルド。後方支援はこちらに任せておけ。安心して、調査隊の仕事を全うしてくれ。僕に言われるまでもないと思うかもしれないが、マリーヌのことをしっかりと守ってやってくれよ。マグ姉が寂しそうな顔をするのを見たくないからな。それと、本作りが途中なのだ。終わらせてもらわないと困るからな」
僕は笑ってそういうと、ルドも一緒に笑ってくれて、大丈夫だ、と力強く返事をしてくれた。僕も頷き、ルドなら大丈夫だろうとなんとなく思った。
調査隊には、北に向かう街道沿いに進軍してもらうことになっている。以前であれば、いくつかの宿場や村が点在していたはずである。それが、現在どうなっているかは誰も知らない。調査隊には、その村々を巡ってもらい、人がいれば勧誘し、情報収集をしてもらうことにした。
短かったが休憩を切り上げ、調査隊には出発してもらうことにした。僕とゴードンと物資の荷造りを手伝ってくれた村人は、彼らを見送った。ルドは、僕の方に手を振り、前を向いて進みだした。
僕達は、調査隊が戻ってくるまでに拠点を更に充実させるための計画を練り、方々に命令を出し、拠点づくりを進めてもらうことにした。僕は数日、街に滞在をして、村に戻った。村では、調査隊を見送ったときの興奮は無くなっており、静かな村の雰囲気に戻っていた。僕も日常に戻るように、普段の執務をしていた。レイヤの方からレンガ工房の建設は順調に進んでいるといういい報告が入ってきて、そろそろ鉱山の採掘の方に出向こうと思っていたときに、調査団に付けている自警団の団員が報告にやってきた。随分と早い報告だと思って、話を聞くことにした。
「ロッシュ村長。お目通りありがとうございます。調査団より報告があります。ラエルの街を発ってから、数日で最初の目的地である村に到達しました。そこには、村人らしい人間と亜人、合わせて100名ほどがおりましたので、彼らに食料を提供し、調査隊は数名を残して、先に進んでいます。100名に村への帰属を聞いたところ、全員、希望とのことです。隊長からは、ロッシュ村長に報告し、その村の住民を保護するための人を送ってほしいとのことです」
僕はすぐにその村に人を派遣するべく、自警団に依頼をした。自警団も人数が少なくなっているので、手の空いている村人を何人か集め、武装をして、すぐに出立した。ゴードンには、住民が到着したら、すぐに食料や衣類などを提供する手配だけを頼み、僕は、ラエルの街に向かうことにした。早速、調査隊の成果が現れたな。この調子だと、移民がもう少し増えそうだな。報告に来た団員は、僕が人を送ることを了承したと同時に、屋敷を離れ、急ぎで街の方に戻っていった。
新たな移民が街に到着する時を見計らって、僕は、エルスとマグ姉を連れてラエルの街に向かうことにした。ラエルの街では、人を受け入れるための準備が既に終わっており、炊き出しも行われていた。どうやら、僕達が到着した数時間前に、新たな住人が到着していたようだ。僕は、その代表と言う人に会うことにした。会って驚いたのは、その体型だ。ガリガリに痩せて、生気を感じられない。まるで骸のようだ。その男は椅子に座っていたのだが、僕が近付いたため、立ち上がろうとしていたが少し腰を上げては座りこむのを繰り返していた。僕は、座っていていいと言うと、静かに大人しくなった。
「さぞかし苦労したことだろう。まずは、この街でゆっくりと休むが良い。食料もたくさんある。急には食べられないだろうが、体調を戻すのだぞ。ただ、その前に確認したいことがあるが、話を出来るか?」
その男は、コクリと頷いた。最近の状況や農業について、逃走した盗賊について聞くと、ゆっくりと小さな声で答え始めた。一番聞きたかった逃走した盗賊については知らないようだ。男の住む村には、ここ何ヶ月も訪れる者がいなかったらしい。少し落胆はしたが、話を聞くことにした。
その村では、もともと200人程度いたらしい。一人も村から離れることなく協力しあって、生活をしていたみたいだ。最初は、作物を作りなんとか餓えを凌いで行けており、蓄えもそれなりに出来始めた頃、盗賊に襲われ備蓄していた食料は奪われ、畑も荒らされ、立ち行かなくなってしまった。それでも希望を捨てずに、餓えに耐えながら作物を一から作り始めたのだが、どういう訳か、急に作物の出来が悪くなってしまった。そういうこともあるだろうと思い、また作物を作ったが、一向に良くならない。それどころか、出来が悪くなる一方だった。ついに、餓死するものが出だし、もうダメだと諦めかけたときに調査隊が現れたらしい。
飢えがある場所は、どこも悲惨だ。僕は、沈痛な表情を浮かべながら話を聞いていたが、男の体力が持たなくなったのか、話している途中で気絶するように眠り始めた。僕は、その男をベッドに横たえた。僕とエリスとマグ姉で、住民たちを見て回り、怪我人や体力を消耗している者に治療や薬を与えていった。数日かかったが、住民達はみるみる回復をしていき、立つことも困難だった男もすっかりと体調も戻すことが出来た。
「ロッシュ村長。この度は本当に助かりました。村一同を代表してお礼を申し上げます。最初にお会いした時、何を話したかは全く覚えておりませんが、何か聞きたいことがあれば何でもお尋ねください」
僕が気になったのは、作物の出来が悪くなった原因だ。あのときの話を聞く限り、出来が悪くなるようなことはしていないと思ったのだ。男は、考え込んだ様子でしばらく沈黙が続いたが、分かりませんと答えてきた。
「正直に言って、全く分かりません。農業については、数十年とやってまいりましたし、やり方も変えていませんが、作物の出来だけがみるみる悪くなっていったのです。感覚的ですが、大地が痩せていった感じでしょうか。こんなことは今までに一度も経験したことがないのですが」
大地が痩せていくか……この周辺で何か大きな変化が起きているというのだろうか? 僕は、ラエルの街の郊外に出てみることにした。そこには、畑が広がっているので、もしかしたら、その村と同じような症状が起きているのかもしれないと思ったからだ。一人、馬に乗って畑の方に向かっていくと、そこに広がっていたのは、畑ではなく、風が少し吹くだけで砂煙が舞うような土地に変貌していた。前に見たのは、一年前くらいだったはず。この変わり様はおかしい。手を加えていないのだから、草が生い茂ったりするのは分かるが、土質が明らかに変わっている。これは一体どういうことなのだ?
僕は街の中心地に戻り、エリスやマグ姉に郊外で見た来たことを話すと、驚きを隠せないでいた。
「ねぇ、ロッシュ。ちょっと考えたんだけど……前にスタシャさんが言っていたんだけど。この王国の土地は昔、荒涼とした大地が広がっていて人が住むのに適さない土地だったって。王国が出来てからは豊かな土地になったらしいのよ。その昔に戻っているんじゃないかしら?」
突拍子もない考えだと思ったが、たしかにスタシャがそのようなことを言っていたことを思い出した。だとすると、しばらくすれば農業ができなくなるような土地が広がってしまうということではないか。それはつまり村が終わってしまうということ。僕は、冷や汗を感じながら、考え込んでしまった。しかし、考えても何も出てこなかった。とりあえず、スタシャに会って話を聞いてみよう。
祈りを終え、僕とルドは村人たちの方を向き、ルド達調査隊に激励の言葉をかけた。
「調査達の諸君。僕は君たちの働きに期待することは大きい。是非、優れた成果を持ち帰ってもらいたい。君たちの努力を信じているぞ」
そういうと、調査隊の皆が息を合わせて、おう!! と空気が震えるほどの大きな声をあげた。僕は、かなり驚いて腰が抜けそうになってしまったが、頑張ってなんとか耐えることが出来た。足だけは震えてしまったが、バレていないだろうか。あっ、ルドが僕の足元を見ている。少しニヤついていたが、気にしないでおこう。
そこからは、僕とルドを先頭にラエルの街に向かうことになった。村人たちは村の入り口まで喝采を上げながら調査隊の後を付いて来た。その間も、決して隊列を乱すこと無く歩く調査隊の面々は素晴らしいと本当に思った。さすが、戦場を駆け抜け生き残ってきた者達は違うものだと感心するばかりであった。
村の入り口に到達し、村人たちに見送られながら、僕とルドは馬上の人となり、ラエルの街に向かって歩き始めた。村人から見えなくなる位置になると、調査隊は走り始め、ライルの街に急行した。今回の調査隊の主任務は逃走した盗賊の発見であるため、とにかく急ぐ必要があった。
数時間でラエルの街の到着すると、ルドは調査隊に休憩を取るように命令をして休ませることにした。その間に、北に向けて出発するための準備をすることになった。といっても、ゴードンが街に先行して、準備を進めていたのでその確認をするだけになっていた。
拠点となる家屋にそばに大きな広場があり、そこに多くの物資が積み込まれた荷車が置かれていた。荷車は馬で牽引することになっているので、自警団の保有する馬は全て荷馬車用に使われている。これだけの物資があれば二週間程度は行軍をすることが出来るだろう。
「ゴードンさん。これだけの物資を短期間でよく揃えることが出来たな。さすが、ロッシュの右腕と言われるお方だ。これなら安心して調査隊を遠征させることが出来るというものだ。私は、物資が乏しい中の行軍がどれほど悲惨なものかを痛感しているつもりだ。本当に感謝しかないな」
「ルドベックさん。恐縮してしまいますな。私など大したことでは……この食料だってロッシュ村長がいてくだされたからこそ用意できたものです。調査隊も我々のためにあるのですから、私の出来ることでしたら最大限協力させてもらいますよ。ですから、ロッシュ村長の期待だけは裏切らないでくださいね」
僕は、ルドとゴードンの会話を側で聞いていて、ルドのほうが村長ぽい感じがするなぁって思っていた。まぁ、ルドは第一王子なわけだし、仕方ないとは思うけど、少し嫉妬を感じてしまうな。
「ルド。後方支援はこちらに任せておけ。安心して、調査隊の仕事を全うしてくれ。僕に言われるまでもないと思うかもしれないが、マリーヌのことをしっかりと守ってやってくれよ。マグ姉が寂しそうな顔をするのを見たくないからな。それと、本作りが途中なのだ。終わらせてもらわないと困るからな」
僕は笑ってそういうと、ルドも一緒に笑ってくれて、大丈夫だ、と力強く返事をしてくれた。僕も頷き、ルドなら大丈夫だろうとなんとなく思った。
調査隊には、北に向かう街道沿いに進軍してもらうことになっている。以前であれば、いくつかの宿場や村が点在していたはずである。それが、現在どうなっているかは誰も知らない。調査隊には、その村々を巡ってもらい、人がいれば勧誘し、情報収集をしてもらうことにした。
短かったが休憩を切り上げ、調査隊には出発してもらうことにした。僕とゴードンと物資の荷造りを手伝ってくれた村人は、彼らを見送った。ルドは、僕の方に手を振り、前を向いて進みだした。
僕達は、調査隊が戻ってくるまでに拠点を更に充実させるための計画を練り、方々に命令を出し、拠点づくりを進めてもらうことにした。僕は数日、街に滞在をして、村に戻った。村では、調査隊を見送ったときの興奮は無くなっており、静かな村の雰囲気に戻っていた。僕も日常に戻るように、普段の執務をしていた。レイヤの方からレンガ工房の建設は順調に進んでいるといういい報告が入ってきて、そろそろ鉱山の採掘の方に出向こうと思っていたときに、調査団に付けている自警団の団員が報告にやってきた。随分と早い報告だと思って、話を聞くことにした。
「ロッシュ村長。お目通りありがとうございます。調査団より報告があります。ラエルの街を発ってから、数日で最初の目的地である村に到達しました。そこには、村人らしい人間と亜人、合わせて100名ほどがおりましたので、彼らに食料を提供し、調査隊は数名を残して、先に進んでいます。100名に村への帰属を聞いたところ、全員、希望とのことです。隊長からは、ロッシュ村長に報告し、その村の住民を保護するための人を送ってほしいとのことです」
僕はすぐにその村に人を派遣するべく、自警団に依頼をした。自警団も人数が少なくなっているので、手の空いている村人を何人か集め、武装をして、すぐに出立した。ゴードンには、住民が到着したら、すぐに食料や衣類などを提供する手配だけを頼み、僕は、ラエルの街に向かうことにした。早速、調査隊の成果が現れたな。この調子だと、移民がもう少し増えそうだな。報告に来た団員は、僕が人を送ることを了承したと同時に、屋敷を離れ、急ぎで街の方に戻っていった。
新たな移民が街に到着する時を見計らって、僕は、エルスとマグ姉を連れてラエルの街に向かうことにした。ラエルの街では、人を受け入れるための準備が既に終わっており、炊き出しも行われていた。どうやら、僕達が到着した数時間前に、新たな住人が到着していたようだ。僕は、その代表と言う人に会うことにした。会って驚いたのは、その体型だ。ガリガリに痩せて、生気を感じられない。まるで骸のようだ。その男は椅子に座っていたのだが、僕が近付いたため、立ち上がろうとしていたが少し腰を上げては座りこむのを繰り返していた。僕は、座っていていいと言うと、静かに大人しくなった。
「さぞかし苦労したことだろう。まずは、この街でゆっくりと休むが良い。食料もたくさんある。急には食べられないだろうが、体調を戻すのだぞ。ただ、その前に確認したいことがあるが、話を出来るか?」
その男は、コクリと頷いた。最近の状況や農業について、逃走した盗賊について聞くと、ゆっくりと小さな声で答え始めた。一番聞きたかった逃走した盗賊については知らないようだ。男の住む村には、ここ何ヶ月も訪れる者がいなかったらしい。少し落胆はしたが、話を聞くことにした。
その村では、もともと200人程度いたらしい。一人も村から離れることなく協力しあって、生活をしていたみたいだ。最初は、作物を作りなんとか餓えを凌いで行けており、蓄えもそれなりに出来始めた頃、盗賊に襲われ備蓄していた食料は奪われ、畑も荒らされ、立ち行かなくなってしまった。それでも希望を捨てずに、餓えに耐えながら作物を一から作り始めたのだが、どういう訳か、急に作物の出来が悪くなってしまった。そういうこともあるだろうと思い、また作物を作ったが、一向に良くならない。それどころか、出来が悪くなる一方だった。ついに、餓死するものが出だし、もうダメだと諦めかけたときに調査隊が現れたらしい。
飢えがある場所は、どこも悲惨だ。僕は、沈痛な表情を浮かべながら話を聞いていたが、男の体力が持たなくなったのか、話している途中で気絶するように眠り始めた。僕は、その男をベッドに横たえた。僕とエリスとマグ姉で、住民たちを見て回り、怪我人や体力を消耗している者に治療や薬を与えていった。数日かかったが、住民達はみるみる回復をしていき、立つことも困難だった男もすっかりと体調も戻すことが出来た。
「ロッシュ村長。この度は本当に助かりました。村一同を代表してお礼を申し上げます。最初にお会いした時、何を話したかは全く覚えておりませんが、何か聞きたいことがあれば何でもお尋ねください」
僕が気になったのは、作物の出来が悪くなった原因だ。あのときの話を聞く限り、出来が悪くなるようなことはしていないと思ったのだ。男は、考え込んだ様子でしばらく沈黙が続いたが、分かりませんと答えてきた。
「正直に言って、全く分かりません。農業については、数十年とやってまいりましたし、やり方も変えていませんが、作物の出来だけがみるみる悪くなっていったのです。感覚的ですが、大地が痩せていった感じでしょうか。こんなことは今までに一度も経験したことがないのですが」
大地が痩せていくか……この周辺で何か大きな変化が起きているというのだろうか? 僕は、ラエルの街の郊外に出てみることにした。そこには、畑が広がっているので、もしかしたら、その村と同じような症状が起きているのかもしれないと思ったからだ。一人、馬に乗って畑の方に向かっていくと、そこに広がっていたのは、畑ではなく、風が少し吹くだけで砂煙が舞うような土地に変貌していた。前に見たのは、一年前くらいだったはず。この変わり様はおかしい。手を加えていないのだから、草が生い茂ったりするのは分かるが、土質が明らかに変わっている。これは一体どういうことなのだ?
僕は街の中心地に戻り、エリスやマグ姉に郊外で見た来たことを話すと、驚きを隠せないでいた。
「ねぇ、ロッシュ。ちょっと考えたんだけど……前にスタシャさんが言っていたんだけど。この王国の土地は昔、荒涼とした大地が広がっていて人が住むのに適さない土地だったって。王国が出来てからは豊かな土地になったらしいのよ。その昔に戻っているんじゃないかしら?」
突拍子もない考えだと思ったが、たしかにスタシャがそのようなことを言っていたことを思い出した。だとすると、しばらくすれば農業ができなくなるような土地が広がってしまうということではないか。それはつまり村が終わってしまうということ。僕は、冷や汗を感じながら、考え込んでしまった。しかし、考えても何も出てこなかった。とりあえず、スタシャに会って話を聞いてみよう。
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