佐渡島のあやかし(第3話)など 短編集

あさのりんご

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第2話:反転ロボット【短編】

狂った食レポ

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「 きゃぁーーー  助けてくれ! 」 

 会場のほうから、大勢の人達が走って出てくる。

「何かあったにちがいない。逃げよう」
 ポポが、パピーの手を引っ張った。

「止めて!さわらないで。あんたなんて、ダイキライ!」
 おしとやかだったパピーが、さっきまでとは、うってかわって乱暴なもの言いをした。

 ポポは、おどろいて
「き、きらい?! パピーの一番好きな人は、だれ?」

「好きな人はいない。キライナヒトバッカリ」

「はぁ~?じゃぁ……パピーは、もしかして僕のことを嫌いになったの?
さっき、友達以上って、言ってくれたよね」

「キガカワリマシタ。ポポは、一番憎たらしい人です」

「おいおい。子供達の前で、へんな冗談言うなよ。ぜんぜん受けてないし。
 ロビンとノア、それにアンジェラまで、困った顔をしているじゃないか」

パピーは、美しい眉をつり上げた。
「マジで言ってんだよ。あんたは、トンマで、オヒトヨシで、マヌケなオオバカ野郎だ」



  会場から逃げて来たおじさんが言った。
「ロボットが狂ってます。私のロボットは、テーブルの料理をひっくり返して、ゲラゲラ笑っているんです。人にイスを投げつけたロボットも見ました。全てのロボットが暴走しているみたいです。逃げたほうがいいですよ」


 ポポは、おじさんの話しを聞いてパピーに背を向けた。そして、「大変なことになった。車で逃げよう」と子供達に声をかける。みんなは、駐車場ちゅうしゃじょうへ走り出した。ロビンも、おじいさんの乗った車イスを押しながらみんなを追いかけた。



「どこへ、逃げるの?」
助手席に座ったノアが、ハンドルを握りしめているポポに聞いた。

ポポは、頭を抱えて、固まった。

「そうだよな。街の信号機が止まっているかも……ニュースを見よう……」

 ポポは、車に備え付けのテレビのスイッチをいれると、のんきなバラエティー番組だった。チャンネルを変えても、臨時ニュースはやっていない。

 バラエティー番組では、美味しそうなステーキがアップで映し出されて、イケメンのレポーターがそれを、はしでつまんで、ゆっくりと口に運んだ。


 そして、いきなり顔をしかめる。
「わぁぁぁ~!これはまずいス。硬くて噛めません。それに臭いですねぇ~。まるで、何日も洗濯しない靴下みたいな臭いがします。
 ふつうの食レポなら、ここで、『おいしい。やわらかくて、ジューシーです~』とか言いますが、コイツは、ぱさぱさ。食えたもんじゃねぇや」

 イケメンレポーターは、綺麗な顔をゆがめて口から肉をぷっーーと、元の皿に吐き出した。

「お茶下さい!おちゃ!」

 横にいた美人のアシスタントが、あわててテーブル台の上にあったお茶を差し出す。

 それを、がぶがぶ飲み込んだイケメンレポーターは、いきなり、ドバッ と口からお茶を噴き出した。

「ひぇーーあつぅ!」
 
 噴き出したお茶が、カメラまで飛んできたのか、テレビ画面には、水滴や肉の端切れが映っていた。


 
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