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第一章 婚約は致しません!
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しおりを挟むはっ!!!!
え!?
ここどこ!?
手元をじっと見る。
重くて装飾が綺麗な黒いペンを持って、すごい綺麗な紙に金の装飾もされたいかにも高そうな書類に署名しようとしていた。
署名?
私の名前は、サーラ・ディ・サヴィオ。
それを書けばいい。
書けばいい?
書類をみるとぱっと入ってきた婚約の文字。
はっと顔をあげると、目の前にいるのはずんぐりむっくりな、40代くらいの無精髭を生やした清潔感のない男性。
その隣には、煌びやかに飾った、意地の悪そうな女性。男性の母親なのか、ニコニコとこちらを見ている。
もう一度、書類に目を落とすと、婚約に同意する旨が書かれた書類。
わたし、結婚するの……?
こいつと……?
「いやいやいや! 無理! 私イケメンとしか結構したくない!!!」
バンっとテーブルに手をつき立ち上がると、正面の人たちは目を丸くしたあと、顔を般若の形相に変えた。
「なっ……なっ!」
目の前の男性は口をパクパクさせ慄いている。
後ろでクスッと笑う声がしたと思えば、さっと綺麗な白いコートを着た男性が隣に立って、署名しようとした書類を持ち上げた。
「では姫様、この婚約はなしということでよろしいでしょうか?」
金の髪を綺麗にまとめた男性。分けた前髪の間からおでこがのぞき、石鹸のような香りと、ニコッと浮かべる笑顔が綺麗。私より背も高く、とにかくめちゃくちゃイケメン!
ポーッと見惚れる私。
「姫さま?」
「はっ! はい! この婚約はいたしません!」
「承知いたしました。御心のままに」
その金髪イケメンは笑顔を浮かべたまま、ビリビリと書類を破り捨てた。
「では、アーレンド卿、ナルド夫人、おかえりを」
今度は正面の奥のドアの前で控えていた、体格のいい男性がテーブルに歩み寄ってきた。
赤髪の短髪に、意思の強そうな目、大きな体、特に胸筋がすごい。落ち着いた声だが、見た目は20代。腰に剣を携え、大きな手で促す。
騎士なのか、黒いコートの胸には褒章がたくさんついていた。
こちらもタイプは違うがすごくイケメンなのでは。
婚約相手だった2人は文句を言っているが、騎士の力には敵わず、結局追い出されるふたり。
「お二人をお送りしろ」
赤髪の騎士さんは、外に控えていた別の騎士たちにそう命じて、パタンとドアを閉めた。
はぁっとため息をついた。
「姫様。信じておりましたぞ。考えを改めていただき誠に嬉しゅうございます」
40代ぐらいのイケおじが登場。それに頷く周り。
イケメンがたくさん……??
っていうかここどこ。
何でこんな状況に??
ぐるっと見渡すと、豪華な白い部屋。壁や柱の装飾がすごい。
床は大理石だろうか?
大きな窓からは優しい日差しが差し込んでいる。
「それにしても、姫様がイケメン好きとは知りませんでした。早くおっしゃっていただければいいものを」
イケおじがほのほのと言った。
細身のイケメンおじさんは、片目に眼鏡をかけ、優しい笑みを浮かべている。
この人にみんな敬意を払っているところをみると、1番偉いのかな?
……ん?
……姫?
「ひめ!?」
「いかがされましたか? 姫様はこの国唯一の王族となる、姫様にございますぞ。先程の方とご婚約されれば、かのものが、国王となられるところでございました」
はっはっはと笑うイケおじ。
……あら、ちょっとめまいが。
姫って、唯一の王族って、え?この前まで私は日本でキャリアウーマンやってた。バリバリ仕事してた。
そう、仕事して……死んだのか。
んふふふふふ……
バタン。
「姫様!」
次に目が覚めた時、
私はふかふかの天蓋付きベッドの上だった。
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