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発展

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ゴブリン側の平原も結構広くして、川の向こうに森林エリアを選んで作り出す。特にオプション付けなきゃ安いし広くしとこうかな? そして今回の主役、黒エルフを5人召喚。
 5人は私を見るとすぐにひざまづく。

 「マスター。なんでもご命令ください」

 わ~言葉話せる! すごい! 
 ってそうじゃない。そんなかしこまらなくても大丈夫だよ。私の方がなんか罪悪感かんじるよ~。

 「立って立って。私のダンジョンはそんな厳しい所じゃないよ」
 「マスターがそう言うのでしたら分かりました。それで私達自慢の弓の相手はどんな冒険者でしょうか」

 「えーっと……この森で交易用の動物とか? 後は木の実とか……詳しいのはこのキングから聞いて!」
 「えっ私ですか!?」

 だんだん落ち込んでいく目に耐えられずに私はキングに説明を押し付けた。ごめん生贄になって!

 キングのメンタルと交換で、ダンジョンの重要任務と分かってくれた黒エルフ達は元気よく森に入っていった。木から木へと乗り移ってあっという間にどっかへ消えてく。さすがエルフ。

 細かい事はキングの指示を聞いてってお願いしたら少し嫌そうな顔してたけど……少しプライドが高いのかな? いいや。最初は慣れないだけだよね。

 戻ってゴブリン村の方。家は全世帯分そろってきて、とりあえず最初の何も無い状況からだいぶ発展してきた。村の中心にある倉庫は2階建てになって、隣に大きなキングの家も建てられてる。

 とはいえ村役場のように使われてるから、実際にキングが住める所はそんな多く無いんだけどね。
 役場には村にある木材やら色んな資源の量とか、次に建てる建物を何にするかとかが刻まれた板とかが置かれてる。今度町まで行って紙買ってきてあげよ。

 「最近忙しくてキングと話すだけだったけど、気づかないうちに村っぽくなってきたね」
 「マスターが最初に基礎を整えたとはいえ、私もゴブリンがここまで自分たちで発展できるとは驚きました。キングが優秀で良かったですね」

 そう言うとエリーはキングと話に行っちゃった。私は出来たばかりの鍛冶屋も見に行こうっと。とは言ってもダンジョンバトル用の木の防具を作る仕事を優先してもらったから、まだ動き始めたばかりなんだけどね。

 メイス達を発見したけど何かすごく集中してる。声かけるのは今度にしよ。今の所武器とかもいらないし、釘とかの道具とかを作ってもらってる所だね。

 これでもっと頑丈で良い建物が自力で建てられるはずだ。今までは一部施設のみポイントで道具を出して、家は原始時代もかくやって感じ。このポイント額がバカにならないんだよ。
 スミス達はまさに縁の下の力持ちだから差し入れでも入れて退散しよ……。

 どんどん村が発展していくのは嬉しいけど、私の仕事がどんどん減ってお母さん悲しいよ。14歳だけど。
 楽になるのは良い事だよね。そもそも私は村長じゃなくてダンジョンマスターだし。

 「マスター。魚を採りすぎてあまり取れなくなってきました」
 「ダンジョンの川は一定量が湧いてくるはずだけど足りなくなっちゃったかぁ。分かった。少し待ってて」

 ほらまだまだ忙しいんだから、あんな事考えてる場合じゃないよね。いつかは本当に私無しで回るようになるのを目指そうかな?

 さて魚かぁ……。このまま川を太くしてもいいけど……ブラックリ村とかの人たちもそんな毎日魚の干物ばかり食べてるわけじゃないだろうし、食べ物なら何でも買ってくれる今のうちにお客さん達が気に入る食べ物でも探してみようかな。

 「エリー。ダンジョン内で全然違うエリアを隣に作るとどうなるの?」
 「多少は影響を受けますね。例えば南国エリアと雪山エリアを隣に作ると、全部とは言いませんが雪が7割溶けたり果物が育たなくなります」

 「うーん。それじゃあ遠くの国の食べ物とかは難しいか……」
 「えぇ。そもそも近くに無いエリアは希少なほど高くなってしまいますよ。例えば海エリアはマスター画面で平原よりも高く表示されているでしょう? 実際はもう少し差が無いはずなんです」

 えぇ!? 気づかなかった。イエナちゃんとかに聞いておくべきだったよ。ダンジョン意外と厳しい……。
 そういえばこの国ってミートパイが結構有名だよね。特にこの辺は豚の。

 チラッとモンスター召喚画面のオークが目に入る。普通の豚よりお肉の量の割にポイント安いよね……はっ私は何を。
 心の悪魔を変わり果てた姿にして、大人しく平原エリアをさらに増やした私はキングに養豚を頼むことにした。

 「豚を育てようと思うんだけど出来そう?」
 「もちろんです。ホブゴブリンならそれくらいは出来ます」

 キングは勢いよくそう言ってスキップしながら村に帰っていった。魚以外が食べれるって呟いたのは聞こえたからね。

 何はともあれ次の交易でポイントが入ったら即養豚が出来るように今から急いで厩舎とか柵とかを建ててくれる事が決まった。
 
 いつの間にかフロアゼロは結構な広さになってきた。黒エルフも増えて村1つ分の森林、そして村どころか町が1つまるまる入るくらいの平原エリア。

 ほとんどは狩猟用の何も無い所だけどね。だんだんゼロフロアはもう1つの世界っていう感じまで成長してきた。そのうち国とか出来たりして。この調子で頑張ろうっと。
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