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新世界
因縁の地
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「こんな依頼を見つけてね。ボクが受けてきたんだけどさ。メイと君達も一緒に来ないかい?」
その依頼の内容は……ダンジョンの攻略?
ふーん。推奨ランクは……不明? どういう事? ちゃんとダンジョンの調査をしてよ。
「ありがとうございます。でも突然どうしたんですか?」
いつもは依頼の紹介なんてしないよね? それが急にこんな怪しい依頼を。
「これも見て。これがダンジョンの位置が書かれた地図だ。ギルドの冒険者が書いたやつだから、そこまで正確じゃないけどね」
うーん。特に変な所もないと思うけど……。
するとリリアちゃんとメイちゃんが覗き込んできた。
「あっ。見てください。この地図の右下の方に、前にスタンピードから守った村がありますよ」
リリアちゃんが指さした方を見た。ほんとだ。
懐かしいなぁ。村のみんなは元気にしてるかな?
「その通りだよリリアちゃん。このダンジョンはあの時のスタンピードの原因になったと考えられている」
えー!? くそぉ。こいつのせいか……。
「スタンピードはめったに起こらない現象だ。だけど一度スタンピードを起こしたダンジョンはいつか再び起こす可能性が高い。このダンジョンはこの国の首都の、この街にも近いだろ? それでギルドが大慌てで依頼を出したわけだ」
なるほど。それで調査もしないで依頼を。
「こんな怪しい依頼を受ける冒険者も少ないから報酬も高い。それに、あの時のダンジョンと思うと3人も関係があると思ってね。一緒に来るかい? もちろん危なかったら、すぐに帰ろう。SSランクの僕が危険だといえば、ギルドも信じてくれるさ」
それならもちろん行きたい。なんでこのダンジョンがスタンピードを起こしたのか。なんであの村が襲われなきゃいけなかったのか。
それを知りたい。
イカヅチさんがついてるなら安心だしね。
「じゃあ俺は3日経って、帰ってこなかったギルドに連絡して助けにいくからな。4人とも気をつけろよ。」
アベルさんもそう言ってくれてるし。
「行かせてください。お願いします!」
ぽつん。ぽつん。壁から水がしたたってる。今はダンジョンの入り口で最後の準備をしている所だ。
ダンジョンは真っ暗。うわぁ怖い。前の遺跡探索みたい。
「お父さんもいるなら安心ね。本当に冒険って感じがしてワクワクするわ!」
「油断はしちゃだめですけど、楽しみですね。ドルちゃんの仲間とかがいるかもしれません」
なんで2人はそんなに楽しそうなんだ。私は早くも後悔してるんだけど。ダンジョンってもう少し明るいって聞いてたんだけど。こういうのが多いなら、教会から聖水とか十字架かっとこうかなぁ。
「ミズキー。ボクは最近、暗い所を照らす魔法を覚えたから大丈夫だよ」
「ドーラ! いや……ドーラ様!」
「ふふん。もっと褒めてもいいんだよ?」
「神! 最高! かっこいい!」
そんなバカなやりとりをしてると準備を終えたイカヅチさんがやってきた。
「さぁ3人とも準備は出来たかな? それじゃあ出発だ。危ないから僕が先頭で行くよ」
そうして4人でダンジョンに入った。イカヅチさんが言ってた通り、スタンピードの直後で魔物の数は少ない。これだったら意外と奥まで行けたりして。そしたらダンジョンコアをぶっ壊して、二度と動かないようにしてやる。
「ギギィ!」
たまに魔物が出てもコボルトとかばかり。ワンコロやドーラの敵じゃ無かった。そして弱い魔物は私たちに任せつつ、何かあったら助けられるように見守るイカヅチさん。さすが13児のパパ。
ちなみにテイマーの索敵能力で魔物の位置から大体の道はわかる。この能力、地味に便利すぎる。これからダンジョンで稼ごうかな……。もちろん怖くないとこで。後でリリアちゃんに話してみよう。
「そういえば旅行はどこに行くか、まだ決まってなかったわね」
「そういえばそうでしたね。この国は観光名所が多すぎて迷います」
そんな話をするほどのんびりした雰囲気が流れていた私達だったけど、しばらくすると大きな扉が見えてきた。なにこれ?
「さぁ3人とも。ここからは少し緊張感を持ってね。ボス部屋だ」
これが……。相変わらずイカヅチさんは出来るだけ私達に任せる方針みたい。初めてのボス部屋は緊張するけど頑張らなきゃ。討伐報酬のために!
その依頼の内容は……ダンジョンの攻略?
ふーん。推奨ランクは……不明? どういう事? ちゃんとダンジョンの調査をしてよ。
「ありがとうございます。でも突然どうしたんですか?」
いつもは依頼の紹介なんてしないよね? それが急にこんな怪しい依頼を。
「これも見て。これがダンジョンの位置が書かれた地図だ。ギルドの冒険者が書いたやつだから、そこまで正確じゃないけどね」
うーん。特に変な所もないと思うけど……。
するとリリアちゃんとメイちゃんが覗き込んできた。
「あっ。見てください。この地図の右下の方に、前にスタンピードから守った村がありますよ」
リリアちゃんが指さした方を見た。ほんとだ。
懐かしいなぁ。村のみんなは元気にしてるかな?
「その通りだよリリアちゃん。このダンジョンはあの時のスタンピードの原因になったと考えられている」
えー!? くそぉ。こいつのせいか……。
「スタンピードはめったに起こらない現象だ。だけど一度スタンピードを起こしたダンジョンはいつか再び起こす可能性が高い。このダンジョンはこの国の首都の、この街にも近いだろ? それでギルドが大慌てで依頼を出したわけだ」
なるほど。それで調査もしないで依頼を。
「こんな怪しい依頼を受ける冒険者も少ないから報酬も高い。それに、あの時のダンジョンと思うと3人も関係があると思ってね。一緒に来るかい? もちろん危なかったら、すぐに帰ろう。SSランクの僕が危険だといえば、ギルドも信じてくれるさ」
それならもちろん行きたい。なんでこのダンジョンがスタンピードを起こしたのか。なんであの村が襲われなきゃいけなかったのか。
それを知りたい。
イカヅチさんがついてるなら安心だしね。
「じゃあ俺は3日経って、帰ってこなかったギルドに連絡して助けにいくからな。4人とも気をつけろよ。」
アベルさんもそう言ってくれてるし。
「行かせてください。お願いします!」
ぽつん。ぽつん。壁から水がしたたってる。今はダンジョンの入り口で最後の準備をしている所だ。
ダンジョンは真っ暗。うわぁ怖い。前の遺跡探索みたい。
「お父さんもいるなら安心ね。本当に冒険って感じがしてワクワクするわ!」
「油断はしちゃだめですけど、楽しみですね。ドルちゃんの仲間とかがいるかもしれません」
なんで2人はそんなに楽しそうなんだ。私は早くも後悔してるんだけど。ダンジョンってもう少し明るいって聞いてたんだけど。こういうのが多いなら、教会から聖水とか十字架かっとこうかなぁ。
「ミズキー。ボクは最近、暗い所を照らす魔法を覚えたから大丈夫だよ」
「ドーラ! いや……ドーラ様!」
「ふふん。もっと褒めてもいいんだよ?」
「神! 最高! かっこいい!」
そんなバカなやりとりをしてると準備を終えたイカヅチさんがやってきた。
「さぁ3人とも準備は出来たかな? それじゃあ出発だ。危ないから僕が先頭で行くよ」
そうして4人でダンジョンに入った。イカヅチさんが言ってた通り、スタンピードの直後で魔物の数は少ない。これだったら意外と奥まで行けたりして。そしたらダンジョンコアをぶっ壊して、二度と動かないようにしてやる。
「ギギィ!」
たまに魔物が出てもコボルトとかばかり。ワンコロやドーラの敵じゃ無かった。そして弱い魔物は私たちに任せつつ、何かあったら助けられるように見守るイカヅチさん。さすが13児のパパ。
ちなみにテイマーの索敵能力で魔物の位置から大体の道はわかる。この能力、地味に便利すぎる。これからダンジョンで稼ごうかな……。もちろん怖くないとこで。後でリリアちゃんに話してみよう。
「そういえば旅行はどこに行くか、まだ決まってなかったわね」
「そういえばそうでしたね。この国は観光名所が多すぎて迷います」
そんな話をするほどのんびりした雰囲気が流れていた私達だったけど、しばらくすると大きな扉が見えてきた。なにこれ?
「さぁ3人とも。ここからは少し緊張感を持ってね。ボス部屋だ」
これが……。相変わらずイカヅチさんは出来るだけ私達に任せる方針みたい。初めてのボス部屋は緊張するけど頑張らなきゃ。討伐報酬のために!
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