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8章 冬市と流行り病
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しおりを挟む――結論として、私。
悪いのもやらかしたのも私。
……説明されちゃえば、なんで『心当たりなんか全然ないのに……』とかいえたのか不思議になっちゃう程度には、私の責任において私がやらかしていた。
「……渡したんだな?」
「……はい」
「ダリア……」
「すみません……」
咎められるようなブルーノさんの声にひたすら体をを小さく縮める。
――渡したのはポーション。
……あの女の子に渡した後も、私は冬市で見つけてしまった病気にかかっている人や、その家族がポーションを探しているのを見かけると……割と高い確率で交換を持ちかけていた。
だって、歩き回ってるのが不思議なくらいの顔色で薬草探したり、1金で買ってくれとか持ちかけてる人や……熱で赤くなった顔の子供抱っこしてる親とか、寄りかかり合うように歩いてるまだ大人になりきれてない兄弟とか見ちゃうとさぁ……
たった1本のポーションがあったら治るはずの――失わなくていいはずの命だと思ったら……見て見ぬ振りが出来なかった。
――一応全員に口止めはしたんだけど、やっぱり人の目ってのはどこにでもあったようで、この冬市ではとあるウワサが流れ始めているらしい。
曰く、今にも死にそうだった病人が、それもポーションなんか買えそうにもない貧乏な者たちがある日急に健康になった。
それも1度や2度ではなく……
そういえば――その者たちに親切に声をかけているパン屋の少女がいたよなぁ……と。
そのウワサはボスの耳に届き、その話の少女の人相と、珍しいパンを売る店の子供という情報を照らし合わせ、それは私じゃないかと当たりを付け見張らせ――……何も知らない能天気な私はその見張りに気がつきもせずにポーションを渡して……――今日この話し合いとなったそうだ。
……こんないたいけな子供相手に見張りとか。 せめて見て見ぬ振りしてくれればよかったのに……
私がそう、恨みがましい視線をボスに向けるとの、ボスが口を開くのは同時だった。
「ーー今回は警告と……提案だ」
「提案、とは?」
ボスの言葉にブルーノさんが警戒するようにたずね返す。
「まぁ聞けよ。 ……言っただろ。 ウワサが出回ってるってよ。 ――探し始めたタチの悪いのがいんだよ」
その言葉ににヒュッと息を飲む。
え、そんなウワサ一つで⁉︎ 本当に居るかどうかも分かんないのに⁉︎
「ここは俺らのシマだ。 そんなゴタゴタはこっちだってゴメンだ。 ……だから守ってやったっていい――もちろんこの冬市の中だけの話だがな?」
その話を聞いてブルーノさんは唸るように声を漏らしながら、面倒くさそうにガシガシと頭をかくと「それで?」と乱暴にたずねた。
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