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9章 雪解けと弟たちと新店舗
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「……それが来週?」
「さあな? 日にちなんざ決まってねぇ。 大体の場合、冬市の終わりは商人たちに奥に奥に追いやられて、最後にゃスペースが無くなって終了――もしくは奥に追いやられすぎて、やってられっか! ってスッパリ終わらせるか、だな」
「……商業ギルドの人たちに、どんどん場所を譲らなきゃいけない感じ?」
「ああ。 ……所詮俺たちは商業ギルドに目こぼししてもらってるだけの存在だ。 ――今年は人が多い、今週いっぱいはまだやれると思ってるが来週になるな……――そこの嬢ちゃんらみてぇに、雪解けを待ってこの街を出ようとしてる奴らは大勢いる。 動き始めたらあっという間……なんじゃねぇか?」
「人が動けば雪が消える……?」
「そう言うこった。 だが、それも例年なら、の話だ。 流行病にポーションに軟膏……人がどう動くのかなんて俺には予測不能だ。 ――そういや、軟膏は薬扱いじゃねぇんだよな?」
「――ってことになりました」
商業ギルドが頑張ってそうなったって聞いてる。 あとは薬師ギルドも、下手な薬師が作ったポーションより効果がある、誰でも作れちゃう市販薬を認めたくなかったみたい。
エルベルトさん曰く、作り方を無償で提供したのも、薬師ギルドが口出しをしなかった要因の一つだったらしい。
薬師ギルドは、たった一つの前例でも、ギルド員がレシピの無料公開を行ったという事実を認めたくなかったんじゃないか――とのこと。
――こちらとしては、波風立てずにマチルダたちや他の孤児たちに作り方を教えられればそれで大満足だし。
「つまりは――……俺が個人的に仕入れようと思ったら、お前が用意してくれるってことでいいんだよな?」
ボスに圧強めの笑顔でたずねられ、思わず頷きそうになってしまうが、グッと我慢して愛想笑いを浮かべた。
「エルベルトさんかブルーノさんと相談させてもらってもよろしいですか?」
「……ま、そうなるよなー? ――交渉はこっちでやる。 話がまとまったら兵士から事情を聞いてくれ」
「了解です」
私が頷くのを確認すると、ボスはテントの奥に引っ込み、私も店の準備に取り掛かる。
そっか……春になったら冬市もなくなっちゃうのか。
――今日は手伝いがたくさん! とか言って張り切っちゃったかも……最後かもしれない冬市、ちゃんと堪能して帰りたいなー。
そう考えながらもたくさんの商品をテーブルに並べる。 そして後から後から出てくる商品の数々にため息が漏れる。
「……どうかした?」
隣で作業をしていたウィリムが少し戸惑ったようにたずねる。
「さあな? 日にちなんざ決まってねぇ。 大体の場合、冬市の終わりは商人たちに奥に奥に追いやられて、最後にゃスペースが無くなって終了――もしくは奥に追いやられすぎて、やってられっか! ってスッパリ終わらせるか、だな」
「……商業ギルドの人たちに、どんどん場所を譲らなきゃいけない感じ?」
「ああ。 ……所詮俺たちは商業ギルドに目こぼししてもらってるだけの存在だ。 ――今年は人が多い、今週いっぱいはまだやれると思ってるが来週になるな……――そこの嬢ちゃんらみてぇに、雪解けを待ってこの街を出ようとしてる奴らは大勢いる。 動き始めたらあっという間……なんじゃねぇか?」
「人が動けば雪が消える……?」
「そう言うこった。 だが、それも例年なら、の話だ。 流行病にポーションに軟膏……人がどう動くのかなんて俺には予測不能だ。 ――そういや、軟膏は薬扱いじゃねぇんだよな?」
「――ってことになりました」
商業ギルドが頑張ってそうなったって聞いてる。 あとは薬師ギルドも、下手な薬師が作ったポーションより効果がある、誰でも作れちゃう市販薬を認めたくなかったみたい。
エルベルトさん曰く、作り方を無償で提供したのも、薬師ギルドが口出しをしなかった要因の一つだったらしい。
薬師ギルドは、たった一つの前例でも、ギルド員がレシピの無料公開を行ったという事実を認めたくなかったんじゃないか――とのこと。
――こちらとしては、波風立てずにマチルダたちや他の孤児たちに作り方を教えられればそれで大満足だし。
「つまりは――……俺が個人的に仕入れようと思ったら、お前が用意してくれるってことでいいんだよな?」
ボスに圧強めの笑顔でたずねられ、思わず頷きそうになってしまうが、グッと我慢して愛想笑いを浮かべた。
「エルベルトさんかブルーノさんと相談させてもらってもよろしいですか?」
「……ま、そうなるよなー? ――交渉はこっちでやる。 話がまとまったら兵士から事情を聞いてくれ」
「了解です」
私が頷くのを確認すると、ボスはテントの奥に引っ込み、私も店の準備に取り掛かる。
そっか……春になったら冬市もなくなっちゃうのか。
――今日は手伝いがたくさん! とか言って張り切っちゃったかも……最後かもしれない冬市、ちゃんと堪能して帰りたいなー。
そう考えながらもたくさんの商品をテーブルに並べる。 そして後から後から出てくる商品の数々にため息が漏れる。
「……どうかした?」
隣で作業をしていたウィリムが少し戸惑ったようにたずねる。
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