【完結】成り上がり令嬢暴走日記!

笹乃笹世

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「――どなたかネジの話をしませんこと?」

 昼休憩中、一緒に教室で購買部で買ったパンを食べていたレジアンナが、面白くなさそうに顔をしかめながら言った。

 いつもは学園内に併設されたレストランやカフェで昼食を取るレジアンナだったのだが、リアーヌたちから「カフェや食堂のパンも美味しいけど、購買部の惣菜パンも負けていない」と言われ、好奇心から本日の昼食は教室で購買部のパンを食べることになっていた。
 初めて購買部に行くということや、初めてという行為を経験したレジアンナはいつになく上機嫌で、美味しそうにコロッケパンを頬張っていたのだが……
 今日も元気に教養学科へ現れ、ゼクスにちょっかいをかけるユリアの姿にその機嫌は一気にドン底まで落下してしまったようだった。

「逆にイライラが募るだけなんじゃ……?」

 リアーヌもお気に入りの照り焼き卵パンを口に運びながら、小さく首を傾げた。

「ーーリアーヌはいいわよね! ボスハウト家は明確に旗色を決めたんですものっ!」
「まごうことなき、ネジの話ですわね?」
「色々な旗印のネジがございますものね?」

 レジアンナに付き合いながら購買部でパンを買ったご友人たちは、頷き合いながらレジアンナの言葉に相槌を打ってその主語を隠す。

(……フォローもだんだんおざなりになってきたな……ーー原因はハッキリしてるけどー)

 リアーヌはそう考えながらもしゃりとパンを一口齧った。

(マジでユリアって子、誰狙いのなに目的なのかと……)

 そこまで情報収集能力に長けているわけではないリアーヌの耳にも、ユリアの情報は頻繁に飛び込んできていた。

(今年入学の、弟属性眼鏡キャラ、アロイス君とのつかなりが無いから、その子だけは詳しいウワサが入ってこないけど……それ以外の攻略対象には片っ端から声をかけまくってるんだよねぇ……第二保健所でも騒ぎを起こしてミヒャエリス先生に迷惑をかけたらしいしっ! ……つまりは追加キャラたちにも次々と声をかけ、交流を持ってるんだと思う……ーーただ、やっぱりユリアの本名はレオンかゼクスなんだよなぁ……)

 パンをゴクリと飲み込みながら、リアーヌはそっとため息をついた。

(最初の会話から数日後、ボスハウト家もラッフィナート家もフォルステル家に、ユリアに対する苦情を正式に入れたけど……それでも毎日毎日ゼクスに話しかけてるし……そしてレオンにも絡みに行ってるって話だしーーま、ゼクスのほうは護衛さんたちがシャットアウトしてるから前みたいに呼び出されることもないけど……レオンは一年生で護衛なしだからなぁ……最近はフィリップが連れ出してるって話だけど、ことごとく見つかってるらしいし……――恐るべしお助けキャラ)
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