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(フィリップの恩は分かる。 きっとレジアンナとのことだと思う。 ……え、レオンの恩ってなに? 会話の流れからいったら絶対に私に対しての恩なわけだけど……)
戸惑うように首をかすかに傾けたリアーヌに、ゼクスは助け舟を出すかのように口を開く。
「恩……そういえばこの学園に入学してレオン様とクラリーチェ様の仲がずいぶんと深まったとか……? ――もスクラップブックのおかげらしい、と言うウワサを聞いたんですが、それが事実ということでしょうか?」
フィリップに問いかけるかのように、リアーヌに聞かせる言葉を紡ぐゼクス。
「その話は私も聞いているよ」というフィリップの言葉を聴きながら、リアーヌは、(ああ……あの流行きっかけで仲良くなったんだ)と、納得していた。
が、続けられたゼクスの言葉にリアーヌの瞳は、パチクリと丸くなった。
「だってさ、良かったねリアーヌ? あの時、エミーリエ嬢の相談に親身になって答えたからこそ、だね?」
「……エミーリエ様?」
クラリーチェと行動を共にしている女生徒の名前を急に出されて、目を瞬かせるリアーヌに、ゼクスはクスクスと笑いながら事情を説明していく。
「ほら、レジアンナ嬢やお友達を招いたお茶会でどなた様かの相談に乗ってあげたっていってただろ?」
(……それがスクラップブックの話しで――どなた様か……? そうだ確か、エミーリエ様の話だと思ってたら違う人の話で……――エミーリエ様はずっとクラリーチェ様のそばにいる人で……ということは……?)
「良かったねぇ?」
「……そう、ですね?」
ニコニコと笑いかけてくるゼクスに曖昧に頷きながら、リアーヌは自分の頬が引きつっていくのを抑えることができなかった。
(ーーあんな時から無自覚のシナリオ破壊っ! ……でも無自覚だったし? もうやっちゃってるし⁇ わざとじゃないんだからしょうがないっていうか……ーー別に私法律に違反もしてなければ人の道に反することもしていないわけで……――ユリアが成り代わり系のかただっだとして、これがバレたら……私、確実に刺されるんだろうな……)
そこまで考えを巡らせたリアーヌは、少しの後悔と共に大きなため息を吐き出した。
「……ああ、そうだよねぇ? あんなに一生懸命考えたのに、その相手がそんな仕打ちしてきたんだもんねぇ⁇」
ゼクスはリアーヌの思考など、ほとんど理解していなかったが、ガッカリしているかのようなその態度を大いに利用してフィリップを口撃する。
今回の一件は、どうあろうとも表沙汰になど出来ない。
であるならば、ここで少しでも溜飲を下げておきたかったようだ。
戸惑うように首をかすかに傾けたリアーヌに、ゼクスは助け舟を出すかのように口を開く。
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フィリップに問いかけるかのように、リアーヌに聞かせる言葉を紡ぐゼクス。
「その話は私も聞いているよ」というフィリップの言葉を聴きながら、リアーヌは、(ああ……あの流行きっかけで仲良くなったんだ)と、納得していた。
が、続けられたゼクスの言葉にリアーヌの瞳は、パチクリと丸くなった。
「だってさ、良かったねリアーヌ? あの時、エミーリエ嬢の相談に親身になって答えたからこそ、だね?」
「……エミーリエ様?」
クラリーチェと行動を共にしている女生徒の名前を急に出されて、目を瞬かせるリアーヌに、ゼクスはクスクスと笑いながら事情を説明していく。
「ほら、レジアンナ嬢やお友達を招いたお茶会でどなた様かの相談に乗ってあげたっていってただろ?」
(……それがスクラップブックの話しで――どなた様か……? そうだ確か、エミーリエ様の話だと思ってたら違う人の話で……――エミーリエ様はずっとクラリーチェ様のそばにいる人で……ということは……?)
「良かったねぇ?」
「……そう、ですね?」
ニコニコと笑いかけてくるゼクスに曖昧に頷きながら、リアーヌは自分の頬が引きつっていくのを抑えることができなかった。
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