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困惑顔のゼクスを置き去りに、リアーヌはグッと手を握り締めて、この出会いに感謝していた。
(――私温泉大好き! ……行った記憶とかはあんまり無いけど、ネットでよく調べていた記憶はある。 ――この世界、美容品が本当に少ないんだ……どうしてそんなところを中世レベルにしたんだか知らないけど、元の世界に比べたら皆無と言っても過言じゃ無いくらいには無い。 うちにはパールパックがあるからまだマシなほうだけど、そこに温泉が加われば我が家の美容事情は格段に上昇する!)
鼻息も荒く一人ほくそ笑んでいると、そんなリアーヌにカチヤがそっと声をかけてきた。
「ーーその……お嬢様?」
「なんですしょう?」
「ーー実際に匂いを嗅いでから決めてもよろしいのでは?」
「そうですわね! その……臭いがありますとお茶やお料理には不向きですし……」
カチヤに続きコリアンナも言いにくそうにリアーヌに伝える。
「えっ飲んだりしませんよ! もったいない」
「もったいない……?」
(……あれ? 飲んで体に良い温泉もあるんだっけ? ――いやでも私、健康になりたいわけじゃないし……――だって温泉宿の女将さんって、七十歳なのに肌年齢は驚異の二十代! とかテレビでやってたの見たし! 滑らかな土とかと混ぜたらパックにだってなっちゃうかも⁉︎)
急に現れたスパというギフトの存在に大興奮のリアーヌは、周りの人間たちの戸惑いに全く気がついていなかった。
「……飲むわけじゃない?」
戸惑いがちに問いかけてきたゼクスに、リアーヌも(なんで温泉が飲み物だって思ってるんだろう?)と首を傾げながら返事を返す。
「? はい」
「でも欲しい……?」
「はい! 私きれいになりますねっ!」
「えーと、頑張れ……!」
「はいっ!」
上機嫌でニコニコとしているリアーヌのすぐそばでは、困惑したカチヤたちとゼクスが視線と少しの仕草だけで会話を繰り広げていた。
『無責任なことを……!』
『俺には止められませんよ⁉︎』
『頼りにならない……!』
そんな会話を終え、大きく深呼吸したカチヤはリアーヌの側に跪き、ジッとその瞳を見ながら改めてたずねた。
「ーーお嬢様、本当に欲しいのですね?」
「はい! 絶対欲しいです。 私にはスパが必要です!」
ここで反対されるわけにはいかないと必死に言い募るリアーヌ。
そんなリアーヌの答えに、カチヤはもう一度大きく息をつくと、腹を決めたように頷いた。
「ーーかしこまりました」
「カチヤ⁉︎」
その答えに、コリアンナは咎めるようにカチヤの名前を呼ぶ。
「これで良いの」
「でも……」
「お嬢様がお望みなのよ?」
(――私温泉大好き! ……行った記憶とかはあんまり無いけど、ネットでよく調べていた記憶はある。 ――この世界、美容品が本当に少ないんだ……どうしてそんなところを中世レベルにしたんだか知らないけど、元の世界に比べたら皆無と言っても過言じゃ無いくらいには無い。 うちにはパールパックがあるからまだマシなほうだけど、そこに温泉が加われば我が家の美容事情は格段に上昇する!)
鼻息も荒く一人ほくそ笑んでいると、そんなリアーヌにカチヤがそっと声をかけてきた。
「ーーその……お嬢様?」
「なんですしょう?」
「ーー実際に匂いを嗅いでから決めてもよろしいのでは?」
「そうですわね! その……臭いがありますとお茶やお料理には不向きですし……」
カチヤに続きコリアンナも言いにくそうにリアーヌに伝える。
「えっ飲んだりしませんよ! もったいない」
「もったいない……?」
(……あれ? 飲んで体に良い温泉もあるんだっけ? ――いやでも私、健康になりたいわけじゃないし……――だって温泉宿の女将さんって、七十歳なのに肌年齢は驚異の二十代! とかテレビでやってたの見たし! 滑らかな土とかと混ぜたらパックにだってなっちゃうかも⁉︎)
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「……飲むわけじゃない?」
戸惑いがちに問いかけてきたゼクスに、リアーヌも(なんで温泉が飲み物だって思ってるんだろう?)と首を傾げながら返事を返す。
「? はい」
「でも欲しい……?」
「はい! 私きれいになりますねっ!」
「えーと、頑張れ……!」
「はいっ!」
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『無責任なことを……!』
『俺には止められませんよ⁉︎』
『頼りにならない……!』
そんな会話を終え、大きく深呼吸したカチヤはリアーヌの側に跪き、ジッとその瞳を見ながら改めてたずねた。
「ーーお嬢様、本当に欲しいのですね?」
「はい! 絶対欲しいです。 私にはスパが必要です!」
ここで反対されるわけにはいかないと必死に言い募るリアーヌ。
そんなリアーヌの答えに、カチヤはもう一度大きく息をつくと、腹を決めたように頷いた。
「ーーかしこまりました」
「カチヤ⁉︎」
その答えに、コリアンナは咎めるようにカチヤの名前を呼ぶ。
「これで良いの」
「でも……」
「お嬢様がお望みなのよ?」
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