698 / 1,038
698
しおりを挟む
カチヤの隣に進み出て、同じように軽く頭を下げながら口を開く。
「不可能であると断言いたします。 仮に現王妃様がお力添えをなさっていたとしても……あの方には、そこまでの使用人を動かす権限は無いかと……ーーで、あるならば当家に対抗する手段はございません」
コリアンナは言外に、現王妃に王家に使える者たちを動かす権限を有していないことを暴露していた。
ーー現王妃の実家は、代々数多くの優秀な役人や大臣などを輩出する侯爵家だったが、王家の血が流れている家では無かった。
ーー厳密に言うならば何代か遡れば王家の姫君たちが降嫁しているのだが、それはあくまでも“降嫁”であって、王族の血筋とは見做されないーーしかも、その降嫁すらここ何代も無いとなれば、その血筋に頭を下げる一族としては、使えるまでも無いが守らなくてはいけない王族の一人だった。
「これは私たちの考えにすぎないので、真実とは異なってしまうかもしれませんがーーウワサや情報としてもたらされたものではなく、レーレン家の娘が自らそう思い込むように誘導されたのでは無いかと……」
コリアンナがそう話終えると、カチヤ共々大きく一礼をして一歩下がり、元の位置に収まった。
「……つまり?」
今まで黙って話を聞いていたザームだったが、話について行けなくなったのか、ガシガシと首の後ろあたりをかきながらリアーヌに疑問の声を投げつけた。
「えーと……フォルステル家の情報は筒抜け。 ベッティ・レーレンは誰かに騙されて姉ちゃんに暴言を吐いた」
「ふーん……ーーけどそのベッティも敵だろ?」
「多分……?」
リアーヌはそう答えながらも、正解を求めるようにカチヤたちやゼクスに視線を向けた。
「……その認識であってはいるけどーー騙した相手がユリアなんだとしたら……ベッティは向こうにとっての捨て駒、かな……?」
「えっ⁉︎」
アゴに手を当て思案しているゼクスの口から漏れた言葉に、リアーヌは戸惑いの声を上げた。
(いやいやいや! それは無いって! だってあの子お助けキャラだよ⁉︎ 主人公の親友だよ⁉︎)
リアーヌが否定の言葉を口にするよりも先に再びカチヤが一歩進み出て話し始めた。
「そこまで考えているかまでは……しかし、レーレン家の娘はかの方の教養学科への訪問について、多々苦言を呈していると聞き及んでおります。 ……かの方からすれば煩わしい存在なのでは無いでしょうか?」
そう言い終わると、カチヤは再び元の位置へと戻る。
「不可能であると断言いたします。 仮に現王妃様がお力添えをなさっていたとしても……あの方には、そこまでの使用人を動かす権限は無いかと……ーーで、あるならば当家に対抗する手段はございません」
コリアンナは言外に、現王妃に王家に使える者たちを動かす権限を有していないことを暴露していた。
ーー現王妃の実家は、代々数多くの優秀な役人や大臣などを輩出する侯爵家だったが、王家の血が流れている家では無かった。
ーー厳密に言うならば何代か遡れば王家の姫君たちが降嫁しているのだが、それはあくまでも“降嫁”であって、王族の血筋とは見做されないーーしかも、その降嫁すらここ何代も無いとなれば、その血筋に頭を下げる一族としては、使えるまでも無いが守らなくてはいけない王族の一人だった。
「これは私たちの考えにすぎないので、真実とは異なってしまうかもしれませんがーーウワサや情報としてもたらされたものではなく、レーレン家の娘が自らそう思い込むように誘導されたのでは無いかと……」
コリアンナがそう話終えると、カチヤ共々大きく一礼をして一歩下がり、元の位置に収まった。
「……つまり?」
今まで黙って話を聞いていたザームだったが、話について行けなくなったのか、ガシガシと首の後ろあたりをかきながらリアーヌに疑問の声を投げつけた。
「えーと……フォルステル家の情報は筒抜け。 ベッティ・レーレンは誰かに騙されて姉ちゃんに暴言を吐いた」
「ふーん……ーーけどそのベッティも敵だろ?」
「多分……?」
リアーヌはそう答えながらも、正解を求めるようにカチヤたちやゼクスに視線を向けた。
「……その認識であってはいるけどーー騙した相手がユリアなんだとしたら……ベッティは向こうにとっての捨て駒、かな……?」
「えっ⁉︎」
アゴに手を当て思案しているゼクスの口から漏れた言葉に、リアーヌは戸惑いの声を上げた。
(いやいやいや! それは無いって! だってあの子お助けキャラだよ⁉︎ 主人公の親友だよ⁉︎)
リアーヌが否定の言葉を口にするよりも先に再びカチヤが一歩進み出て話し始めた。
「そこまで考えているかまでは……しかし、レーレン家の娘はかの方の教養学科への訪問について、多々苦言を呈していると聞き及んでおります。 ……かの方からすれば煩わしい存在なのでは無いでしょうか?」
そう言い終わると、カチヤは再び元の位置へと戻る。
24
あなたにおすすめの小説
ワンチャンあるかな、って転生先で推しにアタックしてるのがこちらの令嬢です
山口三
恋愛
恋愛ゲームの世界に転生した主人公。中世異世界のアカデミーを中心に繰り広げられるゲームだが、大好きな推しを目の前にして、ついつい欲が出てしまう。「私が転生したキャラは主人公じゃなくて、たたのモブ悪役。どうせ攻略対象の相手にはフラれて婚約破棄されるんだから・・・」
ひょんな事からクラスメイトのアロイスと協力して、主人公は推し様と、アロイスはゲームの主人公である聖女様との相思相愛を目指すが・・・。
誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。
木山楽斗
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢であるエルファリナに転生した私は、彼女のその境遇に対して深い悲しみを覚えていた。
彼女は、家族からも婚約者からも愛されていない。それどころか、その存在を疎まれているのだ。
こんな環境なら歪んでも仕方ない。そう思う程に、彼女の境遇は悲惨だったのである。
だが、彼女のように歪んでしまえば、ゲームと同じように罪を暴かれて牢屋に行くだけだ。
そのため、私は心を強く持つしかなかった。悲惨な結末を迎えないためにも、どんなに不当な扱いをされても、耐え抜くしかなかったのである。
そんな私に、解放される日がやって来た。
それは、ゲームの始まりである魔法学園入学の日だ。
全寮制の学園には、歪な家族は存在しない。
私は、自由を得たのである。
その自由を謳歌しながら、私は思っていた。
悲惨な境遇から必ず抜け出し、自由気ままに生きるのだと。
ヒロイン気質がゼロなので攻略はお断りします! ~塩対応しているのに何で好感度が上がるんですか?!~
浅海 景
恋愛
幼い頃に誘拐されたことがきっかけで、サーシャは自分の前世を思い出す。その知識によりこの世界が乙女ゲームの舞台で、自分がヒロイン役である可能性に思い至ってしまう。貴族のしきたりなんて面倒くさいし、侍女として働くほうがよっぽど楽しいと思うサーシャは平穏な未来を手にいれるため、攻略対象たちと距離を取ろうとするのだが、彼らは何故かサーシャに興味を持ち関わろうとしてくるのだ。
「これってゲームの強制力?!」
周囲の人間関係をハッピーエンドに収めつつ、普通の生活を手に入れようとするヒロイン気質ゼロのサーシャが奮闘する物語。
※2024.8.4 おまけ②とおまけ③を追加しました。
公爵令嬢は、どう考えても悪役の器じゃないようです。
三歩ミチ
恋愛
*本編は完結しました*
公爵令嬢のキャサリンは、婚約者であるベイル王子から、婚約破棄を言い渡された。その瞬間、「この世界はゲームだ」という認識が流れ込んでくる。そして私は「悪役」らしい。ところがどう考えても悪役らしいことはしていないし、そんなことができる器じゃない。
どうやら破滅は回避したし、ゲームのストーリーも終わっちゃったようだから、あとはまわりのみんなを幸せにしたい!……そこへ攻略対象達や、不遇なヒロインも絡んでくる始末。博愛主義の「悪役令嬢」が奮闘します。
※小説家になろう様で連載しています。バックアップを兼ねて、こちらでも投稿しています。
※以前打ち切ったものを、初めから改稿し、完結させました。73以降、展開が大きく変わっています。
【完結】転生したら少女漫画の悪役令嬢でした〜アホ王子との婚約フラグを壊したら義理の兄に溺愛されました〜
まほりろ
恋愛
ムーンライトノベルズで日間総合1位、週間総合2位になった作品です。
【完結】「ディアーナ・フォークト! 貴様との婚約を破棄する!!」見目麗しい第二王子にそう言い渡されたとき、ディアーナは騎士団長の子息に取り押さえられ膝をついていた。王子の側近により読み上げられるディアーナの罪状。第二王子の腕の中で幸せそうに微笑むヒロインのユリア。悪役令嬢のディアーナはユリアに斬りかかり、義理の兄で第二王子の近衛隊のフリードに斬り殺される。
三日月杏奈は漫画好きの普通の女の子、バナナの皮で滑って転んで死んだ。享年二十歳。
目を覚ました杏奈は少女漫画「クリンゲル学園の天使」悪役令嬢ディアーナ・フォークト転生していた。破滅フラグを壊す為に義理の兄と仲良くしようとしたら溺愛されました。
私の事を大切にしてくれるお義兄様と仲良く暮らします。王子殿下私のことは放っておいてください。
ムーンライトノベルズにも投稿しています。
「Copyright(C)2021-九十九沢まほろ」
表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
私も異世界に転生してみたい ~令嬢やめて冒険者になります~
こひな
恋愛
巷で溢れる、異世界から召喚された強大な力を持つ聖女の話や、異世界での記憶を持つ令嬢のハッピーエンドが描かれた数々の書物。
…私にもそんな物語のような力があったら…
そんな書物の主人公に憧れる、平々凡々な読書好きな令嬢の奇想天外なお話です。
見た目は子供、頭脳は大人。 公爵令嬢セリカ
しおしお
恋愛
四歳で婚約破棄された“天才幼女”――
今や、彼女を妻にしたいと王子が三人。
そして隣国の国王まで参戦!?
史上最大の婿取り争奪戦が始まる。
リュミエール王国の公爵令嬢セリカ・ディオールは、幼い頃に王家から婚約破棄された。
理由はただひとつ。
> 「幼すぎて才能がない」
――だが、それは歴史に残る大失策となる。
成長したセリカは、領地を空前の繁栄へ導いた“天才”として王国中から称賛される存在に。
灌漑改革、交易路の再建、魔物被害の根絶……
彼女の功績は、王族すら遠く及ばないほど。
その名声を聞きつけ、王家はざわついた。
「セリカに婿を取らせる」
父であるディオール公爵がそう発表した瞬間――
なんと、三人の王子が同時に立候補。
・冷静沈着な第一王子アコード
・誠実温和な第二王子セドリック
・策略家で負けず嫌いの第三王子シビック
王宮は“セリカ争奪戦”の様相を呈し、
王子たちは互いの足を引っ張り合う始末。
しかし、混乱は国内だけでは終わらなかった。
セリカの名声は国境を越え、
ついには隣国の――
国王まで本人と結婚したいと求婚してくる。
「天才で可愛くて領地ごと嫁げる?
そんな逸材、逃す手はない!」
国家の威信を賭けた婿争奪戦は、ついに“国VS国”の大騒動へ。
当の本人であるセリカはというと――
「わたし、お嫁に行くより……お昼寝のほうが好きなんですの」
王家が焦り、隣国がざわめき、世界が動く。
しかしセリカだけはマイペースにスイーツを作り、お昼寝し、領地を救い続ける。
これは――
婚約破棄された天才令嬢が、
王国どころか国家間の争奪戦を巻き起こしながら
自由奔放に世界を変えてしまう物語。
目指せ、婚約破棄!〜庭師モブ子は推しの悪役令嬢のためハーブで援護します〜
森 湖春
恋愛
島国ヴィヴァルディには存在しないはずのサクラを見た瞬間、ペリーウィンクルは気付いてしまった。
この世界は、前世の自分がどハマりしていた箱庭系乙女ゲームで、自分がただのモブ子だということに。
しかし、前世は社畜、今世は望み通りのまったりライフをエンジョイしていた彼女は、ただ神に感謝しただけだった。
ところが、ひょんなことから同じく前世社畜の転生者である悪役令嬢と知り合ってしまう。
転生して尚、まったりできないでいる彼女がかわいそうで、つい手を貸すことにしたけれど──。
保護者みたいな妖精に甘やかされつつ、庭師モブ子はハーブを駆使してお嬢様の婚約破棄を目指します!
※感想を頂けるとすごく喜びます。執筆の励みになりますので、気楽にどうぞ。
※『小説家になろう』様にて先行して公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる