成り上がり令嬢暴走日記!

笹乃笹世

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 その言葉にレジアンナやビアンカ、そして友人たちは、大きく息を吸い込みながら互いに視線を逸らし合い、息を吐き出しながら首を振ることで、それを歓迎しないという意思表示をしあったーー

(……だよねー? 私の立場じゃなくったって、みんなそう思うよね? ーーあいつの言動、そのぐらいヤバヤバだよね⁇)

 口を閉ざしてしまった友人たちを見回しながらレジアンナが困ったように口を開く。

「……幸いなことに、今の我が国は近隣諸国と友好関係を築いている状況ーー多少の問題はあれど、戦争に発展するほど大きなトラブルはないでしょう? ならーーこれまでのように最優先で保護するギフトなのかどうか……だってこんなにも平和な世の中なのにーー皆様どう思いまして?」

 その問いかけに、友人たちは口々に賛同の言葉を口にした。

「おっしゃる通りかと……」
「ええ! 下手に近隣諸国を刺激するのも悪手と考えます」

 盛り上がるレジアンナと友人たちのやりとりを眺めながら、リアーヌはビアンカのほうに身体を傾けコソリと囁いた。

「……あの子と結婚した方が次に決まり! ーーとかいう話はどこに消えたの?」
「ーーどこかに消え去っていったんでしょうねぇ……」
「そんな簡単に消えるようなウワサだったの、あれ……⁉︎」
「簡単なわけないでしょーーでも大勢の方がそう判断するほどには、あの子の言動が“恐ろしかった”のよ」
「……恐ろしい?」
「ーー貴女は……まぁ、すでにその可能性はないも同然でしょうけど……ーー万が一、次が彼女になって、自分と繋がりできたとして……あの言動が治ると思う?」
「あー……無理、だろうね?」

(……あの子多分、なんの勉強もしてないもん)

「でしょう? 先ほどフォルステル家に繋がりがある方々がお怒りだったという話が出たでしょう?」
「うん。 あの子のことでイヤミ言われたって話でしょ?」
「ーーあの方のの矛先が国王陛下や、他の王族、自分の後ろ盾となる方へ向いたら? 怒りどころの騒ぎでは無いし、イヤミなんかで済めばいいものよ?」
「それは……ヤバそうだけど……ーーでも、陛下はいくらなんでも……貴族も平民も関係なく、雲の上のお方ーーって認識じゃない?」

(どれだけ身分にゆるい日本人感覚でいるとしても、国王前にして「権力者だからって偉そうにしないで!」とか言わないでしょ……)

「ーーでは国王の代理人へは?」
「あー……それは知らなそう……」

 ビアンカの言葉にリアーヌは顔をしかめながら大きく息を吐き出しながら答えた。
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