983 / 1,038
982
しおりを挟む
「ウソに決まってんでしょ! ずっと王都で暮らしてる私が田舎女になるわけないじゃない! アンタって本当なんにも考えない空っぽ女よねっ!」
「な……な……」
「はっ! なにその“いま初めて気がつきました!”みたいな顔! アンタに言ったことでウソじゃ無かったことのほうが少なかったぐらいよ!」
フラフラと後ずさったユリアはそのままストンと庭にへたり込む。
そして地面を見つめたまま呟くようにたずねた。
「……ーーレオンが私の運命の人だって言うのも……?」
「あー……それはアンタの自業自得」
「ーー私の……?」
ノロノロとした動作で顔を上げたユリアにベッティは攻撃的な笑顔を返しながら口を開く。
「そう。 ちゃんとアンタが私の言うこと聞いて、レオンへの対応を間違わなきゃそうなってたの! なのに、ちょっとその気にさせたらのぼせ上がって調子に乗って! 好き勝手やった挙句、なんか問題が起こったら私のせい! 私にはお前の尻拭いしてるヒマなんか無いんだよっ! 主人公だかなんだか知んないけど、この世界が自分のためにあるとでも思ってんの⁉︎ この傲慢女っ‼︎」
「な……なにを……だ、だってベッティが言ったんだよ⁉︎ 私はレオンと結ばれる運命だって! 自分にはそれが分かるんだって! だから私はーー」
「そん時、私の言うこと聞いときゃ幸せになれるとも言っただろうがっ! 言うこと聞かないくせに私のせいにしないでって言ってるでしょ⁉︎」
そんなやりとりを聞きながら、リアーヌはおおよその予測を立てていた。
(つまりーー転生者はユリアでは無くベッティのほうで……ーーおそらく『私のギフトの力で分かるんだけど、貴女の運命の相手はレオンだよ!』とか言ったのかな? ……で、私の運命の相手⁉︎ とか暴走しちゃったユリア⁇ ーーベッティ、完全にゼクス狙いだろうから、ゼクスルートに入られるのは避けたかった……のかな? つーか……ベッティ、転生のこととかゲームのこととか隠す気ゼロなんですけど……ーーいや、激昂してる時って意味分かんないこと言うこともあるか……?)
そんなことを考えながらベッティの発言を聞いていた周りの反応をチラチラと伺っていたリアーヌだったが……そんな時、警備部の騎士たちが姿を現し、ベッティを取り囲んでいた生徒たちの前に出ると素早く取り囲む。
そんな素早い騎士たちにタジタジになりながらもベッティは声を荒げる。
「な、なによアンタたち!」
しかし警備部の者たちはそんな言葉に怯むことなく淡々と要件を伝えた。
「ーー警備部の者だ。 ベッティ・レーレン、今回の騒ぎについて話が聞きたい。 ご同行願おう」
「な……な……」
「はっ! なにその“いま初めて気がつきました!”みたいな顔! アンタに言ったことでウソじゃ無かったことのほうが少なかったぐらいよ!」
フラフラと後ずさったユリアはそのままストンと庭にへたり込む。
そして地面を見つめたまま呟くようにたずねた。
「……ーーレオンが私の運命の人だって言うのも……?」
「あー……それはアンタの自業自得」
「ーー私の……?」
ノロノロとした動作で顔を上げたユリアにベッティは攻撃的な笑顔を返しながら口を開く。
「そう。 ちゃんとアンタが私の言うこと聞いて、レオンへの対応を間違わなきゃそうなってたの! なのに、ちょっとその気にさせたらのぼせ上がって調子に乗って! 好き勝手やった挙句、なんか問題が起こったら私のせい! 私にはお前の尻拭いしてるヒマなんか無いんだよっ! 主人公だかなんだか知んないけど、この世界が自分のためにあるとでも思ってんの⁉︎ この傲慢女っ‼︎」
「な……なにを……だ、だってベッティが言ったんだよ⁉︎ 私はレオンと結ばれる運命だって! 自分にはそれが分かるんだって! だから私はーー」
「そん時、私の言うこと聞いときゃ幸せになれるとも言っただろうがっ! 言うこと聞かないくせに私のせいにしないでって言ってるでしょ⁉︎」
そんなやりとりを聞きながら、リアーヌはおおよその予測を立てていた。
(つまりーー転生者はユリアでは無くベッティのほうで……ーーおそらく『私のギフトの力で分かるんだけど、貴女の運命の相手はレオンだよ!』とか言ったのかな? ……で、私の運命の相手⁉︎ とか暴走しちゃったユリア⁇ ーーベッティ、完全にゼクス狙いだろうから、ゼクスルートに入られるのは避けたかった……のかな? つーか……ベッティ、転生のこととかゲームのこととか隠す気ゼロなんですけど……ーーいや、激昂してる時って意味分かんないこと言うこともあるか……?)
そんなことを考えながらベッティの発言を聞いていた周りの反応をチラチラと伺っていたリアーヌだったが……そんな時、警備部の騎士たちが姿を現し、ベッティを取り囲んでいた生徒たちの前に出ると素早く取り囲む。
そんな素早い騎士たちにタジタジになりながらもベッティは声を荒げる。
「な、なによアンタたち!」
しかし警備部の者たちはそんな言葉に怯むことなく淡々と要件を伝えた。
「ーー警備部の者だ。 ベッティ・レーレン、今回の騒ぎについて話が聞きたい。 ご同行願おう」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
315
1 / 4
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる