ちぐはぐ

稀人

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一章 私立八意学園

体育祭

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あの日から早くも2週間が経ち体育祭が近付いてきた。

ほとんど毎日のように4人でお昼ご飯を食べたりお喋りをしたりしてなんだかんだあっという間に仲良くなっていった。

中澤くんと絵里は付かず離れずの距離でこちらを茶化したりしている。


体育祭、体育祭かぁ類君はなにに出るのかなー。

などと考えていたら類君が運動出来るのかどうかも知らないことに気がついた。

今日のお昼に聞いてみようかな。


私はほぼ毎回リレーに選ばれているので今年もそこだろう。

ぽんこつぽんこつ言われるが運動も勉強もそこそこ出来るのだ。
せっかくだし体育祭であの三人を見返してやろう、よし。頑張ろう!


「れーんたん!」


「ん?エリーどしたの?」


「宗ちんが言ってたんだけど、類君騎馬戦に出るんだってよー」


「騎馬戦ってあれ?」


「アレですな」


大丈夫なのかなぁ、手届くのかな…?など失礼なことを考えてしまう。


「大丈夫かな、怪我とかしなければいいけど」


「いやー、ごちそうさまです。れんたんも最近彼女様が板についてきましたなぁ」


「そういうエリーはどうなのさー!中澤くんと悪くない感じじゃん!」


「ん?そだねー宗ちんが告ってきたらオッケー出すくらいには気に入ってるよん」


「え?ほんとに?」


だってあの中澤くんだよ?なんかチャラチャラしててあまり得意ではないタイプだと思っていたんだけど。


「あの子、れんたんが思ってるよりずぅっと真面目だよん。よく人のことも見てるしねー」


そうなのか、絵里が言うなら間違い無いだろうけど。


「よく見てるねぇ」


「にひひ。れんたそにはまだ早かったかにー」


「むぅ。子供扱いしないでよー」


「ふてくされてもかーわいーい!」


「くっつくなー!」


じゃれつきながら、そういえば類君とはあれからもっと仲良くなれたけど、まだ話してはくれないんだろうか?
なんとなく、前に比べて棘は無くなってきたように思うんだけど。

なんと言うか、それこそ猫みたいにくっついてはきても若干信用しきってないような、なにかあったらいなくなってしまうような。そんな感覚はどんどん薄くなって来ていると思う。


完全に棘がなくなったらどうなるんだろうか。見た目通りデレッデレになったりしたらどうしよう?甘やかさない自信がない。間違いなく甘やかすなぁ。


「むむむ?れんたんが類君のことで妄想をしてる顔をしてるぞー」


「そ、そんな顔してた!?」


「うむ。わたしゃれんたんのことならなんでもわかるのだよ」


あながち嘘でもないから困るが、そんなにだらしない顔をしていただろうか。


「にへらって笑ってたよーん。なにを考えたのかにゃー?」


すごく恥ずかしい顔をしていたらしい。


「別に変なこと考えたわけじゃないもん」


「おやおやー?そんなこと言ってないんだけどなー?れんたんはえっちぃ子だにぃ」


「ち、違うもん!」


「じゃあなにを考えたかほれ、はくじょーしなさいはくじょー」


「えと、その、類君がさ、最近なんか棘がなくなってきたっていうか、距離が近くなってる気がするのはわかる?」


「あー、なんか最初の頃はキャラを作ってるっていうかそんな感じだったねー。確かに最近はそうじゃなくなってきてるかも」


「それで、完全に素に戻ったらどうなるのかなーって。その、デレッデレになったら甘やかしちゃいそうだなぁ…とか…」


言ってて恥ずかしくなってしまう。確かに十分あれな妄想な気がしてきた。なかったことにしたい。


「そしたら今度こそ写真に収めて家宝にするお」


「それはやめて」


「そんな想像するだけでうはうはなシーン撮らないわけにはいかないっしょー」


「怒るよ?」


「だめ?」


「だめ」


「絶対?」


「絶対」


「れんたんの秘密と交換でも?」


「交換でも…ってどんな秘密なのさー!」


「例えばー、怖い話をすると未だに夜トイレに行けなくなるとかーあとはー」


「わ、わかったから!それ絶対類君に言わないでよ!ありえないと思うけどデレデレ類君になったら写真撮っていいから!」


類君の許可もなく承諾してしまった。まあありえないだろうから大丈夫だろう。
それにしても、騎馬戦ってほんとに大丈夫なのかな?怪我だけはしなければいいなぁ。
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