ちぐはぐ

稀人

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一章 私立八意学園

騎馬戦

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「歯ぁ食いしばれ中澤ぁぁぁぁあ!!」


体育祭の参加種目を選ぶ授業終了後一目散に中澤の顔を殴り飛ばす。


「ごぶぉ!?なにしやがる!」


「こっちのセリフだぁ!死ね!死んでしまえ!」


席から転がった中澤を踏み付け続ける。


「ちょっ!ぐはっ!?ちょ、やめっ!あだっ!痛い!痛い!わるかっ、悪かったって!」


なぜここまで怒っているかというと、話の顛末は授業中に遡る。


「えー、それでは騎馬戦のメンバーを決めようと思う。一組四人で三チーム作ってもらう。その中の一つが大将だ。さてやりたいやつはいるかー?」


「せんせー!俺と類参加で!んで大将を類でやりたいっす!」


中澤が元気よく言い放ちクラスが騒然とする。


「え?類君が大将?ちょっと、ねえ?背も大きくないし」


「うん、それに危ないし」


「保護しなきゃ」


「類が大将はちょっときついと思いまーす」


そうだそうだ!どう考えてもおかしいだろ!とクラスの面々に賛同しているとバカが一人高らかに叫ぶ


「みんな!聞いてくれ!俺には必勝法が考え付いてある!」


「必勝法ー?騎馬戦にそんなもんあんのかよ」


「ある!!そう、類にしかできない必勝法がな!」


なんとなく嫌な予感がしてきた。予感がしなくても嫌なんだけど


「試しに俺と誰でもいいから馬役、あと一チーム作ってみてくれ」


そこまで言うならと中澤と山中、高橋が馬役になる。

仮想敵チームは運動部の背も高いガッチリした連中が集まる。そんな中なぜか担がれる俺氏。意味わからないんだけど誰か説明してくれ。


「いいか、類。敵が来たら相手を見上げてこう言うんだ」


こいつ絶対ぶん殴る。教師の前だから今はやらないが絶対に殴る。

「これで失敗したら許さんぞ」


「なに、大丈夫さ。俺が保証する」


お前の保証なんてあてになるかよ。


まあ中澤は殴るとしてどうせ失敗するし失敗すればこんな馬鹿げた案もやらずに済む。

一度だけやればいいだけだ。


それはそうと絶対に殴る。絶対にだ。


「よし、それじゃ始めるぞ!スタートだ!」


「類には悪いが、すぐ終わらせてやる!」


えーと?相手を見上げる、つまり上目遣いで


「い、いじめる、の?」


「ごふぁ!?いや!いじめとかじゃなくてな!?」


「怖い人、は苦手かな…」


そういうと何故か観念したかのように頭を差し出してくる。なんとなくハチマキを取る。勝ってしまった。


「おいぃ!?頑張れよ山田ぁ!?」


「んなこと言ったって!無理だろこれ!ふざけんなよ!だったらお前やってみろよぉ!」


「役に立たねえなぁ!俺がやってやるよ!」


「よし、類。次はだな…」


こいつ本当に殺す。


「仕切り直して、第2戦、スタート!」


「俺は山田みたいに引っかからんぞ!すぐに終わらせてやる!」


目を閉じて、相手の顔の方を向きながら上を向く。んでなるべく笑顔。

「……参った。理性が続かんからやめてくれ」

またもや自動的に頭を下げてくる。


「これが類の必勝法だぁ!どうだお前ら!」


「これは、勝てんわ。勝てるやつオネェくらいだろ」


「無理だわ。可哀想すぎて取れん」


そして体育祭なのに運動が一切関係ない理由で騎馬戦の大将に選ばれてしまった。


そして冒頭に戻るというわけだ。


え?しかもこれ全校生徒の前でやるの?蓮さんも見てるのに?とはいえ負けてる格好悪いところも見せたくないし、やばい、どうしよう。
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