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一章 私立八意学園
本番前夜
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体育祭を次の日に控えたお昼休み。私たちはいつも通りの校舎裏に集まっていた。
「騎馬戦の練習はどう?怪我とかしてない?」
「んー、たまに落ちて怪我したりしますけど、擦りむいてるくらいですし、大丈夫ですよ」
「バッチリっすよ!類に掛かればらくしょーっすらくしょー!」
「ほほう、宗介氏は自信満々ですな」
「そらもう、必勝みたいなもんですよ!」
中澤くんのこの自信はどこからくるのだろうか。正直類君に騎馬戦って無理だと思う。軽いから早く動けるとかなのかな?
「やりたくないんだけど」
「お前がやらないでうちのクラスが負けてもいいならやめればいいぞ」
「そういうのは卑怯だろ!大体お前がぁ!」
「ちょっやめろってー!くすぐったい、くすぐった…ぶぁははは!!」
最近類君も中澤くんも前より仲良くなったように見える。男の子同士はやっぱり仲良くなるのが早い。
「怪我はしないでよー?」
「気を付けます」
「宗ちんも馬役頑張りたまえよ?君の活躍次第ではちゅーしてあげよう」
「うは!マジっすか!おい、類!俺のために頑張ってくれよ!?」
「お前のためと思うとどんどんやる気がなくなっていくよ」
類君はあまり乗り気ではないようだ。なんでやることになったんだろう?
聞いても教えてくれないし、なにかあったのだろうか。
「あとはれんたんもリレーのアンカーに選ばれたから応援してねー」
「お、蓮先輩って足速いんすねー」
「足長いしね、蓮さん頑張ってください」
「うん、ありがと。エリーは障害物に出るからそっちも応援してね」
「なんでか昔っから障害物レース負けたことないんじゃよね」
「それはそれですげえっすね、俺と類ももう一つずつ出るんで応援おなしゃす!」
「え?そうなの?なにに出るの?」
「それは出てからのおっ楽しみーってことで!」
中澤くんは最初女の子なら誰でもいいような人かと思って若干嫌だったけど、話してるうちに結構一途なところがあって周りをよく見てる子だと知った。
今は絵里に惹かれてるように見えて、他の子と話してるような素振りはなくなんとなく応援したくなっている。まあ当の本人も乗り気だしあとは告白するかどうかだけど。
類君はたまに壁を感じるものの最近は打ち解けて来たのか前ほど距離を感じない。
私自身も類君を本当に好きになってきているからかもしれないけど。でも、契約って言っちゃったし、もし類君に好きな人が出来たら応援しよう。
その時は、この関係のまま友達でいられたらいいな。
そう考えてチクリと心が刺されたような痛みを覚える。
「ダメだよ蓮」
「え?」
「自分に嘘ついちゃ、ダメだよ。それは私の好きな蓮じゃないから」
この親友は、本当に私のことならなんでも知ってるらしい。それによく見ていてくれてる。
敵わないなぁ。
うん。もし類君に好きな人が出来たら、私の方が好きになってもらえるよう頑張ろう。
あんまり、恥ずかしくない方法で。
「ん、そっちの方がれんたんらしくていいよ」
「…声に出てた?」
「全然。大丈夫、男の子たちはジャレてて気付いてないから」
本当に敵わない。どこまでお見通しなのだろうか。
「絵里、ありがと」
「にゃはは、れんたんの笑顔を守るのは私の仕事なのだー」
うん。変なことは考えずに、この大好きな人達とずっとこうやっていられたら、大人になっても、今より会える時間は減っても、このままの関係で続いていけたらいいなぁ。
なんとなく空を見上げると大きな入道雲が浮かんでいた。
「騎馬戦の練習はどう?怪我とかしてない?」
「んー、たまに落ちて怪我したりしますけど、擦りむいてるくらいですし、大丈夫ですよ」
「バッチリっすよ!類に掛かればらくしょーっすらくしょー!」
「ほほう、宗介氏は自信満々ですな」
「そらもう、必勝みたいなもんですよ!」
中澤くんのこの自信はどこからくるのだろうか。正直類君に騎馬戦って無理だと思う。軽いから早く動けるとかなのかな?
「やりたくないんだけど」
「お前がやらないでうちのクラスが負けてもいいならやめればいいぞ」
「そういうのは卑怯だろ!大体お前がぁ!」
「ちょっやめろってー!くすぐったい、くすぐった…ぶぁははは!!」
最近類君も中澤くんも前より仲良くなったように見える。男の子同士はやっぱり仲良くなるのが早い。
「怪我はしないでよー?」
「気を付けます」
「宗ちんも馬役頑張りたまえよ?君の活躍次第ではちゅーしてあげよう」
「うは!マジっすか!おい、類!俺のために頑張ってくれよ!?」
「お前のためと思うとどんどんやる気がなくなっていくよ」
類君はあまり乗り気ではないようだ。なんでやることになったんだろう?
聞いても教えてくれないし、なにかあったのだろうか。
「あとはれんたんもリレーのアンカーに選ばれたから応援してねー」
「お、蓮先輩って足速いんすねー」
「足長いしね、蓮さん頑張ってください」
「うん、ありがと。エリーは障害物に出るからそっちも応援してね」
「なんでか昔っから障害物レース負けたことないんじゃよね」
「それはそれですげえっすね、俺と類ももう一つずつ出るんで応援おなしゃす!」
「え?そうなの?なにに出るの?」
「それは出てからのおっ楽しみーってことで!」
中澤くんは最初女の子なら誰でもいいような人かと思って若干嫌だったけど、話してるうちに結構一途なところがあって周りをよく見てる子だと知った。
今は絵里に惹かれてるように見えて、他の子と話してるような素振りはなくなんとなく応援したくなっている。まあ当の本人も乗り気だしあとは告白するかどうかだけど。
類君はたまに壁を感じるものの最近は打ち解けて来たのか前ほど距離を感じない。
私自身も類君を本当に好きになってきているからかもしれないけど。でも、契約って言っちゃったし、もし類君に好きな人が出来たら応援しよう。
その時は、この関係のまま友達でいられたらいいな。
そう考えてチクリと心が刺されたような痛みを覚える。
「ダメだよ蓮」
「え?」
「自分に嘘ついちゃ、ダメだよ。それは私の好きな蓮じゃないから」
この親友は、本当に私のことならなんでも知ってるらしい。それによく見ていてくれてる。
敵わないなぁ。
うん。もし類君に好きな人が出来たら、私の方が好きになってもらえるよう頑張ろう。
あんまり、恥ずかしくない方法で。
「ん、そっちの方がれんたんらしくていいよ」
「…声に出てた?」
「全然。大丈夫、男の子たちはジャレてて気付いてないから」
本当に敵わない。どこまでお見通しなのだろうか。
「絵里、ありがと」
「にゃはは、れんたんの笑顔を守るのは私の仕事なのだー」
うん。変なことは考えずに、この大好きな人達とずっとこうやっていられたら、大人になっても、今より会える時間は減っても、このままの関係で続いていけたらいいなぁ。
なんとなく空を見上げると大きな入道雲が浮かんでいた。
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