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二期 二章
作戦
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すっかり夜も更けてしまい、寝床の無かった俺たちは王様の好意で闘技者の宿舎の一部屋を貸して貰えた。…一部屋である。
幸い、この部屋はふたり部屋の様でシングルサイズのベットが二つ用意されている。俺とサンの男組が地面で寝る事になる心配は無さそうだ。大きな机と椅子もあるので作戦会議にはぴったりだ。
「まあしょうがないか、ここしか空いていなかったらしいし…」
しかしどうやって犯人をおびき出すか…、狙われているのはC級越えの猛者ばかりだし、こちらにいるのは、実質G級の俺とE級のアリサ、受付嬢のセリスと船乗りの息子サン、という見向きもされ無さそうなパーティである。俺たちじゃあ誘き出すことは叶わないだろう。
「何か良い作戦は無いものか…。」
俺はそう呟きながら椅子に腰掛けた。
「誘き出す作戦の話?」
ストレージバッグからいつも持っている剣を取り出しながらアリサが聞いてくる。アリサはいつも一日の終わりに剣の手入れをしている。日課だそうだ。
「そう、悪魔を俺たちだけでどう呼び出すか。それともう一つ、いまの戦力でどう戦うか、だな。」
当初の目的としては、ここアルケイデスのコロシアムで戦闘を積みパーティの戦力をあげて悪魔に対抗しようと考えていたのだが、まさかいきなり悪魔討伐の話になるとは…。
「確かに、またベルゼ・ブブみたいな奴が相手だったとして、まともに戦えるのはアレクだけだもんね…。もしくはクレイスさんくらい…。」
「私とサン君に関しては戦力にならない気がしますぅ…。」
今回また相手が一人とは限らない。正直このまま悪魔と戦うのは避けたいが…。
「アレク兄ちゃんですらヤバイの?」
ベルゼ戦の時にはいなかったサンの純粋な質問が飛んでくる。不安にさせたくないが、嘘をいうことは出来ない。
「前に戦った悪魔との戦闘から生き残れたのは、奇跡に近い。それぐらいの戦力差だな。」
「マジかよ…。」
自分で話してて本当にだめな気がしてきた。
「失礼。」
はぁ…、と俺が溜息をついたところで扉の方からコンコンというノックの音と共に声が聞こえてきた。
「誰だ?」
「さっき手合わせした騎士だ。」
「あぁ!クレイスか!入ってくれ!」
「あぁ、失礼するよ」
ガチャっと扉をあけて入ってきたクレイス。先程試合した時の重厚な装備がないせいか、少し垢抜けて見える。
「…イケメンだったのかぁ…。」
一番驚くのはその容姿だ。イケメンとしか形容できないほど顔立ちが整っている。試合時はフルフェイスタイプの防具を装備していたため見えなかったが…。
「照れるじゃないか、それより今は作戦会議中かな?」
少し笑いながら聞いてくる。
「そ、そうだが、どうしたんだ?」
「いやなに、俺も参加しようと思ってな。」
世界最強の男が俺たちの戦いに参加しようと言い出した。
「そ、それは助かるよ!!」
他の三人もウンウンとすごい速さで頷いている。
「力になれそうで何よりだ。思う存分こき使ってくれ!」
ニコッと笑ってクレイスが続ける。
「その代わり、無事にことが終わったら、次は本気で戦おう。アレク君。」
こいつはあれだな…、戦闘バカだな。
「ああ!望むところだ!」
そういって俺はクレイスと握手をした。他の三人もアイドルに会いにきたファンのように握手を交わした。こいつら…
「ところで作戦はどういうものなんだい?」
「本当は何も決まってなかったんだが、アンタが協力してくれるなら話が早い。」
ここまで俺が話した辺りでアリサが気付いたのか、訝しげな表情をこちらに向けてきた。
「アンタ…、まさか…?」
そう。
「題して!!クレイスの囮だよ!~A +は伊達じゃねぇ~作戦ーー!!」
「馬鹿!」
「緊張感を持ってください~!」
「真剣にやれ!」
ゴスゥ…
作戦名を言い放った直後に、三人から罵声と共に拳が飛んできた。スキル不使用状態だったので、HPの数値は半分ほどになっただろう。要するにクソ痛い。
「お、俺はこの沈殿した泥のような雰囲気をだな!変えようとだな!」
俺が身振り素振り弁明していると、クレイスはふむと呟き、
「いいだろう。」
と言い放った。
「へ?いいの?」
「こいつの無茶振りに付き合わなくてもいいんですよ!?」
「俺が囮になった方が、犯人も釣りやすかろう。いいぞ。」
確かに一番都合がいいのは確かだが…
「本当に大丈夫なんですかぁ…?」
「あぁ。問題ない。」
セリスの心配にもノータイムで返答している。
「じゃ、じゃぁ作戦決定で…。」
半分冗談の作戦。
クレイスの囮だよ!~A +は伊達じゃねぇ~
が決行されることが決まった。
自分で言っといてなんだが、大丈夫かなぁ…。
幸い、この部屋はふたり部屋の様でシングルサイズのベットが二つ用意されている。俺とサンの男組が地面で寝る事になる心配は無さそうだ。大きな机と椅子もあるので作戦会議にはぴったりだ。
「まあしょうがないか、ここしか空いていなかったらしいし…」
しかしどうやって犯人をおびき出すか…、狙われているのはC級越えの猛者ばかりだし、こちらにいるのは、実質G級の俺とE級のアリサ、受付嬢のセリスと船乗りの息子サン、という見向きもされ無さそうなパーティである。俺たちじゃあ誘き出すことは叶わないだろう。
「何か良い作戦は無いものか…。」
俺はそう呟きながら椅子に腰掛けた。
「誘き出す作戦の話?」
ストレージバッグからいつも持っている剣を取り出しながらアリサが聞いてくる。アリサはいつも一日の終わりに剣の手入れをしている。日課だそうだ。
「そう、悪魔を俺たちだけでどう呼び出すか。それともう一つ、いまの戦力でどう戦うか、だな。」
当初の目的としては、ここアルケイデスのコロシアムで戦闘を積みパーティの戦力をあげて悪魔に対抗しようと考えていたのだが、まさかいきなり悪魔討伐の話になるとは…。
「確かに、またベルゼ・ブブみたいな奴が相手だったとして、まともに戦えるのはアレクだけだもんね…。もしくはクレイスさんくらい…。」
「私とサン君に関しては戦力にならない気がしますぅ…。」
今回また相手が一人とは限らない。正直このまま悪魔と戦うのは避けたいが…。
「アレク兄ちゃんですらヤバイの?」
ベルゼ戦の時にはいなかったサンの純粋な質問が飛んでくる。不安にさせたくないが、嘘をいうことは出来ない。
「前に戦った悪魔との戦闘から生き残れたのは、奇跡に近い。それぐらいの戦力差だな。」
「マジかよ…。」
自分で話してて本当にだめな気がしてきた。
「失礼。」
はぁ…、と俺が溜息をついたところで扉の方からコンコンというノックの音と共に声が聞こえてきた。
「誰だ?」
「さっき手合わせした騎士だ。」
「あぁ!クレイスか!入ってくれ!」
「あぁ、失礼するよ」
ガチャっと扉をあけて入ってきたクレイス。先程試合した時の重厚な装備がないせいか、少し垢抜けて見える。
「…イケメンだったのかぁ…。」
一番驚くのはその容姿だ。イケメンとしか形容できないほど顔立ちが整っている。試合時はフルフェイスタイプの防具を装備していたため見えなかったが…。
「照れるじゃないか、それより今は作戦会議中かな?」
少し笑いながら聞いてくる。
「そ、そうだが、どうしたんだ?」
「いやなに、俺も参加しようと思ってな。」
世界最強の男が俺たちの戦いに参加しようと言い出した。
「そ、それは助かるよ!!」
他の三人もウンウンとすごい速さで頷いている。
「力になれそうで何よりだ。思う存分こき使ってくれ!」
ニコッと笑ってクレイスが続ける。
「その代わり、無事にことが終わったら、次は本気で戦おう。アレク君。」
こいつはあれだな…、戦闘バカだな。
「ああ!望むところだ!」
そういって俺はクレイスと握手をした。他の三人もアイドルに会いにきたファンのように握手を交わした。こいつら…
「ところで作戦はどういうものなんだい?」
「本当は何も決まってなかったんだが、アンタが協力してくれるなら話が早い。」
ここまで俺が話した辺りでアリサが気付いたのか、訝しげな表情をこちらに向けてきた。
「アンタ…、まさか…?」
そう。
「題して!!クレイスの囮だよ!~A +は伊達じゃねぇ~作戦ーー!!」
「馬鹿!」
「緊張感を持ってください~!」
「真剣にやれ!」
ゴスゥ…
作戦名を言い放った直後に、三人から罵声と共に拳が飛んできた。スキル不使用状態だったので、HPの数値は半分ほどになっただろう。要するにクソ痛い。
「お、俺はこの沈殿した泥のような雰囲気をだな!変えようとだな!」
俺が身振り素振り弁明していると、クレイスはふむと呟き、
「いいだろう。」
と言い放った。
「へ?いいの?」
「こいつの無茶振りに付き合わなくてもいいんですよ!?」
「俺が囮になった方が、犯人も釣りやすかろう。いいぞ。」
確かに一番都合がいいのは確かだが…
「本当に大丈夫なんですかぁ…?」
「あぁ。問題ない。」
セリスの心配にもノータイムで返答している。
「じゃ、じゃぁ作戦決定で…。」
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