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二期 三章
剣を振る 上
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しんと静まりかえる夜の商店街。
俺達は作戦を実行するべく、昨日の事件が起こった道具屋に来ていた。
「作戦通り、囮作戦を実行する。クレイスは例の場所。俺とアリサは裏手、セリスはさらに奥、サンはセリスを守る位置に…」
立てた作戦を繰り返すうちに、定刻が訪れた。昨日の件の時間だ。
「時間だ!みんな持ち場につけ!!」
それぞれ持ち場へと散らばる。
クレイスはシルキーが襲われたであろう場所に立った。
「シルキー…待っていろ…すぐ…」
俺達は気配を完全に断ち、息を潜める。
長い夜が始まる。
~キルド洞窟~
「まさか今晩もぉぉぉ!!生贄をおぉお!探すことになるとはぁぁぁぁぁ…!」
ギャーギャーと騒ぎ立てるベリアル。
シルキーとダインは動向を観察していた。
「まだ騒いでるわね…、一日中騒いでてよく疲れないものだわ。」
「生贄…多分俺たちのことだよな?だとしたら…」
ダインは慎重派の冒険者だった。どんな簡単なクエストにも思考をやめることをしなかった。
いまも、ダインは顎に手を当てブツブツ呟いている。
「ダイン…、考えるのはいいけど…、奴が動くわ。隠れましょう。」
そう促したところでダインが一つの答えにたどり着く。
「シルキー、お前の婚約者がここに来るぞ。おそらく連れて来られる。」
その言葉とともにベリアルは空へと飛んで行った。
「ど、どういうこと?!」
説明を求めるシルキー。
「ここにいる囚われた奴ら。皆B級以上の冒険者だ。皆が口を揃えていう。歯が立たないと。」
「私も歯が立たなかったわ。まったくもって。」
「そして奴は俺たちを生贄と言った。奴はS級並みに強く、さらに強き者をここに集めていることがうかがえる。」
「生贄に強き者はわかるけど、どうしてそれだけでS級並みに強いってわかるのよ。」
「それは俺たちが"生贄"だからだ。」
ダインは顎から手を離し説明を続ける。
「先程も話したように、皆B級以上の冒険者だ。皆それなりに抵抗もしたはずだ。そんな俺たちをこんなに無傷で運ぶ。」
そこでシルキーも気づいた。
「殺さずに運ぶことがどれだけ難しいか、ということだ。奴は必ずクレイスを連れて来る。…生贄としてな…。」
~アルケイデス 商店街~
「今日来なかったらどうするの?」
アリサが俺に聞いてくる。
「そうだな…」
そう言いながら俺は耳を強化していた。
500メートル、居ない。
1キロ、居ない。
5キロ、居ない。
10キロ、居な…ん?なんだ、羽の音?
羽の音を捉えた俺の耳に次に入ってきた音は、誰かの声だった。
「今日はぁぁぁぁ…!人間でもぉお!捕まえるのにぃぃい!時間がかかりそうなぁぁぁ!奴をぉぉ!!」
不気味な声。
「きてるぞ!!おそらくこの件の悪魔だ!声が聞こえた!距離はここからおそらく…10キロ程だ!」
早口で説明するとピリピリと空気が張り詰めた。皆気を張っている。
「あんた、耳どうなってんの?」
後ろのアリサが発した呆れた声を最後に、その場は静寂に包まれた。
悪魔が後数秒でやって来る。
その緊張感の中、クレイス目のが冷え切っていくのを見た。
俺達は作戦を実行するべく、昨日の事件が起こった道具屋に来ていた。
「作戦通り、囮作戦を実行する。クレイスは例の場所。俺とアリサは裏手、セリスはさらに奥、サンはセリスを守る位置に…」
立てた作戦を繰り返すうちに、定刻が訪れた。昨日の件の時間だ。
「時間だ!みんな持ち場につけ!!」
それぞれ持ち場へと散らばる。
クレイスはシルキーが襲われたであろう場所に立った。
「シルキー…待っていろ…すぐ…」
俺達は気配を完全に断ち、息を潜める。
長い夜が始まる。
~キルド洞窟~
「まさか今晩もぉぉぉ!!生贄をおぉお!探すことになるとはぁぁぁぁぁ…!」
ギャーギャーと騒ぎ立てるベリアル。
シルキーとダインは動向を観察していた。
「まだ騒いでるわね…、一日中騒いでてよく疲れないものだわ。」
「生贄…多分俺たちのことだよな?だとしたら…」
ダインは慎重派の冒険者だった。どんな簡単なクエストにも思考をやめることをしなかった。
いまも、ダインは顎に手を当てブツブツ呟いている。
「ダイン…、考えるのはいいけど…、奴が動くわ。隠れましょう。」
そう促したところでダインが一つの答えにたどり着く。
「シルキー、お前の婚約者がここに来るぞ。おそらく連れて来られる。」
その言葉とともにベリアルは空へと飛んで行った。
「ど、どういうこと?!」
説明を求めるシルキー。
「ここにいる囚われた奴ら。皆B級以上の冒険者だ。皆が口を揃えていう。歯が立たないと。」
「私も歯が立たなかったわ。まったくもって。」
「そして奴は俺たちを生贄と言った。奴はS級並みに強く、さらに強き者をここに集めていることがうかがえる。」
「生贄に強き者はわかるけど、どうしてそれだけでS級並みに強いってわかるのよ。」
「それは俺たちが"生贄"だからだ。」
ダインは顎から手を離し説明を続ける。
「先程も話したように、皆B級以上の冒険者だ。皆それなりに抵抗もしたはずだ。そんな俺たちをこんなに無傷で運ぶ。」
そこでシルキーも気づいた。
「殺さずに運ぶことがどれだけ難しいか、ということだ。奴は必ずクレイスを連れて来る。…生贄としてな…。」
~アルケイデス 商店街~
「今日来なかったらどうするの?」
アリサが俺に聞いてくる。
「そうだな…」
そう言いながら俺は耳を強化していた。
500メートル、居ない。
1キロ、居ない。
5キロ、居ない。
10キロ、居な…ん?なんだ、羽の音?
羽の音を捉えた俺の耳に次に入ってきた音は、誰かの声だった。
「今日はぁぁぁぁ…!人間でもぉお!捕まえるのにぃぃい!時間がかかりそうなぁぁぁ!奴をぉぉ!!」
不気味な声。
「きてるぞ!!おそらくこの件の悪魔だ!声が聞こえた!距離はここからおそらく…10キロ程だ!」
早口で説明するとピリピリと空気が張り詰めた。皆気を張っている。
「あんた、耳どうなってんの?」
後ろのアリサが発した呆れた声を最後に、その場は静寂に包まれた。
悪魔が後数秒でやって来る。
その緊張感の中、クレイス目のが冷え切っていくのを見た。
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