13番目の神様

きついマン

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二期 四章

お金

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「どーすんだこれ。」

 俺たちは武器を購入した後、手持ちのお金をみて再び絶望していた。

 ロクウェル討伐により手に入った50枚の銀貨は、宿屋の店主に15枚、武器に34枚使い、残り1枚となってしまった。
 せっかく入った大金もこの有様である。

「ま、まあでも!安い宿なら泊まれるじゃない!」

「それでまた無一文ですけどね…食事代も無いですしね…はぁ…」

 ため息を吐くセリスにつられて皆肩を落とす。

「あれ?どうしたの?そんな暗い顔して。」

 お金がなさすぎてもはや闇と同化しつつあった俺たちに声をかけて来たのはシルキーだった。

「今日泊まるとこ、決まった?お詫びの物を渡したいのだけど?」

 そういえば泊まる所を教えてと言っていたな。
 わざわざお詫びを改めてとの事だが、そんなに気を使わなくてもいいんだけどな…

「残念ながら、今日は野宿だ。」

 俺がそう答えるとシルキーは驚き、理由を聞いて来た。

「なぜ!?」

「理由は簡単。入った金ほぼ全てを武器に使ってしまったからだ。」

 我ながらアホな理由だ。あの時は冷静さを欠いていたと言って相違ない。ああ、相違ないはずさ!!

「なるほど、ちょうど良かったわ!」

「なにが?」

「ほらこれ、貴方達を危険な目に合わせたお詫び…、少ないけど受け取って?」

 シルキーが差し出して来た布袋の中を全員で覗き込む。中にはは金貨が20枚入っていた。

「「「「えええっ!?なんだこの金額!?」」」」

「私たち…クレイスを助けてくれたお礼と報酬よ…!」

 俺が寝ていた時の話か。

「私、助けたというか…仕返しをしたというか…」

「いいえ、貴方がクレイスを止めなければ、あの人は力の限りの暴走をしていたはずよ。あの時の彼は普通じゃなかった。」

 俺も話を聞いたが、確か悪魔の加護を受けていたんだっけ…
 
 俺の憶測になるが、おそらく最初は押さえつけることが出来ていたその加護が、今回の事件で箍が外れてしまったんだろう。
 
「そう…、ところでその彼は?」

「その彼は後から合流するわ!今しっかりとした休養手続きを取りに行ってるの。だから先に宿の場所を聞こうと…」

 それで恥ずかしい場所を見られたと言うことか…

「シルキーのおかげでどこでも泊まれるようになったし、すぐ決めるよ。」

「そうね…、もう前と同じところでよくないかしら?」

「そうだな。」

 こうしてシルキーから報酬を貰った俺たちはまた、あの商店街の宿屋に泊まることを決めた。


 場所を確認したシルキーはまた後で、と言葉を残して一度帰っていった。

 今日はもう一泊ここで過ごし、明日にはレイムブルグに戻る。そこではまた命をかけた戦闘をすることになる。

 クレイスが言っていた、剣を振るという事。俺は剣を振れるだろうか。振るときに、振れるだろうか。

 これからどれだけの困難が待ち受けているか検討もつかない。

 まずは目先の壁画の謎を解かなければならない。そこから何がわかるか検討も付かないが、この世界に悪影響を及ぼすものなら、立ち向かうまでだ。

「この世界が好きになったからな。」

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