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ニ章
ボアとの戦闘
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コレー南部は大規模な農村地区で、コレーの食物はほとんど南部で賄われている。そのため毎年この月になると、収穫祭をして来年の収穫を祈る伝統があるのだ。
だが、毎年《ボア》に荒らされている。例年なら、小規模な群れで、ギルドに頼まずともなんとかできていたのだが、今年は違った。
確認できているだけでも、すでに例年の5倍は来ているらしい。これほどまでに数が多いと、戦いに向いた職業についていないもの達では分が悪い。運が悪ければ死ぬ可能性もでる。
それで仕方なく今回はギルドへ依頼を出したのだ。
アレク達はコレー南部の森へ来ていた。鬱蒼としており木々草花が生い茂っている。
「ボアの群れはいったいどのあたりにいるもんなんだ?」
アレクは足にまとわりつく草を、先ほどギルドでもらったナイフで切りはらいながら聞いた。
「普通なら森の奥の方、湖のところにいるわ。群れでも多くて5~6匹でそんなに多くないわ。普通ならね。」
基本《ボア》などの弱いモンスターは群れで生活する。街の畑にまで来る奴は、基本的には群れからはぐれた奴だ。
すでに畑に現れた匹数は6を超えているらしい。1つの群れレベルだ。
「それは…普通じゃないみたいだなぁ…大丈夫なのか俺は…未だに自分のステータスがどれぐらいすごいかわからないし…」
「アレクのステータスはすごいなんてもんじゃないわよ。正直一生修行してもあの領域にはならないでしょうね。ただ、あなたの体力と力はH級戦士くらいだから…何もできない、スキル、魔法なんてわからない、となると少し不安ね…」
「はぁ…不安だ…」
この世界に来て不安ばかりだ…と思いながら、アレクは軽くため息をついた。
—その時、草陰から物音が聞こえた。
ガサガサと、アレクとアリサの周りを走り回っている。
「俺達の様子をうかがっているようだな…ボアか…?」
「アレク、私に近づいて…」
言われなくても近づくにきまってる。今の俺は何もできないからな。
「様子が変よ、ボアは知能が低い魔物のはずなのに、こちらをうかがうなんて知能行動…」
そうアリサが呟いた瞬間、草陰から黒い塊が突進して来た。…俺に向かって。
「来た!!」
「俺かよ!!!」
猛スピードでボアは突進して来る。頭には硬そうな皮膚があり、あれで攻撃するみたいだ。
当たるわけにはいかない。幸い足元は硬いからかわすのは容易いな、走って向かって来るなら冷静にギリギリでかわせば、ボアの奴は慣性で通り過ぎてしまうだろう。
ボアがどんどん迫って来る、めっちゃ怖い。
目の前まで来た。ここだ!!!
俺は横に思い切り踏み込み、寸前でかわす。ボアは案の定止まれずに、二撃目まで時間を要している。
「アリサ!」
「もう行ってるわ!!」
アリサも意図を読んでいたみたいで、ボアに追いつくスピードで走っていた。人間か?あいつ。
「ハッ!」
掛け声とともにアリサが剣を振り下ろし、ボアはその場に倒れた。
「やっぱり最近モンスターの動きがおかしいわね……!!?アレク!!後ろ!!」
「後ろ?…ッ!!!!」
振り返るとボアが全力でこちらに走って来ていた。
もう1匹いやがったか…この距離じゃもう避けられない!!
「チッ!!!」
かわそうと思ったが、俺の速さじゃ到底間に合わない!!当たる!!
そう思った瞬間、アレクの体に異変が起きた。
なんと、アレクは向かって来たボアを踏みつけ、もう一方の足で顎に蹴りを入れつつ跳躍し、背中をナイフで切りつけ着地。その流れのまま脳震盪と痛みで倒れたボアの脚の腱を一気に切り裂き戦闘不能にした。
「え…?」
アリサは驚愕の顔をしている。
「え…?俺は一体…?」
それはアレクも同様だった。
「アレク…あなた戦えるなら最初から言ってよ…心配したじゃない…」
「いや、俺は今が初戦闘だよ…」
「え?どういうこと??じゃああれはまぐれ?」
「という事になるのかな…わからない…」
俺だって困惑してるし、アリサの反応を見た感じ相当困惑しているだろう。しかし、俺に一体何が起こったんだろう…
「そう……ま、まぁいいわ!無事だったんだし!先を急ぎましょ!」
「あ、あぁ…そうだな!いこう!」
この時、アレクのステータスに変化があったことは、本人は気づいていない。
アレク
冒険者LV2
職業:神技(シンギ)使い
体力 55
力 35
知恵 500
精神 2550
魔力 500
スキル
神化:不完全状態
だが、毎年《ボア》に荒らされている。例年なら、小規模な群れで、ギルドに頼まずともなんとかできていたのだが、今年は違った。
確認できているだけでも、すでに例年の5倍は来ているらしい。これほどまでに数が多いと、戦いに向いた職業についていないもの達では分が悪い。運が悪ければ死ぬ可能性もでる。
それで仕方なく今回はギルドへ依頼を出したのだ。
アレク達はコレー南部の森へ来ていた。鬱蒼としており木々草花が生い茂っている。
「ボアの群れはいったいどのあたりにいるもんなんだ?」
アレクは足にまとわりつく草を、先ほどギルドでもらったナイフで切りはらいながら聞いた。
「普通なら森の奥の方、湖のところにいるわ。群れでも多くて5~6匹でそんなに多くないわ。普通ならね。」
基本《ボア》などの弱いモンスターは群れで生活する。街の畑にまで来る奴は、基本的には群れからはぐれた奴だ。
すでに畑に現れた匹数は6を超えているらしい。1つの群れレベルだ。
「それは…普通じゃないみたいだなぁ…大丈夫なのか俺は…未だに自分のステータスがどれぐらいすごいかわからないし…」
「アレクのステータスはすごいなんてもんじゃないわよ。正直一生修行してもあの領域にはならないでしょうね。ただ、あなたの体力と力はH級戦士くらいだから…何もできない、スキル、魔法なんてわからない、となると少し不安ね…」
「はぁ…不安だ…」
この世界に来て不安ばかりだ…と思いながら、アレクは軽くため息をついた。
—その時、草陰から物音が聞こえた。
ガサガサと、アレクとアリサの周りを走り回っている。
「俺達の様子をうかがっているようだな…ボアか…?」
「アレク、私に近づいて…」
言われなくても近づくにきまってる。今の俺は何もできないからな。
「様子が変よ、ボアは知能が低い魔物のはずなのに、こちらをうかがうなんて知能行動…」
そうアリサが呟いた瞬間、草陰から黒い塊が突進して来た。…俺に向かって。
「来た!!」
「俺かよ!!!」
猛スピードでボアは突進して来る。頭には硬そうな皮膚があり、あれで攻撃するみたいだ。
当たるわけにはいかない。幸い足元は硬いからかわすのは容易いな、走って向かって来るなら冷静にギリギリでかわせば、ボアの奴は慣性で通り過ぎてしまうだろう。
ボアがどんどん迫って来る、めっちゃ怖い。
目の前まで来た。ここだ!!!
俺は横に思い切り踏み込み、寸前でかわす。ボアは案の定止まれずに、二撃目まで時間を要している。
「アリサ!」
「もう行ってるわ!!」
アリサも意図を読んでいたみたいで、ボアに追いつくスピードで走っていた。人間か?あいつ。
「ハッ!」
掛け声とともにアリサが剣を振り下ろし、ボアはその場に倒れた。
「やっぱり最近モンスターの動きがおかしいわね……!!?アレク!!後ろ!!」
「後ろ?…ッ!!!!」
振り返るとボアが全力でこちらに走って来ていた。
もう1匹いやがったか…この距離じゃもう避けられない!!
「チッ!!!」
かわそうと思ったが、俺の速さじゃ到底間に合わない!!当たる!!
そう思った瞬間、アレクの体に異変が起きた。
なんと、アレクは向かって来たボアを踏みつけ、もう一方の足で顎に蹴りを入れつつ跳躍し、背中をナイフで切りつけ着地。その流れのまま脳震盪と痛みで倒れたボアの脚の腱を一気に切り裂き戦闘不能にした。
「え…?」
アリサは驚愕の顔をしている。
「え…?俺は一体…?」
それはアレクも同様だった。
「アレク…あなた戦えるなら最初から言ってよ…心配したじゃない…」
「いや、俺は今が初戦闘だよ…」
「え?どういうこと??じゃああれはまぐれ?」
「という事になるのかな…わからない…」
俺だって困惑してるし、アリサの反応を見た感じ相当困惑しているだろう。しかし、俺に一体何が起こったんだろう…
「そう……ま、まぁいいわ!無事だったんだし!先を急ぎましょ!」
「あ、あぁ…そうだな!いこう!」
この時、アレクのステータスに変化があったことは、本人は気づいていない。
アレク
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職業:神技(シンギ)使い
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