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三章
旅立ち 下
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俺は耳を疑った。
アリサの先祖の名前が”アレク・サンダー”?
俺のスキル名と一緒じゃないか…
「…何か俺と関係あるのか?」
「全くないとは、思えないわね…」
「そうですねぇ…完全に名前が一致してるとなると…何かありそうですねぇ…」
俺もそう思う。無関係とは言えないだろう。ただ、
「まだ情報が足りないな。」
(それに、ペルセポネが言っていたことも気になる。旅でも…)
と、考えていたら、アリサが心を読んだかのように話し始めた。
「…ねえ、アレク?私と旅に出ない?」
「お、俺はいいけど、お前は大丈夫なのか?」
「…いつか」
「いつか?」
アリサは目に涙を浮かべていた。
「いつか、親の仇を取りたいとずっと思ってた。そのために鍛えてきた。だけど、いざとなれば、怖くて逃げることしか考えられなかったし、歯が立たなかった。」
「でも、私このままでいたくない。絶対に仇を討ちたい。だから旅にでたい。アレクについてきてほしいの…不安だから…」
いつもの強気のアリサが、こんなに弱々しく、ただはっきりとした思いを伝えてくれた。ちょっと前の俺なら力になれなかったはずだ。だが今なら…少しは力になれるかもしれない。それに、ペルセポネの話も気になる。
…断る理由はないな。
「ああ、俺でよければ力になるよ。宜しく、アリサ!」
「…!!ありがとう!!あなたがいれば心強いわ!」
助けたあたりからアリサの俺を見る目が変わった気がするんだが…気のせいかな?
「二人で旅にでちゃうんですかぁ?なんだか不安ですぅ…」
話を聞いていたセリスが不満そうな顔で続けた。
「不安だから私もついていきます!!」
……え?
「ついてくる!?」
「あなた受付の仕事は?!」
「代わりなんてたくさんいますぅ!二人だけじゃ不安です!怪我したら誰が治療するんですかぁ!」
「ついてきてくれるなら、それはありがたいが…いいのか?」
「いいんです!!アリサは私のお気に入りなんですぅ!ほっておけません!」
「ええぇ!?私がお気に入り?!」
「そうです!だからついていきますね!!」
こうして、やや強引にセリスも加わり、3人で旅をすることになった。
…成り行きとはいえ、まさか両手に華。こんなに美人な二人が俺と旅をするって…前世じゃ考えられなかったな…
まだ自分になにができるかはっきりわからないけど、自分の手の届く範囲は必ず助けてみせる。
そう誓った。
「…ところで、旅に出るとしてまずどこに向かうんですかぁ?」
「そうね、まずは隣のレイムブルグ村に行って情報収集とかかしらね。」
「俺は迷い人で、これから先はなにもわからないから、そこは任せるよ。」
「そうですねぇ…仇を討つにしても場所がわからないですからね…情報収集。賛成です。」
「決まりね!じゃあ明日の朝にコレーを出発よ!!」
そう行って3人は宿屋へ向かった。今日はゆっくり休もう…
~魔王城~
「ルシファー様、ただいま戻りました。」
アザゼルは玉座の上で光っている魔石に話しかける。応答はない。
「おそらく神の力、12柱が何かこの世界に力を施したのでしょう。今はまだ余波しか確認できておりません。ただ、怪しい者は分かりました。監視を続けていきます。」
魔石はただ鈍く光るのみ…
「ルシファー様の復活を心より、お待ちしております…それでは、失礼いたします。」
魔石はまた鈍く光る…
アリサの先祖の名前が”アレク・サンダー”?
俺のスキル名と一緒じゃないか…
「…何か俺と関係あるのか?」
「全くないとは、思えないわね…」
「そうですねぇ…完全に名前が一致してるとなると…何かありそうですねぇ…」
俺もそう思う。無関係とは言えないだろう。ただ、
「まだ情報が足りないな。」
(それに、ペルセポネが言っていたことも気になる。旅でも…)
と、考えていたら、アリサが心を読んだかのように話し始めた。
「…ねえ、アレク?私と旅に出ない?」
「お、俺はいいけど、お前は大丈夫なのか?」
「…いつか」
「いつか?」
アリサは目に涙を浮かべていた。
「いつか、親の仇を取りたいとずっと思ってた。そのために鍛えてきた。だけど、いざとなれば、怖くて逃げることしか考えられなかったし、歯が立たなかった。」
「でも、私このままでいたくない。絶対に仇を討ちたい。だから旅にでたい。アレクについてきてほしいの…不安だから…」
いつもの強気のアリサが、こんなに弱々しく、ただはっきりとした思いを伝えてくれた。ちょっと前の俺なら力になれなかったはずだ。だが今なら…少しは力になれるかもしれない。それに、ペルセポネの話も気になる。
…断る理由はないな。
「ああ、俺でよければ力になるよ。宜しく、アリサ!」
「…!!ありがとう!!あなたがいれば心強いわ!」
助けたあたりからアリサの俺を見る目が変わった気がするんだが…気のせいかな?
「二人で旅にでちゃうんですかぁ?なんだか不安ですぅ…」
話を聞いていたセリスが不満そうな顔で続けた。
「不安だから私もついていきます!!」
……え?
「ついてくる!?」
「あなた受付の仕事は?!」
「代わりなんてたくさんいますぅ!二人だけじゃ不安です!怪我したら誰が治療するんですかぁ!」
「ついてきてくれるなら、それはありがたいが…いいのか?」
「いいんです!!アリサは私のお気に入りなんですぅ!ほっておけません!」
「ええぇ!?私がお気に入り?!」
「そうです!だからついていきますね!!」
こうして、やや強引にセリスも加わり、3人で旅をすることになった。
…成り行きとはいえ、まさか両手に華。こんなに美人な二人が俺と旅をするって…前世じゃ考えられなかったな…
まだ自分になにができるかはっきりわからないけど、自分の手の届く範囲は必ず助けてみせる。
そう誓った。
「…ところで、旅に出るとしてまずどこに向かうんですかぁ?」
「そうね、まずは隣のレイムブルグ村に行って情報収集とかかしらね。」
「俺は迷い人で、これから先はなにもわからないから、そこは任せるよ。」
「そうですねぇ…仇を討つにしても場所がわからないですからね…情報収集。賛成です。」
「決まりね!じゃあ明日の朝にコレーを出発よ!!」
そう行って3人は宿屋へ向かった。今日はゆっくり休もう…
~魔王城~
「ルシファー様、ただいま戻りました。」
アザゼルは玉座の上で光っている魔石に話しかける。応答はない。
「おそらく神の力、12柱が何かこの世界に力を施したのでしょう。今はまだ余波しか確認できておりません。ただ、怪しい者は分かりました。監視を続けていきます。」
魔石はただ鈍く光るのみ…
「ルシファー様の復活を心より、お待ちしております…それでは、失礼いたします。」
魔石はまた鈍く光る…
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