13番目の神様

きついマン

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三章

旅立ち 下

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 俺は耳を疑った。

 アリサの先祖の名前が”アレク・サンダー”?
 俺のスキル名と一緒じゃないか…

「…何か俺と関係あるのか?」

「全くないとは、思えないわね…」

「そうですねぇ…完全に名前が一致してるとなると…何かありそうですねぇ…」

 俺もそう思う。無関係とは言えないだろう。ただ、

「まだ情報が足りないな。」

(それに、ペルセポネが言っていたことも気になる。旅でも…)
と、考えていたら、アリサが心を読んだかのように話し始めた。

「…ねえ、アレク?私と旅に出ない?」

「お、俺はいいけど、お前は大丈夫なのか?」

「…いつか」

「いつか?」

 アリサは目に涙を浮かべていた。

「いつか、親の仇を取りたいとずっと思ってた。そのために鍛えてきた。だけど、いざとなれば、怖くて逃げることしか考えられなかったし、歯が立たなかった。」

「でも、私このままでいたくない。絶対に仇を討ちたい。だから旅にでたい。アレクについてきてほしいの…不安だから…」

 いつもの強気のアリサが、こんなに弱々しく、ただはっきりとした思いを伝えてくれた。ちょっと前の俺なら力になれなかったはずだ。だが今なら…少しは力になれるかもしれない。それに、ペルセポネの話も気になる。

 …断る理由はないな。

「ああ、俺でよければ力になるよ。宜しく、アリサ!」

「…!!ありがとう!!あなたがいれば心強いわ!」

 助けたあたりからアリサの俺を見る目が変わった気がするんだが…気のせいかな?

「二人で旅にでちゃうんですかぁ?なんだか不安ですぅ…」

 話を聞いていたセリスが不満そうな顔で続けた。

「不安だから私もついていきます!!」

 ……え?

「ついてくる!?」

「あなた受付の仕事は?!」

「代わりなんてたくさんいますぅ!二人だけじゃ不安です!怪我したら誰が治療するんですかぁ!」

「ついてきてくれるなら、それはありがたいが…いいのか?」

「いいんです!!アリサは私のお気に入りなんですぅ!ほっておけません!」

「ええぇ!?私がお気に入り?!」

「そうです!だからついていきますね!!」

 こうして、やや強引にセリスも加わり、3人で旅をすることになった。

 …成り行きとはいえ、まさか両手に華。こんなに美人な二人が俺と旅をするって…前世じゃ考えられなかったな…
 まだ自分になにができるかはっきりわからないけど、自分の手の届く範囲は必ず助けてみせる。

 そう誓った。



「…ところで、旅に出るとしてまずどこに向かうんですかぁ?」

「そうね、まずは隣のレイムブルグ村に行って情報収集とかかしらね。」

「俺は迷い人で、これから先はなにもわからないから、そこは任せるよ。」

「そうですねぇ…仇を討つにしても場所がわからないですからね…情報収集。賛成です。」

「決まりね!じゃあ明日の朝にコレーを出発よ!!」

 そう行って3人は宿屋へ向かった。今日はゆっくり休もう…






~魔王城~

「ルシファー様、ただいま戻りました。」

 アザゼルは玉座の上で光っている魔石に話しかける。応答はない。

「おそらく神の力、12柱が何かこの世界に力を施したのでしょう。今はまだ余波しか確認できておりません。ただ、怪しい者は分かりました。監視を続けていきます。」

 魔石はただ鈍く光るのみ…

「ルシファー様の復活を心より、お待ちしております…それでは、失礼いたします。」

 魔石はまた鈍く光る…
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