13番目の神様

きついマン

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3.05章 ~宿屋でのお話~

ドキドキ3人部屋!

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「「「3人部屋ぁ!?」」」

 宿屋についた俺たちはチェックインするべく、受付に話しかけた。
 
「3人部屋しか空いてないのか?!」

「は、はい…ただいまその部屋以外うまっておりまして…そこしか…」

「だ、そうだ…どうする?」

「どうするもなにも…もう疲れちゃったし、我慢するしかないわよ…」

「そうですねぇ…」

 まさか旅立つ前にこんな試練が待ち受けてるとは、先が思いやられる。

「それでは三名様で、305号室でございます!」

 鍵を渡され、案内された。


 ~305号室~
「はぁ~、今日は疲れたなぁ…色々ありすぎた…」

 こっちの世界に来て、クマに襲われ、ボアと戦い、悪魔にあって、でかいボアと戦った。スキルとかいう技を使えるようになったし、自分のステータスも見えるようになった。

 …頭がパンクしそうだ…

「アレクー!私たちお風呂入ってくるわねー!」

「ああ!行ってらっしゃい、気をつけてな!」

 美人二人はお風呂に行くらしい。俺もそろそろ風呂に入るとするか…

 この宿屋メルンは大浴場があるらしく、部屋に来る前に大きな風呂があるのが見えた。二人もおそらく大浴場に向かったのだろう。

「しかし、あんな美人二人の風呂か…」

 少し妄想してしまった。

「イカンイカン…とりあえず入るとするか」

 俺も二人の後を追って大浴場へ向かった。


 ~大浴場:女性視点~

「気持ちいいわね~!!」

「そうですねぇ、ほんと、極楽ですぅ。」

 二人は大浴場の扉から行ける露天風呂にはいっていた。

 空は満天の星空で、すごく綺麗だ。

「ほんとどうなることかと思ったけど、助かってよかったわ。」

「ほんとですよぅ!心配したんですから!」

「ありがとね、セリス……………セリスあなた…そんなに胸が大きかったの?!」

 そう言ったアリサの目線の先には、豊満なバストがあった。

「な、なに言ってるんですかぁ!そんなにないですよぅ!」

「嫌味に聞こえるわねそれは…」

 何を隠そう。アリサは自他共に認める貧乳なのである。つるぺたである。

「なんか今無性に腹が立ったわ。揉ませなさい。」

「えぇ!?なにを言ってるんですか?!ってきゃあっ!やめっ、あんっ、そこは…」

 アリサはむんずとセリスの乳を掴み、揉みしだき始めた。

「きゃあああああっ!!」

 セリスの声が響いた…




 ~大浴場:男声視点~

「あぁ~~、疲れが取れるなぁ…やっぱり風呂は最高だな。」

「それにしても、本当に今日1日で色々あったなぁ…ありすぎて整理ができん…」

「まあ、とりあえず今日のところは疲れを取るとしますか。」

 一人きりで入る風呂で寂しさからか独り言が増える。

「ん?あの扉、もしかして…露天風呂か?!日本男児としては行くしかない!!」

 おそらく露天風呂に続くであろう扉を開けて、外に出た。
 目の前には広い石囲の風呂が広がっており、心を躍らせていると…

「きゃあああああっ!」

 セリスの叫び声が聞こえた。女風呂で何かあったのか!?

「大丈夫か!」

 声の聞こえた方に駆け寄りながら、叫ぶ。
 すると、湯気の奥に人影が見えた。

 なんとそこには、アリサとセリスがいた。

 そこには美しい裸の女性が二人…
 目がいろんなところを勝手に見てしまう。男の性だ。

 しばらく硬直ののち、

「「キャァァァァァァア!!」」

バシーン

 二人が叫び声をあげ、ビンタしてきた。

「いってぇ!!なんだよ!心配したのに!」

「い、いやいや!!あんたなんで女風呂にいるのよ!!」

 二人は身をタオルで隠しながら、俺を睨んでいる。

「いや俺は男の方に入ったはずだが!?」

「言い訳は聞きたくないですう!!」

「いやいやほんとだって!信じてくれよ!」

 俺は必死に弁解をしようとしたが、聞く耳を持ってもらえない。一体どうしたら…

「とりあえず一回出よう!!それからだ話は!」

「そうね…このまま話をするのは流石に恥ずかしいわ…」

「恥ずかしいですよう…」

 俺達は風呂から上がろうとした。

 が、

 つるんっ

「うわっ!!」

 ドシンという音とともに、足を滑らせてこけてしまった。

「いって…すまない、大丈夫か?」

「何してんのよ…痛いじゃない…」

 アリサを巻き込んで倒れてしまったようで、ほのかに柔らかい感覚が手のひらを伝う。
 …柔らかい?

「…手、どけてくれない?」

「うわぁっ!!ごめん!!」

 こけたはずみで、アリサの胸、胸?を揉んでしまっていたみたいだ。

 目の前には、恥ずかしさからか顔を赤らめ目を背ける、どうも背徳感に駆られていけないアリサの姿があった。理性を保つのがやっとのレベルで可愛い。

「…流石にお約束すぎて、失笑ですよぅ?」

 セリスの言葉を最後に、俺たちは風呂を出た。



 ちなみに、大浴場の扉の横には立て札で
「混浴露天風呂」
 と書いてあった。

 なんでも女性を見に来る男で溢れたから、女性は入らなくなり、その後男性も入らなくなったらしく、今は誰も使ってなかったそうだ。

 一応宿屋メルンの看板とされているので、整備だけはしっかりされているそうで、露天風呂から見える星空もかなり立派なものだった。

 まあ、その後部屋でもう一発くらったビンタのせいで、違うお星様も見えたけどな。

 



「もう寝るわよ!」

 そういってアリサは灯を消しベットに寝た。

「まだ怒ってんのか、はぁ、やれやれ…」

 ため息まじりに俺もベットに横になった。
 
 セリスはすでに寝息を立てている。寝ていても綺麗なその顔は心地好さそうな表情を浮かべている。俺も誘われて眠くなってきたし、今日は寝るとしようか。





 寝る体制に入ってうつらうつらとしてきた頃、枕元で声がした。  

「…アレク…一緒に寝たい…どうしても怖くて寝れないの…」

 アリサが立っていた。

「ん…?どうしたんだ?アリサ。」

「怖いから一緒に寝て…」

「怖いって、アザゼルのことか?」

「うん…どうしても体が震えちゃって、寝れないの…」

「だから安心させて…?」

 アリサは涙目でそう言った。

 いや、これはもうもはや無理だろう。いや可愛いなんてもんじゃないし、断る意味がわかりませんはい。

「あ、あぁ…いいよ。おいで…」

 なんとか平常心のふりをしながら呼んだ。

「ありがとう…アレク…」

 すると、アリサがベットに入ってきた。すっごくいい匂いがします。

「俺が…守るよ。おやすみ。」

「ありがとう、アレク、最初はヘタレかと思っちゃったけど、あんなに強いなんて驚いちゃったし、自分の強さがわかってなくても物怖じせずに挑む心の強さ、凄く尊敬してる。」

「まだ、出会ったばかりだけど、それでもあなたといれば安心するわ。不思議ね…本当に。昔から一緒だったみたいに安心するの……アレク、あなたのこと…」

「ん?なんだ?って寝てるじゃねーか…」

「…おやすみ、アリサ。」

 おそらく緊張が解けて一気に眠ってしまったのだろう。疲れていただろうし、しょうがない。

「それにしても最後なんて言おうとしたんだろうな…」

「異世界1日目。とても濃度の濃いものだったな…」

 そう呟き、俺は寝た。
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