13番目の神様

きついマン

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四章

基本的に祭りやってる

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 レイムブルグについたのは日が暮れたころだった。
 
 そして俺は、驚愕していた。
 魔物に襲われて大変なはずなのに、見渡す限りの提灯、出店、飾りに次ぐ飾り。村人たちは活気で溢れている。見た感じかなり豪快な性格をしているようだ。

「お、おい、この村事件真っ最中じゃないのか…?なんで祭りなんかやってんだ…」

「さっき言ったじゃない、祭りの村だって」

「いやさすがに今はやってないと思うだろ!」

「どんな時でも祭りをやるのが、私たちの村ですから!」

 なぜか誇らしげに胸を叩き、サントが言った。

 そんな豪快な村を案内され、村長の元へ向かった。

 しばらく歩くと、村で一番大きな建物へ着いた。
 サントが俺たちを中に入るように促し、それに応じた。
 中は広く、部屋がいくつもある、奥の立派な扉の前に立ち、サントがノックをした。

「村長!」

 バタンと開いたドアの向こうには、豪快で身長も2メートルを余裕で越す体格のいい人が立っていた。

「誰だァ?おぉ、サントか、どうしたァ?」

 見た目通りの豪快な声に少し驚く。

「客人です。今回の件の犯人と思われる者を追っている方々です。」

「なに!通せ通せ!!酒を出そう!」

「すんなり信用するんだな、大丈夫なのか…?」

 逆に俺が心配になる。

「あぁ、村長はそういう人ですから…」

 さすがは祭りの村、村長が一番祭りって感じを出している。

「まあ、座れよ!話を聞かせてくれ!」

「ああ、それじゃあ…」

 これまでの経緯を話し、村で起こっていることを聞いた。

 どうやらコレーと似たような事件が起きているようだ。異常に増えた魔物や、異常行動をする魔物に村が襲われているらしい。
 その魔物は、近くの古い洞窟から出てきているそうだ。
 また、今日の祭りは洞窟散策前夜祭りで、明日村の戦闘慣れした人達が洞窟の調査に向かう為の、活気づけ前夜祭だそうだ。

「ということは、明日もお祭りを…?」

「あったりめえじゃねえか!がははは!」

 と、酒で出来上がってしまった村長が豪快に笑い飛ばした。

「ところで、お前さんたち、その…アシガル?とかいうのを探してるんだろォ?んで、異常行動をしている魔物の元凶らしいじゃねえか!」

「アザゼルだよ、おっさん。そうだよ、俺たちはそいつを追ってるんだ。」

「好都合じゃねえか!お前ら少しは腕が立つんだろ?だったら明日の洞窟散策に参加してくれや!」

「最初からそのつもりだよ、ほっても置けないしな。」

 俺は昔から正義感だけは強かったなぁと、思い出していた。

「最高じゃねえか兄弟!!明日は頼むぜ!俺も行くからよ!!」

「ああ、任された。」



「もし…」

 ずっとうつむいて黙っていたアリサが口を開いた。

「アザゼルがいたら、すぐに逃げてください。お願いします。」

「そんなやべえやつなのか、そいつは。まあ、俺が勝てないと思えば逃げるさ、これでもそこそこ腕は立つんだぜ!」

「そうですか…お願いします…」

「アリサ、大丈夫?」

 セリスが心配そうに見ている。

「大丈夫よ、少し思い出しちゃっただけ。」

「とりあえず、明日まで休ませてもらうぜおっさん。明日はよろしくな!俺たちが力になるよ!」

「おお!期待してるぞ!」

 その後話を終えた俺たちは村長の家を出て宿に向かった。

 アリサの体調も心配だったので早急に宿を見つけ、部屋をとり、異世界2日目を終えた。

 部屋についた俺は状況を整理していた。昨日は整理できなかったからな。

「…アリサは勇者の子孫。勇者はアレク・サンダー…俺のスキル名と同名。まだまだ謎ばかりだな…」

「…まだ世界を救うとかわかんねえけど、俺にできることならしてやるさ…もう守れないのは嫌だからな。」

 アレクは決意し、夢の世界へと落ちていった。

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