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四章
話し合い
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「ここは…村の宿?」
目が覚めると、前に宿泊したレイムブルグの宿屋の天井が目に入った。…知ってる天井だな。
…どうやらベルゼ・ブブと戦った後、俺は気絶してしまったようだ。
「って言うことは、ここに俺を運んでくれたのは二人か…そういえば二人はどこに?」
二人のことも心配なのでそろそろ起きようと身体を起こした瞬間、昔見た著名な絵画のような美しい絵が目の前に広がっていた。
俺の寝ているベッドの横に、二人が座り、寝ていた。窓から差し込む朝日が二人を美しく照らし出している。かの有名な光の魔術師を想像させる。
「……」
俺は息も忘れて、目前の美しい景色に見とれていた。そんな俺の気配に気づいたのか、アリサが目を覚ました。
「んん…アレク…?…!目を覚ましたの!?よかった…」
先程、見とれていた女性に心配されるのだ。こんなにドキドキすることはない。
「おかげさまでな、二人がここまで運んできてくれたんだよな。ありがとう。そして二人が無事でよかった。」
「お礼ならセリスに言いなさい。睡眠もとらずにアレクに治癒魔法をかけ続けていたのよ。」
「セリス…」
そう呟き俺はまだスヤスヤと眠っているセリスを見た。余程疲れているのか、これだけ横で喋っていても起きる様子がない。
「アレク、セリスが起きたら話があるの。」
アリサが真剣な目で話す。正直、俺も話したいことがある。これからのこと、謎が多すぎる今の現状。魔王が復活した際の影響。いろいろな話をして、今後を決めないといけない。
「俺も、あるよ。…そうだな、まだ疲れが残ってるし、もう少し休んでからだな。」
「そうね…」
…
……
………
半日後、俺たちは宿の食堂で話し合っていた。
「これからどうすんだ?全くもって不本意なんだが、これから何度も襲われるんだろうなぁ…」
俺はこれから先のことを考え、頭を抱えながら話を切り始めた。
「そうね…勇者の子孫に、勇者と同じ名前の迷い人。きっと魔王側にとっては面白くない話のはずよね…」
俺とほぼ一緒の姿勢でこれから先を悩むアリサ、二人で重いため息をついた。
「私怖いですぅ…また動けなくなっちゃいそうで…」
セリスも習って同じ姿勢でため息をついた。
「そこでだ、これから鍛えないか?」
「鍛える…?」
これは今の戦闘力を見ての考えだった。今の現状を見ても、どうしたって平穏な生活をおくることができない。だったら平穏に暮らせるくらいに強くなってやろうという訳だ。
…だいたい俺はどこまで不憫なんだ?転生する前は通り魔に殺され、転生後は神とか名乗る奴に急に世界を背負わされ、そのせいで命を狙われ始め…
不幸すぎないか?とある小説の不幸な高校生の言葉を借りてこう言いたい。
「不幸だ…。」
俺のつぶやきを聞いたアリサが「どうしたの?」と聞いてきた。
「い、いや、なんでもない。それより鍛える件だ。どうかな?」
「悪い話じゃないと思うわ。」
「私も賛成ですぅ。」
「決まりだな!」
話がまとまったところで、宿の扉が開き、村長が入ってきた。
「オメェら!無事だったみてえだな!」
「なんとか、な。そういえば、村の方の被害は?」
洞窟に向かう前に見た景色は、良いものではなかった。かなりの被害が出てなければ良いが…
「お前達のお陰で被害は最小限におさまったぜ、村の長として礼をするよ。」
俺の二倍はある身体を曲げて、村長は礼をした。(礼の文化あったんだな。)
「いやいや!こっちも身を守るために戦ったんだ、そんな大したことしてねえよ!!顔上げてくれ!」
「そうか」と言って巨大な村長は顔を上げながら懐から何かを取り出した。
「代わりと言っちゃあなんだが、これを持っていってくれ。」
そう言って村長が渡してきた物は、小さな本だった。
「本?」
「ああ、この本はこの村一番の歴史ある古書だ。旅をするお前達の何らかの役にたつだろう。」
「歴史的に価値があるものじゃないのか?いいのか?」
「ああ!他でもねえ、お前達だからな!」
そう言うと村長は本をやや強引に俺に渡した。
俺は渡された本を数ページめくって目を疑った。
「これ…ほとんど白紙のページじゃないか!!」
本の中は最初の方だけに何か書いてあり、後半は白紙だった。
「ああ、だが確かに歴史あるものだ。」
俺にはどう価値があるかわからないが、何かの役にはたつかもしれない。好意を無駄にしたくもないし、貰っておこう。
「…ありがとな、使わせてもらうよ。」
本を渡した村長はニカッと笑って、「後でウチこいよ!歓迎してやる!」と残して宿を出ていった。
「豪快だな、変わらず…」
気を取り直し話を戻す。
「それで、これからのことだが、少しずつ鍛えていく方針で良いか?」
「そうね。焦ってもしょうがないわね。」
「私も役に立てるよう頑張りますぅ…」
これで今後の方針も決まった。正直これから先、どうなることか…
…俺の異世界生活、どうなるんだ…?
…この時、本に変化があったのだが、それに気づくのはまだ先のことだった。
目が覚めると、前に宿泊したレイムブルグの宿屋の天井が目に入った。…知ってる天井だな。
…どうやらベルゼ・ブブと戦った後、俺は気絶してしまったようだ。
「って言うことは、ここに俺を運んでくれたのは二人か…そういえば二人はどこに?」
二人のことも心配なのでそろそろ起きようと身体を起こした瞬間、昔見た著名な絵画のような美しい絵が目の前に広がっていた。
俺の寝ているベッドの横に、二人が座り、寝ていた。窓から差し込む朝日が二人を美しく照らし出している。かの有名な光の魔術師を想像させる。
「……」
俺は息も忘れて、目前の美しい景色に見とれていた。そんな俺の気配に気づいたのか、アリサが目を覚ました。
「んん…アレク…?…!目を覚ましたの!?よかった…」
先程、見とれていた女性に心配されるのだ。こんなにドキドキすることはない。
「おかげさまでな、二人がここまで運んできてくれたんだよな。ありがとう。そして二人が無事でよかった。」
「お礼ならセリスに言いなさい。睡眠もとらずにアレクに治癒魔法をかけ続けていたのよ。」
「セリス…」
そう呟き俺はまだスヤスヤと眠っているセリスを見た。余程疲れているのか、これだけ横で喋っていても起きる様子がない。
「アレク、セリスが起きたら話があるの。」
アリサが真剣な目で話す。正直、俺も話したいことがある。これからのこと、謎が多すぎる今の現状。魔王が復活した際の影響。いろいろな話をして、今後を決めないといけない。
「俺も、あるよ。…そうだな、まだ疲れが残ってるし、もう少し休んでからだな。」
「そうね…」
…
……
………
半日後、俺たちは宿の食堂で話し合っていた。
「これからどうすんだ?全くもって不本意なんだが、これから何度も襲われるんだろうなぁ…」
俺はこれから先のことを考え、頭を抱えながら話を切り始めた。
「そうね…勇者の子孫に、勇者と同じ名前の迷い人。きっと魔王側にとっては面白くない話のはずよね…」
俺とほぼ一緒の姿勢でこれから先を悩むアリサ、二人で重いため息をついた。
「私怖いですぅ…また動けなくなっちゃいそうで…」
セリスも習って同じ姿勢でため息をついた。
「そこでだ、これから鍛えないか?」
「鍛える…?」
これは今の戦闘力を見ての考えだった。今の現状を見ても、どうしたって平穏な生活をおくることができない。だったら平穏に暮らせるくらいに強くなってやろうという訳だ。
…だいたい俺はどこまで不憫なんだ?転生する前は通り魔に殺され、転生後は神とか名乗る奴に急に世界を背負わされ、そのせいで命を狙われ始め…
不幸すぎないか?とある小説の不幸な高校生の言葉を借りてこう言いたい。
「不幸だ…。」
俺のつぶやきを聞いたアリサが「どうしたの?」と聞いてきた。
「い、いや、なんでもない。それより鍛える件だ。どうかな?」
「悪い話じゃないと思うわ。」
「私も賛成ですぅ。」
「決まりだな!」
話がまとまったところで、宿の扉が開き、村長が入ってきた。
「オメェら!無事だったみてえだな!」
「なんとか、な。そういえば、村の方の被害は?」
洞窟に向かう前に見た景色は、良いものではなかった。かなりの被害が出てなければ良いが…
「お前達のお陰で被害は最小限におさまったぜ、村の長として礼をするよ。」
俺の二倍はある身体を曲げて、村長は礼をした。(礼の文化あったんだな。)
「いやいや!こっちも身を守るために戦ったんだ、そんな大したことしてねえよ!!顔上げてくれ!」
「そうか」と言って巨大な村長は顔を上げながら懐から何かを取り出した。
「代わりと言っちゃあなんだが、これを持っていってくれ。」
そう言って村長が渡してきた物は、小さな本だった。
「本?」
「ああ、この本はこの村一番の歴史ある古書だ。旅をするお前達の何らかの役にたつだろう。」
「歴史的に価値があるものじゃないのか?いいのか?」
「ああ!他でもねえ、お前達だからな!」
そう言うと村長は本をやや強引に俺に渡した。
俺は渡された本を数ページめくって目を疑った。
「これ…ほとんど白紙のページじゃないか!!」
本の中は最初の方だけに何か書いてあり、後半は白紙だった。
「ああ、だが確かに歴史あるものだ。」
俺にはどう価値があるかわからないが、何かの役にはたつかもしれない。好意を無駄にしたくもないし、貰っておこう。
「…ありがとな、使わせてもらうよ。」
本を渡した村長はニカッと笑って、「後でウチこいよ!歓迎してやる!」と残して宿を出ていった。
「豪快だな、変わらず…」
気を取り直し話を戻す。
「それで、これからのことだが、少しずつ鍛えていく方針で良いか?」
「そうね。焦ってもしょうがないわね。」
「私も役に立てるよう頑張りますぅ…」
これで今後の方針も決まった。正直これから先、どうなることか…
…俺の異世界生活、どうなるんだ…?
…この時、本に変化があったのだが、それに気づくのはまだ先のことだった。
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