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異世界
23. ケインとガット(獣人族の集落)
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翌朝、オウガは転移陣を発動すると、ジエロを伴って神殿へと行ってしまった。
「獣人族は元々北東にある大陸に棲んでいたんだけど、ここ数年でこのマヴェーラ大陸にも移住してくるようになったの。だから、まだまだここでは獣人族って希少なのよ? しっかり獣人族について学んで来てちょうだいね」
イルザとロッカに見送られながら、私もケインとガットと共に転移陣の放つ光に包まれた。
次に目に入ったのは、白い岩肌。
左右を確認してみると、薄茶色い岩肌の中に所々白い岩肌が混じっている。
私たちはそんな崖の中程にある、広い足場のようなところに立っていた。
打ちつける波音が聞こえて振り返ると、そこには海が広がっている。
ここと似た場所を見たことがある。そう、あれはテロークの、海側の崖。
あの崖の所々に、ひときわ白い岩肌が覗いていたら、ここと似たような景色になるだろう。
「ここが俺たちの集落なんだ」
その岩肌を指差してケインがニコニコ笑ってるけど、やっぱり岩しか見えない。
でも、ガットに導かれてその幅広の足場を右の方に進んで行くと、ぽっかりと開いた大きな穴の前に辿り着いた。よく見ると、そこから先の岩肌には、大小いくつもの穴が空いている。
「じゃあ、早速中にご案内~、だな」
今度はケインの先導で、中へと入っていく。
入ってすぐにあるのは大きな広場で、そこから更にいろんな方向へと、いくつもの通路や回廊が掘られていた。
歩きながら岩の表面に触れてみると、それは石灰岩よりは硬い感じ。
ガットの説明によると、その岩を内側へとみんなで掘り進めて、ここにみんなで棲んでいる。今は大体8世帯ぐらいは居るんじゃないかな、とのことだった。
見るとケインたちの爪は先で細くなって湾曲している。犬や猫の爪に似ている。
この爪で、ガリガリと削ったのだそうだ。
大変そうに思えるけど、獣人族の習性なのか掘ったり削ったりするのが大好きなので、苦になるどころか楽しいらしい。
なのでこの“家“は、今もどこかで常に拡張中なのだとか。ちょっと面白そう。
話をしながら幾つかの通路や空間を通り過ぎたあと、私たちは広い部屋へと辿り着いた。崖に面していて、大きな窓があり、とても明るい空間だ。
そこにはたくさんの人が居て、それからひとしきり挨拶の時間となった。
見たところ、男女比は同じぐらい。
獣人族だけではなく、オーク系の人やヒト族の姿も見られる。
オーク系やヒト族っぽいのにケモ耳と尻尾がある人も居る。交配が着実に進んでいるみたいだ。
獣人族は元居た島であまり魔法に頼らない生活をしているけれど、中には魔法に惹かれる者もいて。そんな獣人族たちが魔力保有量を増やそうと考えて、この大陸に渡って来たらしい。
なので今回のイルザからの依頼(リサの発情期のパートナーを務めること)は、嬉しい申し出だったらしい。
そして、その依頼に手を挙げたのがケインとガットだったのである。
挨拶がてら、そこに居たみんなと一緒に魚貝類がメインの夕食を食べた。
素潜りや釣りが好きな面子が、毎日こうして食料を集めているらしい。勿論ここにもガラスのタブレットがあって、ここから程近いと言うテロークの料理も取り寄せることが出来た。
その食事の後、私用に用意した客室だと言う部屋へと案内された。
中は街の宿と同程度の家具が置かれていた。
だいぶ奥の方まで来たと思ったのに、部屋の中は割と明るい。不思議なことに、この岩自体がほんのり発光しているようだった。
ソファに座らされ、両サイドをケインとガットに挟まれて。
ふたりは私の手を揉み揉みし始めた。そして・・・
「リサ。発情期のパートナーに、俺を選んで」
「いや、僕を選ぶべきです」
「年上優先だろ」
「半年しか違わないでしょ」
「俺の方が魔力量が少ないんだから、俺が優先だ」
「僕とそれほど変わらないでしょ?!」
ふたりが私を間に挟んで揉め始めた。
「ちょっと、ちょっと!ってば!」
ふたりの手を揺すりながら制止を試みると
「「じゃぁ、リサが選んで」」
と、これは仲良くふたりで声を揃えて私の顔を覗き込んで来た。
「む、無理です。まだ会ったばかりで、どちらがどうとも分からないし」
「じゃぁ、ふたり一緒で良い?」
「イヤですっ! 無理ですっ!」
「じゃぁ、交代でするから」
「は?」
「うん、それが良いな。そうしよう」
「は? え?」
私を無視して、いつの間にか希望をすり合わせたふたりの決定により、何故か一日交代ですることになってしまった。
え? 何? どう言うこと・・・・・???
その後ジャンケン的なものが繰り広げられ、
「最初のパートナーは俺になったから。よろしくね、リサ」
「ちぇっ、仕方ないな。ま、随時食事とか差し入れに来るから」
そう言って未練たらたらに振り返りつつガットが部屋を出て扉を閉めた後、私はケインにベッドへと運ばれた。
「えっ? 待って。まだ発情期は来てないけど」
「大丈夫、すぐに来るよ。どんどん匂いが強くなってきてるから。多分、ヤッってるうちに突入するんじゃないかな」
そう言って、私の身体をブラウスの上から撫で始める。ケインの銀色の瞳が、とろりと細められた。
「リサ、服の“鍵“魔法を解除して。裂いても良いなら、裂くけど。うん、そっちの方が興奮するかも」
私は慌てて鍵魔法を解除した。
ケインは獣人だからかな? とにかくあちこち舐めたがった。
執拗に舐められて敏感になった肌にケインの毛がさわさわと擦れて、とんでもない快感を呼び起こす。
先を丸く整えられた爪でカリカリとあちこち引っ掻かれるのも、ゾワゾワした。
薄く長い舌で奥の奥まで丹念に準備を施され、挿し入れられた杭にナカを何度も強く擦り上げられて・・・。
私はあっと言う間に快楽の虜となった。
ケインとの魔力融合は、例えるなら竜巻のようだった。
銀色のつむじ風に、スミレの花が散りばめられ、巻き上げられるような。
その魔力融合を、何度も何度もふたりで味わった。
「う~ん、俺との時間の間に発情期に入るかと思ったのに、ならなかったな~」
翌日。
ガットが運んでくれた夕食を3人で食べ終えた時、悔しそうにケインがそう言った。そろそろガットとの交代の時間が迫っていた。
「ケインやガットは、ヒト族の女性と寝たことはあるの? 私が初めて?」
「寝たことあるよ。な、ガット」
「ええ。そもそもここに住んでる女性とは、ひと通り寝てますし」
「は?」
「少しでもたくさんの人とセックスして、限界値まで保有量を上げたいからな」
「その点、オーク族は良いですね。たくさん抱けば抱くほど、一気に倍増するから」
「でも、オーク族は女性に発情期が無いからなぁ」
「あぁ、それは確かに。ヒト族女性が発情期に出すフェロモンは最高ですよね」
「俺たちはツガイの本能を失っちゃってるから、発情期のフェロモンで擬似ツガイ化すると、あぁ、ツガイってこんな感じなんだなってリアルに体験出来るんだよね」
「擬似ツガイ化?」
「あれ? リサは知らないのですか? 発情期に女性が分泌するフェロモンに巻かれると、パートナー男性は発情期間中ツガイと同じ状態になって、女性の要求に応じて抱くし、喜んでお世話も自ら行うんですよ」
「でも俺たちはまだ、そのヒト族女性の発情期のパートナーを務めたことがないんだ。だから今回、俺たちが立候補したんだ」
「・・・私、オウガ以外の人に発情期の相手をしてもらうのは、初めてなの。・・・えっと、ほんとは前にもあるらしいんだけど、病気のせいでその頃の記憶が無くて」
「うん、そうなんだってね。でも心配しないで。ふたりで対応するから、ちゃんと食事もさせるし。安心してね」
「でも、擬似ツガイ化したら交代なんて出来ないんじゃないの?」
「女性が眠り込んだ時にはフェロモンが薄くなるから、その時に交代出来るんだよ」
「そうなの?」
「・・・それにしても、こんなに匂ってるのに、まだ発情期じゃないんですね。他のヒト族は、ここまで強くならなかったのに」
「魔力量のせいかもなぁ」
「えっ? 臭う? やだ、浄化するっ」
私が慌てて“浄化“魔法を発動すると
「俺がさっきちゃんとした、って」
とケインがおかしそうに笑った。
「そうじゃなくて、とっても甘美な匂いです。ほんのり甘くて、疼くような・・・。
ケイン、そろそろ出て行ってくれる?」
ほわんとしていたガットが急にその翠色の瞳をとろんと細めて、ケインの身体をぐいぐいと押し始める。
「あー、はいはい。・・・余裕ねーな、ガット。んじゃ、メシは随時部屋の外に用意しておくから。リサを頼むな。リサ、また明日」
そう言うと、ケインは食器をまとめて抱えて出て行ってしまった。
ガットも、てちてちとあちこち舐めたがった。
特に匂いの出どころであるらしい耳の後ろとか、首元とか、脇とか、秘裂なんかを特に・・・。
ガットの体毛はケインよりも柔らかく、ふわふわとしていて、また違った快感を呼び起こす。
何度もじらすようにイかされた後にようやく挿し入れられたソレは、長くて反っていて、挿し入れされるたびに奥の方にチクチクとした痒みのような快感を引き起こす。
ガットはガツガツと激しくするよりも、グッと挿し入れてからぐりぐりと押し付けるのを好んだ。
「ふあっ、リサ、匂いがどんどん強くなってる。・・・う、あっ」
最後にようやく激しく抽挿を繰り返した後、私たちはふたりで達した。
ガットの魔力もやっぱり風系で、翠色の風にスミレの花が巻き上げられるようなビジョンが視えた。
そうしてガットと何度か魔力融合を重ねた後に、いよいよ私の快感が、押し寄せて押し寄せて、止まらなくなってしまった。
「あ、あ・・・、ガット、奥が・・・、奥が疼いて、あん、やっ、ガットぉ」
「ようやく、発情期が来たようですね。嬉しいです、リサ。さぁ、これからですよ」
私のフェロモンに巻かれてガットがとろりと妖艶に微笑み、私の脚を抱え直した。
その後再びガットに優しく激しく抱かれて、例によって私の理性と記憶がトんでしまったのだった。
目が覚めると、私はケインの膝の上で給餌されていた。
口の中に運ばれた肉的なものを、反射的にもぐもぐと咀嚼する。どうやらそれは、鶏肉の照り焼きのようなものだった。
「ケイン・・・?」
「ん? リサ? 意識が戻った?」
「・・・うん。ごめん、ありがとう」
「何あやまってんの? こっちは喜んでお世話してんだから、甘えてて良いんだよ」
そう言いながら、私の口元をぺろぺろ舐めてくる。どうやら、ぼんやりとしながら食事をする私が食べこぼすたびに、こうして舐めとってくれていたらしい。
「はい、これも食べてね」
そう言って、ちぎったパンを口に入れてくれる。
「ツガイって、良いね。こうして誰かひとりに縛られて、しっぽりと長い時間を一緒に過ごすのって悪くないなって思えたよ」
「ふふふ。・・・でも、例えツガイになっても、今回の私とオウガみたいに、別々に違う人とセックスしたりもしてるよ?」
「それで良いんじゃない? 例えツガイでも、何もかも、全ての時間を互いのために縛り付けるのもどうかと思うし」
「・・・そうかな。私は縛りつけたかったし、縛りつけられたかったけど」
「へ~、そうなんだ。でもそれって、なんか続かなそう。オウガと、ケンカにならなかった?」
「私がひとりで傷ついて泣いてたかな。ケンカにまではならなかったかも。オウガが達観してるから」
「達観、なのかなぁ? それで言えば、俺たちもみんな達観してることになるけど? ・・・リサが自分の考えに縛られすぎてるんじゃないの?」
「・・・そう、かも」
この世界に来て、それはちょっと思った。
どうして私たちは、“カレカノ“とか“結婚“とかで縛り合うようなシステムの中に居たんだろう、って。
勿論、バースコントロールとか、血脈の明確化が必要だった、って言うのもあるんだろうけど。
だけどそのせいで、パートナーの浮気や不倫で苦しんで不幸になってる人は多かったように思える。かく言う私もそのひとりだったワケだけど。
ふうふうと息をかけて適温に冷ましてくれたコーヒーのマグをケインから渡される。
私はそれを、ちびちびと飲んだ。
「ケインはもう食べたの?」
「リサに給餌しながら食べたよ。ありがとう」
そう言って、手で私の胸を揉み始める。途端に下腹部が疼いた。まだ、発情期は完全には終わってないのだ。
「リサ、もう良い?」
「うん、いいよ」
私はケインにベッドへと運ばれた後、何時間もその毛皮の中に包まれながら揺すり上げられた。
「獣人族は元々北東にある大陸に棲んでいたんだけど、ここ数年でこのマヴェーラ大陸にも移住してくるようになったの。だから、まだまだここでは獣人族って希少なのよ? しっかり獣人族について学んで来てちょうだいね」
イルザとロッカに見送られながら、私もケインとガットと共に転移陣の放つ光に包まれた。
次に目に入ったのは、白い岩肌。
左右を確認してみると、薄茶色い岩肌の中に所々白い岩肌が混じっている。
私たちはそんな崖の中程にある、広い足場のようなところに立っていた。
打ちつける波音が聞こえて振り返ると、そこには海が広がっている。
ここと似た場所を見たことがある。そう、あれはテロークの、海側の崖。
あの崖の所々に、ひときわ白い岩肌が覗いていたら、ここと似たような景色になるだろう。
「ここが俺たちの集落なんだ」
その岩肌を指差してケインがニコニコ笑ってるけど、やっぱり岩しか見えない。
でも、ガットに導かれてその幅広の足場を右の方に進んで行くと、ぽっかりと開いた大きな穴の前に辿り着いた。よく見ると、そこから先の岩肌には、大小いくつもの穴が空いている。
「じゃあ、早速中にご案内~、だな」
今度はケインの先導で、中へと入っていく。
入ってすぐにあるのは大きな広場で、そこから更にいろんな方向へと、いくつもの通路や回廊が掘られていた。
歩きながら岩の表面に触れてみると、それは石灰岩よりは硬い感じ。
ガットの説明によると、その岩を内側へとみんなで掘り進めて、ここにみんなで棲んでいる。今は大体8世帯ぐらいは居るんじゃないかな、とのことだった。
見るとケインたちの爪は先で細くなって湾曲している。犬や猫の爪に似ている。
この爪で、ガリガリと削ったのだそうだ。
大変そうに思えるけど、獣人族の習性なのか掘ったり削ったりするのが大好きなので、苦になるどころか楽しいらしい。
なのでこの“家“は、今もどこかで常に拡張中なのだとか。ちょっと面白そう。
話をしながら幾つかの通路や空間を通り過ぎたあと、私たちは広い部屋へと辿り着いた。崖に面していて、大きな窓があり、とても明るい空間だ。
そこにはたくさんの人が居て、それからひとしきり挨拶の時間となった。
見たところ、男女比は同じぐらい。
獣人族だけではなく、オーク系の人やヒト族の姿も見られる。
オーク系やヒト族っぽいのにケモ耳と尻尾がある人も居る。交配が着実に進んでいるみたいだ。
獣人族は元居た島であまり魔法に頼らない生活をしているけれど、中には魔法に惹かれる者もいて。そんな獣人族たちが魔力保有量を増やそうと考えて、この大陸に渡って来たらしい。
なので今回のイルザからの依頼(リサの発情期のパートナーを務めること)は、嬉しい申し出だったらしい。
そして、その依頼に手を挙げたのがケインとガットだったのである。
挨拶がてら、そこに居たみんなと一緒に魚貝類がメインの夕食を食べた。
素潜りや釣りが好きな面子が、毎日こうして食料を集めているらしい。勿論ここにもガラスのタブレットがあって、ここから程近いと言うテロークの料理も取り寄せることが出来た。
その食事の後、私用に用意した客室だと言う部屋へと案内された。
中は街の宿と同程度の家具が置かれていた。
だいぶ奥の方まで来たと思ったのに、部屋の中は割と明るい。不思議なことに、この岩自体がほんのり発光しているようだった。
ソファに座らされ、両サイドをケインとガットに挟まれて。
ふたりは私の手を揉み揉みし始めた。そして・・・
「リサ。発情期のパートナーに、俺を選んで」
「いや、僕を選ぶべきです」
「年上優先だろ」
「半年しか違わないでしょ」
「俺の方が魔力量が少ないんだから、俺が優先だ」
「僕とそれほど変わらないでしょ?!」
ふたりが私を間に挟んで揉め始めた。
「ちょっと、ちょっと!ってば!」
ふたりの手を揺すりながら制止を試みると
「「じゃぁ、リサが選んで」」
と、これは仲良くふたりで声を揃えて私の顔を覗き込んで来た。
「む、無理です。まだ会ったばかりで、どちらがどうとも分からないし」
「じゃぁ、ふたり一緒で良い?」
「イヤですっ! 無理ですっ!」
「じゃぁ、交代でするから」
「は?」
「うん、それが良いな。そうしよう」
「は? え?」
私を無視して、いつの間にか希望をすり合わせたふたりの決定により、何故か一日交代ですることになってしまった。
え? 何? どう言うこと・・・・・???
その後ジャンケン的なものが繰り広げられ、
「最初のパートナーは俺になったから。よろしくね、リサ」
「ちぇっ、仕方ないな。ま、随時食事とか差し入れに来るから」
そう言って未練たらたらに振り返りつつガットが部屋を出て扉を閉めた後、私はケインにベッドへと運ばれた。
「えっ? 待って。まだ発情期は来てないけど」
「大丈夫、すぐに来るよ。どんどん匂いが強くなってきてるから。多分、ヤッってるうちに突入するんじゃないかな」
そう言って、私の身体をブラウスの上から撫で始める。ケインの銀色の瞳が、とろりと細められた。
「リサ、服の“鍵“魔法を解除して。裂いても良いなら、裂くけど。うん、そっちの方が興奮するかも」
私は慌てて鍵魔法を解除した。
ケインは獣人だからかな? とにかくあちこち舐めたがった。
執拗に舐められて敏感になった肌にケインの毛がさわさわと擦れて、とんでもない快感を呼び起こす。
先を丸く整えられた爪でカリカリとあちこち引っ掻かれるのも、ゾワゾワした。
薄く長い舌で奥の奥まで丹念に準備を施され、挿し入れられた杭にナカを何度も強く擦り上げられて・・・。
私はあっと言う間に快楽の虜となった。
ケインとの魔力融合は、例えるなら竜巻のようだった。
銀色のつむじ風に、スミレの花が散りばめられ、巻き上げられるような。
その魔力融合を、何度も何度もふたりで味わった。
「う~ん、俺との時間の間に発情期に入るかと思ったのに、ならなかったな~」
翌日。
ガットが運んでくれた夕食を3人で食べ終えた時、悔しそうにケインがそう言った。そろそろガットとの交代の時間が迫っていた。
「ケインやガットは、ヒト族の女性と寝たことはあるの? 私が初めて?」
「寝たことあるよ。な、ガット」
「ええ。そもそもここに住んでる女性とは、ひと通り寝てますし」
「は?」
「少しでもたくさんの人とセックスして、限界値まで保有量を上げたいからな」
「その点、オーク族は良いですね。たくさん抱けば抱くほど、一気に倍増するから」
「でも、オーク族は女性に発情期が無いからなぁ」
「あぁ、それは確かに。ヒト族女性が発情期に出すフェロモンは最高ですよね」
「俺たちはツガイの本能を失っちゃってるから、発情期のフェロモンで擬似ツガイ化すると、あぁ、ツガイってこんな感じなんだなってリアルに体験出来るんだよね」
「擬似ツガイ化?」
「あれ? リサは知らないのですか? 発情期に女性が分泌するフェロモンに巻かれると、パートナー男性は発情期間中ツガイと同じ状態になって、女性の要求に応じて抱くし、喜んでお世話も自ら行うんですよ」
「でも俺たちはまだ、そのヒト族女性の発情期のパートナーを務めたことがないんだ。だから今回、俺たちが立候補したんだ」
「・・・私、オウガ以外の人に発情期の相手をしてもらうのは、初めてなの。・・・えっと、ほんとは前にもあるらしいんだけど、病気のせいでその頃の記憶が無くて」
「うん、そうなんだってね。でも心配しないで。ふたりで対応するから、ちゃんと食事もさせるし。安心してね」
「でも、擬似ツガイ化したら交代なんて出来ないんじゃないの?」
「女性が眠り込んだ時にはフェロモンが薄くなるから、その時に交代出来るんだよ」
「そうなの?」
「・・・それにしても、こんなに匂ってるのに、まだ発情期じゃないんですね。他のヒト族は、ここまで強くならなかったのに」
「魔力量のせいかもなぁ」
「えっ? 臭う? やだ、浄化するっ」
私が慌てて“浄化“魔法を発動すると
「俺がさっきちゃんとした、って」
とケインがおかしそうに笑った。
「そうじゃなくて、とっても甘美な匂いです。ほんのり甘くて、疼くような・・・。
ケイン、そろそろ出て行ってくれる?」
ほわんとしていたガットが急にその翠色の瞳をとろんと細めて、ケインの身体をぐいぐいと押し始める。
「あー、はいはい。・・・余裕ねーな、ガット。んじゃ、メシは随時部屋の外に用意しておくから。リサを頼むな。リサ、また明日」
そう言うと、ケインは食器をまとめて抱えて出て行ってしまった。
ガットも、てちてちとあちこち舐めたがった。
特に匂いの出どころであるらしい耳の後ろとか、首元とか、脇とか、秘裂なんかを特に・・・。
ガットの体毛はケインよりも柔らかく、ふわふわとしていて、また違った快感を呼び起こす。
何度もじらすようにイかされた後にようやく挿し入れられたソレは、長くて反っていて、挿し入れされるたびに奥の方にチクチクとした痒みのような快感を引き起こす。
ガットはガツガツと激しくするよりも、グッと挿し入れてからぐりぐりと押し付けるのを好んだ。
「ふあっ、リサ、匂いがどんどん強くなってる。・・・う、あっ」
最後にようやく激しく抽挿を繰り返した後、私たちはふたりで達した。
ガットの魔力もやっぱり風系で、翠色の風にスミレの花が巻き上げられるようなビジョンが視えた。
そうしてガットと何度か魔力融合を重ねた後に、いよいよ私の快感が、押し寄せて押し寄せて、止まらなくなってしまった。
「あ、あ・・・、ガット、奥が・・・、奥が疼いて、あん、やっ、ガットぉ」
「ようやく、発情期が来たようですね。嬉しいです、リサ。さぁ、これからですよ」
私のフェロモンに巻かれてガットがとろりと妖艶に微笑み、私の脚を抱え直した。
その後再びガットに優しく激しく抱かれて、例によって私の理性と記憶がトんでしまったのだった。
目が覚めると、私はケインの膝の上で給餌されていた。
口の中に運ばれた肉的なものを、反射的にもぐもぐと咀嚼する。どうやらそれは、鶏肉の照り焼きのようなものだった。
「ケイン・・・?」
「ん? リサ? 意識が戻った?」
「・・・うん。ごめん、ありがとう」
「何あやまってんの? こっちは喜んでお世話してんだから、甘えてて良いんだよ」
そう言いながら、私の口元をぺろぺろ舐めてくる。どうやら、ぼんやりとしながら食事をする私が食べこぼすたびに、こうして舐めとってくれていたらしい。
「はい、これも食べてね」
そう言って、ちぎったパンを口に入れてくれる。
「ツガイって、良いね。こうして誰かひとりに縛られて、しっぽりと長い時間を一緒に過ごすのって悪くないなって思えたよ」
「ふふふ。・・・でも、例えツガイになっても、今回の私とオウガみたいに、別々に違う人とセックスしたりもしてるよ?」
「それで良いんじゃない? 例えツガイでも、何もかも、全ての時間を互いのために縛り付けるのもどうかと思うし」
「・・・そうかな。私は縛りつけたかったし、縛りつけられたかったけど」
「へ~、そうなんだ。でもそれって、なんか続かなそう。オウガと、ケンカにならなかった?」
「私がひとりで傷ついて泣いてたかな。ケンカにまではならなかったかも。オウガが達観してるから」
「達観、なのかなぁ? それで言えば、俺たちもみんな達観してることになるけど? ・・・リサが自分の考えに縛られすぎてるんじゃないの?」
「・・・そう、かも」
この世界に来て、それはちょっと思った。
どうして私たちは、“カレカノ“とか“結婚“とかで縛り合うようなシステムの中に居たんだろう、って。
勿論、バースコントロールとか、血脈の明確化が必要だった、って言うのもあるんだろうけど。
だけどそのせいで、パートナーの浮気や不倫で苦しんで不幸になってる人は多かったように思える。かく言う私もそのひとりだったワケだけど。
ふうふうと息をかけて適温に冷ましてくれたコーヒーのマグをケインから渡される。
私はそれを、ちびちびと飲んだ。
「ケインはもう食べたの?」
「リサに給餌しながら食べたよ。ありがとう」
そう言って、手で私の胸を揉み始める。途端に下腹部が疼いた。まだ、発情期は完全には終わってないのだ。
「リサ、もう良い?」
「うん、いいよ」
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