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3 この世界での慣習

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今私が生きているこの世界は、魔法があり、魔物が居て、そしてフリーセックスが基本の世界。



フリーセックス、と言えども、そこらじゅうで乱れた姿を見せられるワケでは無い。

よくあるのは・・・
カフェとか飲食店(主に街の中心部にたくさんある)の席で、まずは挨拶がわりに握手して、お互いの肌感覚を確かめる。
特に嫌悪感が無ければ、そのまま指を絡めたりにぎにぎと手を握り合う。
更に興がのれば、軽いキス。そしてディープなキス・・・。
ここまでくれば、もうあとは全ての店の奥に必ず用意されてる“ソレ用“の部屋へと雪崩れ込むばかり。

勿論、気が乗らなかったり肌が合わないと感じれば、スッと手を引くことでその先に進むことを拒否することも出来る。
そして、その場合にはどんなに魅力的な相手でも、強引にベッドに連れ込むことはご法度。
それがこの世界での暗黙のルールになっている。


子供の頃の私には、たまに出掛ける街中でよく見かける、“カップルが手をにぎにぎさせてる“光景が不思議でならなかった。
いや、厳密に言えば、手をにぎにぎしてること、と言うよりも、カップルだと思ってた人たちが、次に見かけた時には別の相手とにぎにぎしたりキスしたりしてること、しかも見かける度に相手が変わってることが不思議で仕方がなかった。

でも周りはそんな光景になんとも思ってないようで・・・。


そこそこ大きくなっていた私が、そのことを母さんに尋ねると、彼女は『今こそ家庭内性教育のチャンス!』とばかりに、

・この世界の女性には、発情期があること
・それは初潮を迎えてから来ること
・その頻度は大体半年に1回であること
・発情期には、これと決めたパートナーと巣ごもりすること
・発情期中は意識がトんで寝食を忘れる状態になるので、ひとりでやり過ごそうとは決してせずに、必ず誰かにパートナーをお願いすること
・発情期の長さは、パートナーとの相性に左右されること(相性が良いほど長いらしい)
・発情期=排卵期なので、この期間のみ妊娠が可能であること
・とは言え、妊娠率はかなり低いこと
・出産した後は、赤ん坊がある程度育つまでは発情期が来ないこと
・結婚の概念は無いこと
・海の向こうには、婚姻制度っぽいものがある地域もあるらしい、とのこと
・普段はコミュニケーションとか運動的な感覚で、割と気軽にみんなエッチすること
・エッチの相手を選ぶときに相手の姿形は重要では無く、あくまでも肌感覚が大事とのこと

などを教えてくれた。



「アリーシャが初潮を迎えたら、エッチの手解きをしてくれるオススメのお兄さんを紹介してあげるから、すぐに私に教えてね♡」

私の(前世の)感覚ではおよそ母親が言うとは思えない言葉を、最後に母さんはウインクしながら投げて寄越した。

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