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16 復活 ※
しおりを挟む結果を言えば、私は長いこと勃たなかったと言う彼の“復活“をすげなく拒否することが出来ず、流れのままベッドを共にした。
久しぶりだったせいなのか、彼のセックスは飢えを満たすようなガツガツとしたものだった。
魔力も、混ざるよりも先に彼の魔力だけがパチパチとハジけてしまう感じ。
今までの男たちに与えられたような何度も絶頂するような交わりではなかったけれど、
「俺にはアリーシャだけ。アリーシャにしか勃たない・・・」
と、すがられると無下には断れなくて、結局それからもズルズルと関係を続けてしまった。
それからしばらく経ったある日、ギルドから私への指名依頼が来て、2週間ほどポルトガルドを離れることになった。
案の定、ティレルに
「アリーシャと何日も離れるなんて耐えられないっ」
と引き止められたし、最近ではそんなティレルに何かしらの情も湧いていたので、私自身もちょっぴり離れがたく感じたのは確かなんだけど、かと言ってギルドからの指名依頼を断ることも出来ず・・・。
ティレルによって出発のギリギリまでベッドに釘付けにされたものの、なんとかティレルが寝入ったスキをみてこっそりベッドから抜け出し、マジックバッグを引っ掴むと、私はここから更に北の方にあるポルトノルドへと急いで向かった。
ポルトノルドでの私への依頼は、ギルドに保管されている宝石級の鉱石数点と武器数点への魔法付与だった。
武器への付与は朝飯前だけど、宝石級鉱石に関しては初めてのものがほとんどだったので、まずは同じ種類でグレードの落ちる鉱石を用意してもらい、何度か練習してから本番に臨む。
どうやらこれらの宝石は、このあと宝剣に組み込まれるらしく、依頼されたのは“回復“”護り“”能力底上げ“”限界突破“などなど、などなど・・・。とにかく私が知っていて、付与出来る全ての支援系魔法を付与させられた。
私が通常扱ってるファロヴェストの鉱石だと、ふたつみっつぐらいの付与が限界で、それ以上をと欲を張ると途端に壊れてしまう。それでもファロヴェストの鉱石は他の産地のものから見ればずっとグレードが高いのだから、ふたつみっつ付与出来れば充分“凄い“のだ。
なのに、知ってる全ての魔法を付与しても更にまだ付与の余地があるこの宝石級の鉱石は、一体どれほど希少で貴重なものなのか・・・。推して知るべし、だ。
私が付与を終えた鉱石と武器に加えて、練習で作った加護入り鉱石にも専門の鑑定士がお墨付きを与えてくれたので、ギルドからは私史上最高のポイントがIDカードに振り込まれた。
私は浮かれながらギルドを後にし、市場でティレルへのお土産になりそうなポルトノルドの名産品をいくつか手に入れて・・・。
そうして私は予定よりもやや早めの10日ぶりに、ポルトガルドのティレルの待つ家へと帰ってきた。
しかし、「ただいまぁ」と声をかけてもティレルが出てこない。
寝てるのかな? もう昼前だけど・・・と思いつつ寝室に向かうと、その寝室からはあろうことか、ベッドの軋む音と女性の喘ぎ声が漏れ聞こえてきた。
おそるおそる寝室のドアをあけると、そこにはベッドの上に横たわる豊満な身体の女性を組み敷き、激しく腰を打ち付けるティレルの姿があった。
それは私がまだ幼い頃に、友人の家で見た光景とうりふたつで・・・。
「私だけだ」と言っていたハズのその男のあまりの痴態に、私は思わず呆然としてしまう。
そんな私に気がついたティレルは、スピードを緩めながらも、それでもなおその動きを止めることもなく、
「あぁ、アリーシャ・・・」
と、ため息のように私の名前をこぼしながら、私に向かって嬉しそうに、しかし蕩けきっただらしない笑顔を浮かべて見せた。
組み敷かれている女は女で、私に見られていても全く気にならないらしく、自分から腰を揺らしてティレルにもっともっとと強請っている。
・・・一体私は、何を見せつけられているのか
∞⌘∞・∞⌘∞・∞⌘∞・∞⌘∞・∞⌘∞・∞⌘∞・∞⌘∞・∞⌘∞・∞⌘∞・∞⌘∞
冒頭の“ツカミ“の回収完了⭐︎
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